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イギリス 週刊武春

暗号エニグマを解読してイギリスを勝利に導いた立役者が同性愛で去勢刑→60年後に名誉回復

更新日:

【追記】2013年12月24日にチューリングの名誉回復が決定しました。英国の王室から恩赦がおりたようです。

第二次世界大戦で連合国側を勝利に導いた立役者は何人もいますが、知る人ぞ知る存在というのが、数学者のアラン・チューリングでしょう。戦時中、ナチス側の「エニグマ」暗号を解読し、敵の出方が手に取るように分かった事が、勝利への貢献となりました。

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ただ、それだけの貢献をしながら、悲劇的な最期を遂げた人でもありました。同性愛者だった事が露見し(当時は法的に禁じられていました)、去勢刑を受けた後、1954年に自殺に追い込まれたのです。

それから時代は流れ、同性愛などへの偏見が薄れるにつれ、「これだけの事をしたチューリングの名誉を回復しよう」との動きが活発化。恩赦まで、あと少しになっているのだそうです。(*2013年12月24日恩赦決定)

 

悲劇の天才アラン・チューリング、同性愛への偏見でキャリアと人生終了

元々、数年前から動きはありました。2009年9月「偏見で一人の人間のキャリアと人生を終わらせてしまった事を認める」ようにと、英国政府に嘆願書を提出しようとの呼びかけをした所、3週間で2万人近い賛同があったのです。

呼びかけたのは、英国のコンピューター学者、ジョン・グラハム・カミング氏。チューリングが2009年時点でも狂人扱いされているのに憤慨し、英国だけでなく、世界的な英雄として扱われるべきだとしていました。

カミング氏がそう言うのも、無理からぬ所があります。チューリングは解読に当たって「ボンベ」(Bombe)と呼ばれる機械を製作します。これが現在のコンピューターの原型だと位置付けられているからです。

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つまり、この人がいなければiPad AirだってWindows8だって、この世に存在しなかった可能性が高い。無論、インターネットも同様です。

しかし、戦後の1952年、同性愛による禁固刑を避けるためチューリングは化学的な去勢に合意し、エストロゲンを注射されました。その2年後、青酸入りのリンゴを齧って、自ら命を絶ちました。享年41。

「もし41歳で世界に衝撃を与える自殺をしていなかったら、偉大な人物になっていただろうし、生存中に叙勲されていたのは間違いない」と、英国政府に叙勲を促すようにも運動していたそうですから、執念と言えましょうか。こうした動きに、世界の同業者からも「英国人ではないので、嘆願書にサインする資格が無い。残念だよ」とのメールが数多く寄せられていたそうです。

 

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ようやく始まった名誉回復への動き 

さて、その後どうなったのかと言いますと、名誉回復の動きは続いています。それが実りつつあるようで、あと少しにまでなっているようです。何しろデビッド・キャメロン首相自らが、先月の下院で示唆する発言をして注目を浴びたぐらいですから

チューリングの出身地、マンチェスター市で発行するマンチェスター・イブニングも、こうした動きに注目しており、結構な字数で報道しています。「街の恥」から「街の英雄」に昇格するかもしれないのですから、当然と言えば当然なのでしょう。

同紙によると、キャメロン首相はチューリングの死後の恩赦に「強い示唆」(strongest hint)を示したとありますから、相当踏み込んでいますね。

英国政府も、今年初めに上院の新人議員らが提出した嘆願案には賛成する姿勢を見せていました。しかし、実現はしておらず、下院で「どうなってるのですか」との質問が、英国自民党のスティーブン・ギルバート議員から出ました。

それに対し、キャメロン首相は「チューリングは偉大な愛国者であり、自分としても嘆願を『確かに見届けている』」。つまり、早期に取り組むとする示唆をしたというのが話の流れです。

また、今年初めには英国の11人の科学者らが首相に対し、「この英国の英雄を公式に許して欲しい」」とする意見書を提出していました。「チューリングは近代社会で最も輝かしい数学者の1人なのだから」とも書き添えられていました。

ちなみに、11人の中には、あの有名なスティーブン・ホーキング博士が名を連ねていたそうですから、こうなると首相も無視する訳にもいきませんね。

ちなみに、2009年には当時のゴードン・ブラウン首相が英国政府に代わってチューリング氏の受けた扱いを公式に謝罪しています。色んな意味で、完全な名誉回復まで後1歩の所まで近づいて来ているのです。

 

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保守派の重鎮に逆風が吹く時代に

時代は変わったなぁと痛感させられるのは、同性愛への偏見が、少なくとも公式の場で露わにしたら非難されるようになった事でしょうか

英国には、同性愛者関係の情報を専門に扱うインターネットサイトのPink Newsというのがあります。こちらで、チューリングの名誉回復に反対している英国の保守党の重鎮、テビット卿に対して、英国自民党の会員議員であるジョン・リーチ氏が非難しているからです。

テビット卿は30日に行われた下院でのやり取りで、こうした死後の名誉回復(恩赦)には、「当時はともかく、今となっては嘆かわしくない行為によって、その頃に有罪を言い渡された人になら適用できる事なら有り得る」とする法的な論理がなければならないと発言していました。そこまでならともかく、チューリングに対する恩赦は「危険な手続き」(dangerous precedent)だとも発言してしまったそうですから、同性愛者からしたらカチンと来ますよね。

マンチェスターにあるチューニングの像(写真はいずれもWikipediaより)

マンチェスターにあるチューニングの像(写真はいずれもWikipediaより)

リーチ議員はマンチェスター南部の選出で、恩赦の法案提出を連名で行っています。こうした動きには、上院の中にも賛成者がいます。ただ、上院での可決は先月30日の3度目の審議で決まったところなどから、それなりに反対者がいたようですね。そういう風潮がある所に、テビット卿の発言があった訳ですから、リーチ議員はおかんむり。

PinkNewsの取材に対し、「1982年からだけでも698人もの恩赦が行われているのに、その時にテビット卿は1度でも反対したのだろうか。自分には思い出せないのだが」と非難しています。「チューリングは第二次世界大戦中に大勢の命を救った英雄だ。今回の恩赦は、何ら間違っておらず、むしろ正しい事なのだ」とも強調しています。

なお、上記のマンチェスター・イブニング紙によると、英国のエチュード誌が傑出した活動を行ったとしてチューリングに賞を与えたそうです。受け取ったのは姪っ子さん。後は、政府による名誉回復だけとなりました。

私自身はゲイではないですが、インターネットのヘビーユーザーとして、また生計の一部としている者として(何しろこれが無ければ、こちらのサイトだって無いのですから)、英国人ではないけど、チューリングの一刻も早い名誉回復を願って止みません。

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