まさか『資本論』は立ったまま執筆!? カール・マルクスは腫瘍に苦しんだ生涯を送っていた

 

どんな歴史上の偉人も、人の子である以上は意外な人間臭さや凡人同様の苦しみを背負っているもの。特に健康面では、そうした傾向が強いようですね。偉業を打ち立てようと、心や体のケアがおろそかになりがちだったからなのでしょう。

カール・マルクスも、そんな一人。アイルランドのお医者さんが、たまたま見たBBCのマルクス特集の番組から、生前の健康状態に興味を持ち、色々と調べてみると、出るわ出るわ。

大人になって全身の腫瘍に苦しみ、特に下半身のが酷かったのだそうです。「本人の心に影響を与えた可能性がある」と指摘しているそうです。

アイリッシュ・インディペンデント紙が報じています(2016年7月18日付け)。

【TOP画像】アイリッシュ・インディペンデント紙より引用

物の見方に影響を与えていたかもしれない

BBCではマルクス、フロイト、ニーチェなどを現代史に影響を与えた巨人として紹介する特集番組を相次いで放映していました。これをご覧になったモーリス・ギャレットという医学博士(医療誌の編集者もやっておられるそうです)が、専門的観点から興味深いと考えたのだそうです。

ギャレット博士が注目したのが、マルクスの肌。写真はモノクロで分かりづらいのですが、現代の皮膚科の医師が診断したら仰天するような病状だったのだそうです。

成人後のマルクスは、その生涯に渡って全身に腫れ物や吹き出物が出まくっていたそうです。写真は修正しまくっていたのかもしれませんね。フォトショップも無い時代に、良くもまぁって感じが。

普通の人なら耐えられないレベルだった筈で「本人の精神状態や、物の見方に影響を与えていたかもしれない」(ギャレット博士)そうですから、穏やかで無いですね。ある意味、歴史学への問題提起かも。

 

医師に「1日3回服用しなさい」とヒ素を処方され

特に酷かったのがお尻と股間と脇の下。マルクス本人も「気が散る」と語っていたそうです。ズボンをはく際に太ももの内側に激痛が走り、短い距離の歩行すら困難にさせていたとの事。また、尻のイボのせいで、しばしば座る事すら出来なかったそうです。となると、あの有名な「資本論」は立ったままの執筆だったのでしょうか?

本人なりに、素人治療もしていました。例えば肩甲骨の下に出来た腫瘍は寝る際に痛んだようで、これをカミソリで切り取っていたのだとか。「心情的に分からなくはないが、医学的にはお勧め出来ない治療法だ」とギャレット博士。ちゃんと医者に行けよって感じですね。

もっとも、主治医は何人かいたようですが、当時の医学水準に問題があったのか、はたまたヤブ医者だったのかは不明ですが、今日の医学界からすれば驚愕する治療方法が施されていたらしい。

例えば、英国のマルゲートという温泉地で夏休みを過ごそうとした本人に、医師が「1日3度は服用しなさい」と処方したのが、何とヒ素。言いつけを守る人だったらしく、その通りにしたところ「何か気分が落ち込むなぁ」と感じていたのですって。

ギャレット博士の100年越しの診療によると「更に悪化していただろう」そうですから、何してまんねんという感じですね。

 

稀な腫瘍にも苦しんでいた可能性も

本人にとって不幸が続きます。

現代の医学界では汗腺腫瘍(英語圏での医学界ではhidradenitis suppurativaの頭文字からHSと略されるとの事です)という疾患を負っていた可能性があるそうです。汗腺性化膿炎とも言われる病気でして、汗腺にブドウ球菌が感染し化膿し発症。 脇の下や乳房の下、外陰部、肛門の周囲に痛みのある赤く腫れたおできが出来ます。

再発を繰り返す場合が多い病気なのですが、一方で比較的稀な病気だとされています。

つまり、一般人なら滅多に罹らない病気のせいで、延々と苦しみ続けていた可能性があるとなります。色んな意味で、修羅の人生だったのでしょうね。

一方で、ロンドンの高級墓地に墓を購入(【参考記事】資本家の「搾取」では!? あのカール・マルクスの墓が参拝料を徴収!)したりしているのを見ると「そんな金があったら、もっとエエ医者に体を診てもらったら?」とも思ってしまう。

やはり、偉人サンのお考えなさる事は、ワタクシメのような凡俗には理解不能です。

南如水・記

 








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