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お城野郎!

一人ぼっちのお城野郎 ワンダーキャッスルジャパン◆ 城とオッチャン

更新日:

 

2週にわたり『第一郭 江戸城』『第二 高天神城』と報じてきた当連載。

続けて新規の城を紹介!と行きたいところですが、城郭探訪には欠かせない地元のオッチャンについては、早めに触れておかねばなりませぬ。

 

そこで今回は『城とオッチャン』をワンダーキャッスルします!

お城野郎ワンダーキャッスルジャパン3-1

九州では珍しい織豊系城郭にして海城「名島城」全景

お城巡りは基本的に一人で行くのですが(と、と、友だちいないわけじゃないんだから!)、何もない城跡を訪れては気分良く妄想に浸り、写真をパシャパシャと撮っていると、どこからともなくオッチャンが現れることがあります。

「どこから来た?城好きなの?」

とかまあ、そこまではいいのですが、「この城は…」と、人の意向を無視してひたすら城のウンチクを語り始めるという厄介な現象が度々起こります。度々です。

 

立派な天守があるような城よりも、廃城となり「城趾公園」や「城山」として地元の散歩コースと化しているような城では高い頻度で遭遇します。

「オッチャン、ごめん。俺、素人っぽく見えるけど、お城は超詳しいから」

オッチャンのウンチク披露の最中も、このように言いかけて言えない。顔はビジネススマイル。

 

結果、オッチャンも気分よくウンチク話もヒートアップし、たたみかけるように「この地域は昔から~」と城を飛び越えて今度は地域のウンチクが始まります。

まるで城郭が二の丸、三の丸と拡張して地形を飲み込んでいくようにオッチャンの話は拡大の一途を辿り、留まることを知りません。

 

「ちょっと写真撮って来ようかな・・・」

そんな風に話の腰を折って逃げる戦術に出るも、オッチャンは立ち去る様子もなく私の写真撮影を気長に待っています。

 

『ちっ。持久戦術に出たか。ならば城から打って出て反撃だ!』
ならば、とコチラも質問攻めで応戦。質問しまくって相手にしゃべる隙を与えず、切りのいいところで「では、ごきげんよう!」と強引に別れる戦術に出ます。

 

しかし・・・。

「地元なんですか?何年くらいお住まいなんですか?いやあ、ほんと勉強になります」

と余計なところで「おもてなし」能力を発動してしまい、反撃どころかオッチャンを気持ちよくさせただけという体たらく。

援軍も来ていないのに城から打って出て自軍の兵士を消耗させるという失策を繰り返し自滅→あきらめるというのがいつものパターンであります。

 

ちなみに過去に最も強烈なオッチャンだったのは、福岡県の名島城で遭遇した地元出身元消防隊員55歳(←すべて聞いてもいないのに教えてくれたオッチャンのプロフィール)でしょうか。

お城野郎ワンダーキャッスルジャパン3-2

この日も一人で妄想を膨らませながら名島城の本丸跡を見学中に、突然「こんにちはー!!」と遠距離から大筒を打ち込んで来るオッチャンが現れました。

 

『オレじゃない!絶対オレじゃない><;』

願いもむなしく、何度も「こんにちはー!」の声を轟かせながら徐々に間合いが詰まってきます。

 

もう「こんにちはー!」が「ちぇすとー!」にしか聞こえないくらい追い詰められた私は遂に観念して「こ、こんにちは」と答えてしまいます。

「名島は初めて?」

「は、はい」

「ここね、小早川隆景っていう武将が築城したんよ」

「はぁ…(知ってます…というかソレ見に来たんス)」

「黒田長政がここ潰して石垣全部、福岡城に持ってったんよ」

お城野郎ワンダーキャッスルジャパン3-3

「はぁ…(知ってます)」

「今はここ何も無かけどね、昔は製糖会社の社長さんの家があったとよ」

「はぁ…(なぬっ!)」

「ここね。この本丸跡。ここに住んどったとよ」

お城野郎ワンダーキャッスルジャパン3-4

「ちょっ、マジっすか?!」

聞いたこともない地元情報に反応する私。

「そうよ。子供の頃はこの辺何もなかったし、見晴らしも良かけん。社長が住んどったとよ」

「そうですか。城に住むなんてうらやましいですね。いつ頃、城跡として名島城を整備したんでしょうね」

 

 

「知らん」

 

 

オッチャンは知らないこと、興味ないことは容赦なく切り捨てます。

 

「子供の頃はさ、そこの川の向こうが森で自殺の名所だったったい」

「ほぅ…」

「向こうに見えるあの倉庫。あれ◯◯組の倉庫たい」

「ぬぬっ!」

「下の公園はセアカコケグモが日本で始めて見つかった公園たい。ニュースになっとったやろ」

お城野郎ワンダーキャッスルジャパン3-5

気がつけばもう圧倒的な地元情報。更に既に宅地と化してしまっている名島城の二の丸、三の丸の位置も教えてくれました。

指差す方角がイマイチな上に、地元の人しか分からない番地名で言うので場所がさっぱり分からないという雑な説明も、強烈な熱意と個性で私に「ちゃんと説明しろ!」と言わせません。

 

こんな調子ですが、城でのオッチャンとの出会いは、お城の本にも現地の案内板にもYahoo!知恵袋にも載っていないハイパーローカルな情報をもたらしてくれます。

そして用が済んだら、「別の用事があるので」と完全に自己都合で私を置き去りにして去っていくのもまたオッチャンの行動パターンなのです。

お城野郎ワンダーキャッスルジャパン3-6

名島城ではその後、何事もなかったかのようにお城見物を再開。

妄想力を発揮して何もない道路に往年の名島城大手門を脳内に再現しつつ、ふと、あのオッチャンも私の妄想力が生み出した妖精なのかもしれない、と思うのでした。

 

 

 

筆者:R.Fujise(お城野郎)

日本城郭保全協会 研究ユニットリーダー(メンバー1人)。
現存十二天守からフェイクな城までハイパーポジティブシンキングで日本各地のお城を紹介。
特技は妄想力を発動することにより現代に城郭を再現できること(ただし脳内に限る)。

 

※編集部より

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FUJISEさん城郭検定2級

 

 

 




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