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軍師官兵衛レビュー 書籍・映画

【軍師官兵衛感想マンガ】第48話「天下動乱」レビュー。最後まで主人公補正か

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こんばんは、武者震之助です。今回は第四十八回「天下動乱」です。早いものでもう十一月も終わり。最終回が見えてきました。

今回は冒頭から如水が兵を集める場面が出てきます。さすがに最終盤となると岡田さんの演技もこなれてきていますが、欲を言えば牢屋を出たあたりでこのくらいの演技演出になっていてよかったと思います。今は隠居後、晩年ですから演技が元気過ぎるのです。やっと大物感は多少漂い始めましたが、あまりに若々しく関ヶ原の如水のイメージにはマッチしていません。

このあとオープニングを経て、淀が三成に「いよいよ始まるのですね!」とか何とか言い出します。この唐突に淀が異変を知ったという演出はおかしくて、家康だって実は淀から上杉討伐の許可を得ているんですけどね。淀の出番はもういらないでしょう。

一方で暴走隠居老人(に見えませんが)如水は、着々と九州で練兵を始めます。ここに三成の書状が来て、関ヶ原は如水と三成の決着であると演出しておりますが、今後も展開を考えると無理があるのでは。なぜ大友義統を小出しにしておかなかったんでしょう。

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暴走老人というにはヤングすぎる(霜月けい・絵)

黒田家の勇士たち戦場で活躍せずに終わる?

このあと、予告編でもクローズアップされていた人質となりかける光と栄の脱出エピソードが入ります。何が何でも光を毎回アップにしないと気が済まない本作らしいですね。黒田家臣団もいろいろと頑張っておりますが、思えば歴戦の勇士がこの場面くらいしか活躍がなかったなあ、といろいろ切ない気持ちがあふれてきました。

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最後はもこみっちゃんの力技で危機を抜ける(霜月けい・絵)

しかもこの計画が結構杜撰で、こんな場面を得意げに流す意味って何なのか不思議に思います。無駄なコメディ演出まで入れてきますが、この非常時に何を考えているのやら。この軽い演出も、重々しく緊迫感にあふれていれば、まだ息抜きとして意味があったと思います。

ところが全然老けない童顔家臣と、身代わりになるには顔があまりに個性的で無理がある侍女らが演じているのだから、全体的にぬるいだけです。ここまで書くのは気が引けますが、学芸会レベルとはこのことかとあきれました。こんな出来の悪いコントが今週一番尺を使った場面というのは……荷車ごと海にでも転がり落ちて、早く次の場面に映ってくれないかな、と何度思ったことでしょう。

 

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キャラ設定はころころ変わるが最後までファミリーコントは一徹

しかし願いは虚しく、如水と栄の姑と嫁の対面コントが入ります。ああ〜、史実とかもうどうでもいいから、大友軍にこいつら蹴散らされてくれないかな……いや、そんなことを思ってはいけませんが、関ヶ原直前までコントだらけって何をしたいんですか。なんなんでしょう、この天下分け目の関ヶ原を箱庭で再現するようなチャラい感覚は。これならもうレゴブロック関ヶ原とかそういうのでいいですよ……これのどこが「天下動乱」なんですか。

と、腐っておりますと。本作の良心長政が出てきました。
横にいる又兵衛の発声が『世界ネコ歩き』のナレーションとほぼ同じです。この又兵衛は、長政のお目付役という役目よりも、ネコのほうが気になっていそうです。そのへんに岩合光昭さんが「いい子でちゅね」と言いながら出てきそうな緊張感のなさ。ああ、このドラマはもういいから『ネコ歩き』見てえ! いや、そんなことを考えてはいけないのでしょうが。

