日本初の歴史・戦国ポータルサイト

BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)

スポンサーリンク

アメリカ 歴史・戦国NEWS

「ドナルド・トランプの親父さんって、毛沢東と会った事があるんだってさ」というデマがインターネット上で

更新日:

 

インターネット時代には、「火のない所にも煙が立つ」という事でしょうか?

アメリカ共和党陣営から大統領選に出馬宣言し、目下快進撃中のドナルド・トランプ氏。ところが、御本人を巡って、どうした訳か奇妙な噂が流れているのです。

「その昔、親父さんのフレッド・トランプ氏が、毛沢東と会った事があるんだってさ」というのがそれ。「これがその証拠写真だよ」と、ジープに乗りながら笑顔を見せる毛沢東と白人の男性の写真が出回っているのです。

実際には、そんな事実は無く、遂には報道機関が「これ嘘だからね」と釘を刺しているぐらい。一体誰が、何の目的で投稿したのかも分かっていません。中国の情報機関の謀略?

 

「これがその写真だぁ」

トランプの父毛沢東と会っていたデマ写真4

これが、その写真です。ジープにアメリカ兵と毛沢東、中国国民党の士官らしき人物と、八路軍の兵士と思しき人物が、どこかを見やりながら親密そうにしているのが分かります。

武将ジャパンの賢明なる読者の皆様に於かれましては今更だとは思いますが、念のために指摘しますと、手前で両膝に手を置く男性が、毛沢東です。

そして、この写真に「1964年頃にトランプの親父さんが毛沢東と一緒に写真に収まっているぞ」(Donald Trumps father in photo with Mao Zedong circa 1964)と書いてREDDIT PICS」という画像共有サイトにDuhTruthoという人物が1ヶ月前に投稿しました。

 

6年前から出回っていた写真に謎の尾鰭

この写真をグーグルで画像検索したところ、元々は中国国内のサイトで紹介されていました。

例えば、この難得一見的歷史歷史圖片(三)というサイトの写真を見ると、2012年10月5日付。

トランプの父毛沢東と会っていたデマ写真2

 

あるいは、この酒管专委的博客というサイトを見ると(分かりづらいかもしれませんが、真ん中の方にあります)、2011年7月13日の日付。つまり、かれこれ5年前ぐらいから出回っていた模様です。それが何故か、1ヶ月前ぐらいからアメリカのサイトに紹介されたというのが話の流れ

 

スポンサーリンク

「嘘だから、信じちゃダメよ」と報道サイトが

トランプ氏本人が何かと注目を浴びる発言をしているだけに、この写真にも結構な反応があったようです。それを重く見たSnopes.comという噂の検証報道サイトが、1月28日付で「嘘だぞ」と釘を刺しています。

余談になりますが、Fauxtographyという英単語があります。直訳すれば「写真の捏造」となりますが、「オンライン上で出回っている写真に、デタラメな説明書きを付ける」場合などにも使われるようになっています。

で、このサイトは、そうした写真の説明が正しいかどうかを取材検証しています(余談の余談になりますが、こういうのをFact Checkと言いまして、最近では特設して紹介する海外の報道サイトがポツポツ増えつつあります。こういうのを日本の報道機関も見習って欲しいのですが…)。

 

Snopes.comによると、写真が撮影されたのは1945年8月27日。場所は陝西省の延安の飛行場で、ジープの後列(写真の左端)の八路軍の兵士と思しき人物は黄華という人物だそうです。ウィキペディア日本語版から引用します。

トランプの父毛沢東と会っていたデマ写真4

燕京大学中退。1935一二九運動に参加。1936中国共産党に入党する。延安ではエドガー・スノーアグネス・スメドレーらの通訳を担当する。1941から朱徳の秘書を務める傍ら、外交にも従事する。1946葉剣英の秘書となる。1949、国民党外交部の接収を指揮した。1953朝鮮戦争停戦交渉の中国側代表、外交部西ヨーロッパアフリカ局局長となる。1954第一次インドシナ戦争の休戦に関するジュネーヴ会議1955バンドン会議に代表団顧問、報道官として出席した。(wikipediaより引用)

で、その横に座っている帽子を被った白人は、当時の中国大使だったパトリック・ヒューレー。更にその横の国民党軍の士官と思しき人物は張治中という国民党政府の将軍。再び、ウィキペディア日本語版から引用します。

保定陸軍軍官学校を卒業し、黄埔軍官学校では学生団団長、学生総隊隊長、軍官団団長を務めた。中国国民党北伐に参加し、武漢軍分校教育長兼学兵団団長を務める。

1932年民国21年)の第一次上海事変では第5軍軍長を務め、1937年(民国26年)には第9集団軍司令官として第二次上海事変に参加した。同年11月、張治中は湖南省政府主席に就任した。しかし、日本軍の攻撃が近いという間違った判断から、張が重要な建物の破壊を命じる[1]と手のつけられない火災となり(長沙大火)、この事件の責任は張にあるとして、解任された。1940年(民国29年)、国民党軍事委員会政治部部長兼三民主義青年団書記長を務める。

