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老舗歴史出版社・吉川弘文館の新シリーズ「人をあるく」を分解してみた

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歴史の専門出版社といえば「国史大辞典」や「歴史手帳」でおなじみの吉川弘文館。
基本的に「専門」なので、あまり初心者向けの本を出していなかった。入門的なラインナップとしては、「歴史文化ライブラリー」シリーズがあるが、初心者というより、マニアックなテーマを切り取る選書に分類されるだろう。

そんな老舗出版社が重い?腰をあげたのが、「人をあるく」シリーズだ。hitowoaruku人をあるく

人に歴史があるように、人を育んだ土地にも歴史が刻まれている。人にとってその地域はいかなる場所だったのか、あるいはその人はそこに何をもたらしたのか。古代・中世・戦国・江戸・幕末維新の各時代から多様なテーマを取り上げ、「人と地域」をキーワードに読み解く。日本の豊かな歴史が実感できる全ページカラーの新たなシリーズ、ここに誕生。(吉川弘文館HPより)

「人と地域」を縦軸と横軸というのは非常に面白い試みだ。オールカラーで160頁、2100円というのは歴史本の世界ではかなり頑張った価格設定である。幅広い歴史ファンをつかみたいという強い意志がこめられていることだろう。

過去エントリー「吉川弘文館の「歴史手帳」にはなにが載っているのか「分解」してみた」に続いて、このシリーズも「分解」してみた。

例えば、歴史ファンの多くが研究者に期待しているのは、人と地域というキーワードならば、
「人」(文献史学)×「地域」(考古学)=無限大なおもしろ歴史絵巻を展開してくれるかであろう。

しかし、文献史学の研究者はミクロな研究領域に入ってしまい、一方、考古学者は遺跡の発掘成果に都合よい形で文献を引用するという、両極端な姿勢が外野からは見えることがある。

はたして吉川弘文館の編集部が、こうした「史学×考古学」のようにかゆいところに手が届く情報をパッケージ化するという編集方針なのかどうかは皆目わからないが、そうしたことを実現できればかなり注目のシリーズになるだろう。

歴史の人物とともに「旅」をして!という思いが伝わる

前置きが長くなったが、さっそく10月に最初に出た3冊の1冊、佐々木克『坂本龍馬と京都』で、内容ではなく、シリーズの特色と構成を分析してみたい。

1)ふりがなが多い
2)脚注が多い
3)カラー写真や図版が充実
4)アクセス案内が充実
となるだろうか。

「分かりやすく工夫しているから読んで~」「歴史をって楽しんだよ~」「旅に持っていくともっと旅が楽しくなるよ~」という出版社の思いがつまっている構成であることがわかる。

1)ふりがなが多い

 これはすなおに大歓迎だ。固有名詞はもちろん、地の文の常用漢字以外(?)にもかなりの頻度でふりがながふってある。
 さらにリクエストするなら固有名詞は初出のみでなく総ルビにしてもいいのでは。面倒なので自分が筆者や編集者だったら断るが笑

2)脚注が多い

 同社の人物叢書や山川出版の歴史リブレットシリーズの注釈は上についているが、やはり下にあったほうがいいので○。

3)カラー写真や図版

 正直な印象を言うと、写真はせっかくカラーなのに小さくてもったいない。もっとドンと「見せる」ことも必要ではないか。

 図版では詳細な人物相関図があるのはいいのだが、これはカラーだから分かりやすくなるわけではないし、ほかの歴史本でもまあ当たり前にあるデータともいえる。

 「分かりやすさ」を徹底させるなら、相関図の細かい部分を、本文のなかでもかなりの頻度でかぶり承知で、脚注に再登場させたらどうだろうか。(または後述のようにネットを使う) 
 読者はいちいちページを戻って相関図を探したりしない。しないことはないが、めんどくさい。読んでいるところに必要な図版が「ある」というのが、専門書ではない以上、読者サービスを徹底してほしいと思った。ほかの出版社でもそこまでやっているところはないが。

4)アクセス案内「○○を歩く」
 かなりのページ数をさいて観光ガイド的な情報をのせている。おもしろい試みである。ページ数が薄い本で、旅にもっていくことを想定していると思われるので、これは必要な情報だ。

 しかし、地図があるわけではなく、網羅的なので、旅のガイドにこれだけで十分かというと疑問が残る。地図まで作っていたら手間がかかるということなら、グーグルマップでオリジナルの地図を作成して、本にはQRコードをつけたらどうだろうか。こちらはたいした手間でもない。
 今やスマホをもって旅をする人口は極めて多い。本1冊ですべて完結するなんて、読者もはなから期待していない。ガイド本的な要素については開き直って、グーグルなどとのリンクを積極的に使うと、読者にとっては使い勝手がよくなると思うのだが。

 これは、前述した相関図をいちいち探すのが面倒という問題にも使えるのではないか。
 相関図だけの専用のページをつくって、リンクのQRコードを脚注に載せておけば、本を読みながら「あれ、これ誰だっけ?」というときに、スマホやタブレットでその画面を開いて、「ああ、こういう関係ね」とチェックできる。そうすれば、本のほうはいちいちページを戻らなくて、快適な読書体験ができると思うが、いかがだろうか。

 今回は「見た目」だけの特色を紹介したが、「人と地域」のキーワードという「売り」がどのような形で表現され、それが成功しているかという点については、また違う機会に分析したい。

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