又兵衛は忘れて、長政と家康の場面を見てみましょう。徳川君臣も本作最後の砦ですね。もう本作は、演技を見ただけで誰が最終勝利者かわかる親切設計ですよ。九州の中二病暴走隠居如水も、いつも白装束で陰険スマイルを浮かべているだけの三成も、家康の威厳にまったく及びません。総集編は長政と家康を中心に編集すべきですね。そうすればせめて総集編はまだ見られるものになりそうです。

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長政と家康でなんとか保たれていますよね…(絵・霜月けい)

こう褒めておいて落としますが、未だに家康が諸将に三成討伐の意志を確認しているというのはどうなのでしょう。ここに至るまでの展開はカットしまくりなのに、いざ描く場面となるとやけにスローテンポで、飛ばし飛ばしなのに展開が遅く感じてしまうのです。こんな奇妙な時間軸で話を進めるなんて、なかなか狙ってできることではありません。

 

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遠い九州で1万集めて「さすが如水すげー」って

三成チームは軍議を開いていますが、なぜかここで安国寺恵瓊が「如水は危ない。あいつを何とかしろ」と言い出します。一万を集めてすごいとかどうこう言い出しますが、九州の果てにいて一万動員したところで、天下にはかすりもしないという事実は動かせないと思います。無理のありすぎる主人公補正でごまかせる範囲にも限度ってもんがね、あるわけですよ。

と、ここで対如水当て馬としてやっと大友義統が投入されます。遅いよ! 大半の視聴者がここで「誰だよ!」、「今更かよ!」ってつっこむよ!

恵瓊が如水をマークせよ発言もどうかと思いましたが、そのあとわざとらしい漢文の引用を経て、如水天下取りの秘策が語られます。
かっこつけていますが、要約すると「家康と三成の争っている間に、漁夫の利をさらって勝てちゃうかもね」というしょうもないもの。
黒田家臣団は兵士がホイホイとついてきて雪だるま式にふくれあがると持ち上げるわけですが、どういう根拠か示されません。地方豪族の宇都宮一族すら味方につけることに失敗してきた如水が、どうやって味方を増やすのかまったくのノープラン。九州征伐の際に兵がなびいていましたが、それは関白秀吉の威光ゆえです。
片田舎の小大名、しかも今まで使い走りすらまともにこなせなかった奴とその家臣たちが、目をキラキラさせて、何ドリームを語っているんでしょうか。ヤケクソにしか見えません。

朝ドラの主人公であるマッサンがろくに働かないから視聴率が下がっているとつっこまれていますが(http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141129-00000017-pseven-ent )、この作品の如水も「ろくに頭を働かせないから」駄目なんだとつっこんで欲しいものです。あ、今私が全力で駄目出ししていますね。

 

そしていまさら小早川秀秋がぽっと登場

今回はラストに小早川秀秋が出てきます。キーパーソンを早めに出さないことに定評のある本作、秀秋も今更出しやがりました。如水と秀秋には浅からぬ因縁があります。小早川隆景が秀秋を養子に迎えたのは、如水がとりもったからです。なぜ、そのあたりの因縁を出しておかなかったのでしょう。こういう肝心なところを飛ばすから、本作は何が何やらわからないのですよ。

ああ、もう、こう書くべきでしたね。「『軍師勘兵衛』の視聴率が悪いのは、如水もスタッフもろくに頭を働かせないから」ですね。

大河スタッフの皆さん。今週もずけずけと、気楽な立場から言いたいことをきつく書いてしまい申し訳ありません。しかし、敢えて私は問いたいのです。ろくに任務も達成できないくせになぜか持ち上げられてきた男が、最晩年に人生最大の愚策を弄する姿を大仰に描くことが、一体どう視聴者の心の琴線にふれるとお考えなのですか? 三成征伐のため、そして長政のため、九州の西軍勢力を抑えるべく戦うという描き方ではいけなかったのですか?

今年はもう手遅れでしょうが、今年の失敗点を反省し今後のよいドラマ作りに生かしてくださいね。

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武者震之助・記
霜月けい・絵

 

 




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