1945年(民国34年)、張治中は、国民政府軍事委員会委員長西北行営主任兼新疆省政府主席を務める。中国共産党との重慶での和平交渉では、国民党代表となった。

当時は、日本側が玉音放送を読み上げて2週間足らず。中国側にしたら喜び爆発だった頃です。ただ、一方で共通の敵を失った国民党と共産党が、以前のように対立しそうな雲行きになりつつあった頃でもありました。張は蒋介石の代表としてヒューレーを伴い、内戦を回避する交渉をしに延安に飛来していました。ちなみに、撮影したのはジョン・コリングという人物だという事までサイト側は割り出しています。

 

スポンサーリンク

「後ろの3人の白人はどうなのよ?」

賢明なる武将ジャパンの読者の皆様は「そこまでは分かったけど、運転席の眼鏡の白人の軍人と、その後ろに2人、白人のアメリカ兵がいるじゃあないか」とお思いでしょう。

これについてサイト側は説明していません。ただ、ワタクシメの方から補足しましょう。

ウィキペディア英語版によると、これがトランプのお父さんの写真。

wikipediaより引用

御本人は1905年10月11日生まれで、1999年6月25日に他界なさっています。

つまり、写真撮影の時点では39歳。運転席の人物とは年齢的に合いません。また、後ろの2人は若すぎて、逆に合わない。そもそも、3人とも親父さんと似ていない。

何よりも、この英語版の記事によると、「第二次世界大戦の期間中は、東海岸にある海軍の造船所の近辺に軍人向けのバラック小屋やアパートを造成していた」とあります。22歳の時に不動産の世界に飛び込み、大恐慌時代に台頭しつつあったスーパーマーケットにいち早く着目し、ニューヨークに建設。今なおニューヨーク近郊に展開するキング・カレンというスーパーマーケットのチェーンに売却し、かなりの利益を得ています。要するに辣腕のビジネスマンでして、記事を読む限りでは兵役に取られたとか、中国に渡ったという下りは一切ありません。

何よりも、REDDIT PICSの説明書きにある1964年というのが、おかしい。当時は米中対立まっただ中で、双方の軍関係者がジープに乗って談笑する訳が無いのです。

 

なお残る、動機と謎。そして頭痛…

このような指摘を受け、上記のPICSは「嘘こくんじゃねぇ!」(Misleading title)と、見出しに突っ込みが入り絶賛?炎上中。悪い事って出来ませんね。

となると、DuhTruthoなる人物の動機なのかが知りたいところ。もっとも、本人はYouTube上の映像を巡るバトルに参加し、雄弁を振るっているものの、この毛沢東の偽写真には沈黙したまま。

Snopes.comでは、トランプ氏と並んで人気を得ているバーニー・サンダース氏が、1965年3月にマーチン・ルーサー・キング牧師が公民権運動として行ったデモ行進に参加していたとの触れ込み写真があり、それに反応する格好で投稿されたと解説しています。

ちなみにその写真がこれ。Snopes.comによると、左のややピンぼけの眼鏡の男性が、当時のデモに写り込んでいたサンダース氏とされる人物。右は、本物の若かりし頃の同氏。

トランプの父毛沢東と会っていたデマ写真4

念のため、遠景写真も引用します。

トランプの父毛沢東と会っていたデマ写真5

手前のキング牧師のすぐ後ろの赤丸部分が、サンダース氏だとされ、SNS上などで反響を呼んでいました。「若い頃から正義感の持ち主だった」と思う人が多かったようです。

 

ところが、サイトによると、サンダース氏は確かにキング牧師主催のデモ行進に参加した事はあるものの、それは1963年8月の話。「その後、実質的に運動から離れた」と解説しています。

そういう事情を知らない人達の間でワーッと広がり、サンダース株が上がった事による、トランプ支持者としてのDuhTruthoなる輩が、白人の紳士風男性と米兵らと写り込んだ毛沢東の写真に嘘八百の説明書きを加えて話題を引き起こし、関心を引き寄せようとしたという推理は成り立ちます。あるいは、中国共産党の情報機関が、何らかの意図で選挙戦を混乱に陥れようとしたという推理も成り立ちますが…。

いずれにせよ、毛沢東は被害者となりましょうか。それにしても、調べれば分かるのに、出所の不確かな写真を大した確認もしないままに拡散してしまうインターネットって怖いですね。頭痛がしてきました。

…もっとも、そんなインターネットで生活を得ているのが、このワタクシメだったりするのですが。

 

スポンサーリンク

南如水・記

 




1位 西郷隆盛49年の生涯!


2位 ホントは熱い!徳川家康


3位 意外と優しい!? 織田信長さん


4位 直虎の後を継ぐ井伊直政とは?


5位 毛利元就の中国制覇物語


6位 伊達政宗さんは史実も最高!


7位 最上義光 名将の証明


8位 最期は切ない豊臣秀吉


9位 史実の井伊直虎とは?


10位 もしも戦国武将がサッカー日本代表だったら?


武将ジャパン・TOPページへ戻る



-アメリカ, 歴史・戦国NEWS

Copyright© BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン) , 2017 AllRights Reserved.