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前週のにくいよ、にくいよ、はまったく伏線でなくてびっくりしましたっけ

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軍師官兵衛レビュー 書籍・映画

【軍師官兵衛感想マンガ】 軍師なんだし謀略使わせてあげません?第15話「播磨分断」

更新日:

こんにちは、武者震之助です。
前回の「引き裂かれる姉妹」において「主人公は謀略を背負わない」とあおりましたが、今回の第十五回「播磨分断」においてもそれが続きます。

今週は荒木村重あげです

のっけからこう書くのも何ですが、敢えて言います。
軍師が主人公で、謀略は卑怯だからダメという縛りは難易度高いのではないか、と。

さて今週は先週戦で父を失った、官兵衛にとっては姪にあたる力の娘二人から始まります。力・光姉妹の兄にあたる櫛橋左京進が乗り込んできて、何もかも官兵衛のせいだと責め立てるのです。こうなったからには姪姉妹を渡せと怒鳴りつけます。
ここで官兵衛も、いい加減よい歳ですし情誼に訴えるなり何かあってもよいのですが、いきり立って怒鳴り返します。理不尽に責められる官兵衛をあらわしたいのかもしれませんが、そろそろ何か別の手を習得して欲しいところです。もう四月ですし。
今週の官兵衛パートは、この左京進の官兵衛への敵意が取り返しの付かないことにつながるので、もうちょっとソフトに情誼を尽くして説得できなかったと思ってしまいます。

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ブラック企業の幹部 荒木村重の悲嘆

表の主役が官兵衛ならば、本作における裏の主役は誰でしょうか。前半部は荒木村重ではないかと思えます。のちのちの展開につなげるためか、「ブラックな殿に仕えているんだが、拙者はもう限界かもしれない」という、メンタルに限界に挑む描写が続きます。

今週は本願寺顕如に降伏を勧めに行くのですが、「過去に降伏した門徒が皆殺しにされているからちょっと……」とつれない返事です。確かに信長は苛烈ですし、顕如の言うことのほうが、筋が通って聞こえてしまうわけです。視聴者は村重の苦境に感情移入できるのではないでしょうか。

村重の苦悩とストレスのたまってゆく様子は、なかなかこたえるものがあります。愛妻だしは容姿端麗ですが、官兵衛の妻である光のような賢妻タイプではなく天真爛漫タイプですので、これまたうまく夫のストレスをそらせないのですね。

こうしたひりひりした緊張感は、敵の謀略には怒っても信長の虐殺には無反応な官兵衛と比べ、とてもうまく描けているといえます。特に悩みもなく、常に自分が正しいと確信をもっている官兵衛より、共感できる視聴者も多いのでは。

村重さんご自慢の奥さんもブラック企業に勤めるストレス解消にはならない?(2月9日回の絵)

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官兵衛感づく!なら策略で対処しておいてもオーケー!

こうしたパートを挟んで、終盤いよいよ播磨の豪族たちによる毛利攻めの場面です。ここはやけに長い演説などがありまして、官兵衛はピンときた顔をします。
「これは何か裏がある!」
ここは官兵衛の読み通り、左京進が号令をかけて諸将が一気に毛利側へと寝返ってしまいます。播磨勢は空中分解をしてしまうのでした。

義弟よ、もっと軍師でこいや!

義弟よ、もっと軍師でこいや!

でも官兵衛……タイトルロールの軍師として、察知するだけでなく前もって手を打てなかったのでしょうか。この答えはすぐに出ます。毛利家の軍師・安国寺恵瓊が黒幕とわかり、官兵衛がこれを激しく憎悪するそぶりを見せるからです。

ところで皆さん、軍師という言葉からは諸葛孔明あたりが真っ先に浮かびますね。
「待て あわてるな これは孔明の罠だ」
こんな台詞はあまりに有名です。孔明が敵を騙し策にはめたとしても、それで嫌う人はそうはいないと思います。軍師は騙すものですから、騙すなんて汚いなどとは言うだけ野暮もいいところです。

策を封じられた軍師、あとはトンチか?

ところが本作の官兵衛は、宇喜多直家といい安国寺恵瓊といい、策を使う者は憎悪し罵倒します。これは黒田官兵衛という武将のアイデンティティを自ら否定するようなものではないでしょうか? 『軍師官兵衛』というタイトルで『熱血官兵衛』みたいな内容を放映するというのは、これはまるで偽装です。バナメイエビを芝エビと呼ぶ以上に問題があると思えるのは、私だけでしょうか……。

毎週毎週くどいほど繰り返される「乱世を終わらせる」という台詞も、同じことをつぶやきながら「そのためには、策を用いることもやむをえない」と悩みつつ策を使うのであれば、もっと重みを増して視聴者の耳に届くと思います。

毎週こちらも書いている気がしますが、官兵衛よ、頼むから成長してください! 幽閉で人物像が変わるにせよ、その片鱗を今から見せていても悪くはないのですよ。せめて荒木村重の三分の一でも悩み、苦しみ、人間としての深みを増してください。

いつまで経っても初陣気分がぬけんのう(2月2日放送回の絵)

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武者震之助・記
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