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数少ないミリメシだった?インスタント・コーヒー【第一次世界大戦100年VOL.18】

更新日:

第一次世界大戦でのミリメシ事情、イギリスフランスと紹介してきましたが、あとドイツとオーストリアとロシアが残ったままですね。正直、紹介していて切なくなってくると言うか、腹が減ってくると言うか、自らの生活に重なると言うか(って、誰も聞いてませんね)。

読者の方からしたら「貧相な飯だよな」「と言うか、何で煮炊きしてんだよ、アウトドアじゃあるまいし。煙とか上がったら敵の目標じゃん」とか思われる向きもありましょう。実はこれ、訳がありまして。

今日では食品加工に当たり前のように使われているフリーズドライ製法が、当時は未発達だったからなのです。この方面での本格的な開発は、第二次世界大戦後の話。ですので、第一世界大戦当時は、ドイツ側も連合国側も、食べ物には難儀した訳です。

 インスタントコーヒーこそミリメシの星

ただ唯一の例外とも言えるのが、インスタント・コーヒーだったのです。ineedcoffee.comというサイトに、詳しい歴史が書かれているので紹介してみましょう。

  

インスタント・コーヒー自体の歴史は古く、記録文書などから1771年の英国に起源を求められるそうです。で、ミリメシの1つとして注目されるようになったのは大西洋の反対側のアメリカ。1853年に試験的に作られています。この時は、今のような粉末状ではなく、ケーキみたいな形だったそうです。これが南北戦争で配給されていたとの事です。

 

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なんと日本人がコーヒーの粉末化に成功

その後、1890年になって、ニュージーランドに住むデビッド・ストラングという人が特許を取得。そして1901年、我らがニッポンが大偉業! カトウ・サトリというアメリカに留学中の化学者が、コーヒー抽出液を真空乾燥して粉末化するのに成功。同じ年にバッファローで行われたパンアメリカン博覧会で「ソリュブル・コーヒー」(可溶性コーヒー)として発表しました。

 

 image002

これが当時の記録です。お名前の方ですが、日本インスタントコーヒー協会によると、姓は加藤なのだそうですが、下の名前の表記は不明。また、ウィキペディアの英語版を見ると、会社は興したものの、実際に生産に踏み切ったかどうかまでは記録に残っていないようですね。

 

で、そうこうする内に、1910年頃にジョージ・コンスタント・ルイス・ワシントンという人物が大量生産するようになり、鳶に油揚げをさらわれる格好となってしまいました。

 

…大発明をしながら、後が宜しくない展開。八木アンテナ然り、昨今、素晴らしいイノベーションをしながら、アップルやサムスンに大活躍されてしまう昨今の状況然り。

 

あっ、サムスンで思い出した! 日本インスタントコーヒー協会さん、もう少しHP詳しくても良いのでは? グズグズしていると、また「インスタント・コーヒーは韓国が起源」と言いだしますぞ(笑)。

 

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「まずい だがそれがいい」と大人気のコーヒー

 

さて、このワシントン(初代の大統領とは関係ありません)は特許も取って大量生産に踏み切ったものの、課題が発生しました。

 

ぶっちゃけ、美味しくなかったのだそうです。

 

実際、対独宣戦布告後にフランスに派兵されたアメリカ陸軍の兵士(Doughboyと呼ばれていたそうです)には、こうしたインスタント・コーヒーがミリメシの1つとして配給されていました。

 

shmoop.comというサイトによると、1917年にアメリカ軍が陣取る前線を訪れたジャーナリストは「最も人気の飲み物はコーヒーだった」としています。美味しくなくても、あるだけマシって所だったのでしょうか。

 

もっとも、コーヒーよりも重視されたのがタバコ。ジョン・J・パーシング将軍(アメリカ派遣軍司令官)は、こう書き残しているそうです。

 

「戦争に勝つには何が必要かとの問いかけには弾薬と同じぐらいのタバコだと、お答えしたい。タバコは毎日の食糧補給と同じぐらい欠かせない。数千トンものタバコが遅れて配給される事などあってはならないのだ」。

 

タバコはお呼びでない? いえいえ、そうでも無かったようで、終戦までの間に派遣軍は1日当たりに消費したコーヒーは3万7000ポンド。タバコは1400万本だったそうですから、愛好はされていたようですね。もっとも、前線兵士の喫煙率は95%にも昇ったそうですから、戦後に肺癌とかが問題にならなかったのかが心配です。
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なお、このようにワシントンのコーヒーは大戦中にポスターになる等、社会的な知名度はあったようです。前線兵士の間でも「ジョージのカップ」などとも呼ばれていました。ineedcoffee.comに話を戻しますと、当時の兵士の感想は次の通り。「ネズミは出るし、ぬかるんでいるし、病気になりそうだし、敵の砲弾が恐ろしい程降り注いでいる塹壕生活だけど、オイル・ヒーターで1分もあればジョージ・ワシントン・コーヒーが飲めるんだから、とても幸せだよ。毎晩シャキッと出来るのも、これあればこそだ」
…何だか切ない文章ですね。と言うか、味そのものには触れてないじゃん(涙笑)。

 

そしてネスカフェが登場

 

ロゴ(Wikipediaより)

そうした前線の兵士の声を受けてかどうかは不明ですが、味の方はその後改良を重ねてゆき、1938年頃にはネスカフェが人気ブランドとなっていきます。

 

そして第二次世界大戦が勃発。文字通り眠気が大敵なものですから、カフェインは珍重されます。当初はワシントン・コーヒーと競争だったようですが、やがてネスカフェが独占的に軍に補給するようになったそうです。

 

やがて月日は流れ、カプチーノやモカなどの細かい嗜好に合わせたインスタント・コーヒーが出回るようになったのは皆様も御存知の通り。ちなみに、アメリカ軍ではパウダーを補給品に入れているそうです。

 

味の方も改良されたのでしょうけど、出来るなら最前線のぬかるみの中で飲みたくはないですね。

南如水・記(近現代戦史研究家)

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