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パンジャンドラム/Wikipediaより引用

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イギリス 週刊武春

イギリスの開発した「トンデモ兵器」がトンデモ過ぎて大砲噴いた

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歴史を学ぶ楽しみは、先人の叡智を学ぶ楽しみといってもよいかもしれません。
しかし、過去の愚かさや失敗を学ぶこともまた、同じくらいの楽しみ、かつ、ためになるものであります。

そんな失敗の中でも特に楽しめるのが、イギリスが開発したトンデモ兵器!

突然何言ってんの?と思われるかもしれませんが、世界中で作られたきた数あるトンデモ兵器の中でもイギリスは別格ともっぱらの評判なのであります。

では、英国の何がどう違うのか?
図説 世界の「最悪」兵器大全』(マーティン・J・ドアティ)を参考に、数例をあげてみました。

 

シゼール・バーウィック装甲車 1915年

イギリス空軍が考え出した、110馬力の航空機エンジンでプロペラを回して走る、まさに奇想が盛り込まれた車両です。
誤解なきよう申し上げておきますが、プロメラで空を飛ぶのではなく、前へ進もうと言うのです。

問題は、ラジエーター部と車両後部につけられたエンジン部が剥き出しだったこと。ここを狙われたらそれで終わりという点でしょう。

なぜ開発中に気づかなかった!?
また、搭載している.303口径機関銃はごく狭い前方しか狙えません。ええと……開発者さんの視野も狭すぎたような……。

 

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銃剣付き拳銃(ハンドガンバヨネット)1915年

第一次大戦では塹壕での戦いが熾烈を極めました。
塹壕内の接近戦ではライフルは役には立たず、ナイフや拳銃のほうがはるかに使い勝手において勝りました。

そこで考え出されたのがリボルバーに銃剣をつけた武器です。
なかなかよいアイデアのように思えますが、銃剣をつけたせいでリボルバーのバランスが崩れました。しかも銃剣は使いにくい。良いところどりのつもりが、両方とも使えなくなった失敗作となったのでした。

まぁ、結局予備のナイフや弾を持ち歩く方がいいんですよね。
気持ちはわかります。私もラジオ付き懐中電灯を買ったことありますし。ああいうのって結局使わなくなるんですよね。

ただしこの手の商品は現在でも入手できるようです。ユーザーレビューはなかなか好評のようですが、果たして……。

 

K級潜水艦 1916年

蒸気機関で動く潜水艦です。当時世界最大の潜水艦でした。
ディーゼル式より素早いスピードが魅力のはずでしたが、案の定問題が続出します。

蒸気式であるため艦内は蒸し風呂のように暑く地獄のよう。潜水する際には煙突をしまいこみ、多数の開口部を閉めなければなりません。
しかもこのとき激しく揺れるものだから、ほとんど制御不能。ジョージ6世が乗っていたK26は船主を海底につっこみ、あやうく沈むところでした。
悪い方向で歴史を変えそうになったわけですね。

こんな潜水艦ですから、当然のことながら事故も多くなり、竣工した17隻のうち5隻が事故で失われました。

1918年にはメイ島の戦いと呼ばれる事故が発生し、制御不能となったK級潜水艦同士がぶつかりあい、2隻が沈没。
結局、戦うことなくお払い箱となったのです。

K級潜水艦/Wikipediaより引用

 

No.74粘着手榴弾 1940年

この手榴弾は敵の戦車に貼り付けるために、粘着性のある樹脂をくっつけたものです。

まあ、字面を見れば発想はわかります。手榴弾がくっついてとれなかったら、相当厄介ですよね。普通は思いついただけで開発しないんではないかと思いますが、何故か作られました。

ガラスの球体に入った中身はニトログリセリン。これはもう予想がつくことかと思いますが。この爆弾は敵よりも使用者に対して遙かにくっつきやすいという重大な欠点がありました。

No.74粘着手榴弾/Wikipediaより引用

そして投擲前提であるにも関わらず、投げても敵にはうまくくっつきません。ガラスに劇物のニトログリセリンを入れている時点で嫌な予感がしますが、揺れたり落としたりすると爆発します。

持ち歩くだけで命を賭ける覚悟が必要です。絶対持ち歩きたくねえ!!

敵より味方を効率的に殺傷する兵器というわけで、当然失敗作でした。しかし、武器が何もないよりはマシとして、1940年に組織されたドイツ軍の侵攻に備えて結成された市民軍・祖国防衛部隊に支給されました。

祖国防衛部隊の支給武器には、この他にも、槍の柄に銃剣を取り付けたインベーション・パイク(イギリス版竹槍といったほうがよいかも)、最大射程200メートルとされ様々な弾薬を投擲するノースオーバー・プロジェクター等があります。どれもこれも正直なところ、トンデモ兵器と言わざるを得ないものばかりです。

こうしたトンデモ兵器を見ていると、歴史的にイギリスがなんとしても敵軍の上陸阻止を目指した理由がわかる気がします。上陸されたら、こんな武器で立ち向かうはめになるわけですから。

 

グレート・パンジャンドラム 1943年

ミシンについているボビンを巨大にしたようなもの。あるいは間に炸薬を挟み込んだ巨大なマカロン。それを搭載したモーターでふっとばし、最大時速100キロで壁に激突させるというしろものです。
揚陸部隊が敵の防御壁を突破するための兵器です。

パンジャンドラム/Wikipediaより引用

ためしにボビンでもマカロンでも、机の上で転がしてみてください。

何かあればすぐ横倒しになるでしょう?

デコボコがある地面ならなおさら安定しません。

パンジャンドラムにはジャイロスコープのような気の利いた、安定を保つものはついてないときています。しかも取り付けた炸弾はすぐに落っこちます。ロケットが外れることもあります。要するにマトモじゃない。

動画を見るとよくわかります。これのどこがグレートなのでしょうか。

計画段階で制御ができずに失敗しましたが、そもそも設計段階で何かひっかからなかったのかとか、突っ込みどころであふれています。

その突っ込みどころの多さ、特徴的な名称ゆえか、駄作兵器界隈のアイドルの座を射止め、何故か一部の層から愛されています。
だから、これのどこがグレートなんですか!!

実験に失敗して倒れたパンジャンドラム/Wikipediaより引用

 

HMSエクスカリバー&HMSエクスプローラー 1954年

過酸化水素。オキシドールという名前で消毒薬として使用されたり、髪のブリーチ剤に使用されたりする成分です。少量であればともかく多量であると爆発を起こしやすく、取り扱いには注意を要します。

よりにもよってそんなものを潜水艦の動力とする実験がかつて行われていました。接収したUボートのプロトタイプを基にして作られた、過酸化水素推進実験艦が、HMSエクスカリバーとHMSエクスプローラーです。

海の底で、密室で、過酸化水素という劇物を扱うとなると嫌な予感しかしません。

案の定、実験は失敗続きで、HMSエクスプローラー初代艦長は「もうこんな艦乗れるか!」と航行拒否をしたほど。速度はかなりのものではあったとはいえ、爆発事故をよく起こしました。

更に過酸化水素はブリーチ剤に使われるものですから、臭いわけです。しかも有害です。臭くて有害なガスが充満するうえに爆発する。乗員にとってはたまったものではありません。

そしてエクスカリバー(アーサー王の名剣の銘)は、次第に「エクスクルシエーター(拷問者)」、エクスプローラー(探険者)は「エクスプローダー(起爆装置)」と呼ばれるハメに。乗員の苦しみがよくわかります……。

結局、実験段階で開発はとりやめになり、時代は原子力潜水艦へとうつっていったのでした。

 

イグ・ノーベル賞受賞常連国もイギリスだそうです

当初私は世界のトンデモ兵器で記事を書こうかと思っていたのですが、途中からイギリスに絞った方がいいと思い、こうなりました。

トンデモ兵器を作り上げたのはイギリスだけではありません。苦しい懐事情でアイデア頼りになった結果、おかしなものができあがります。逆に資金が潤沢過ぎても、余裕があるからか変な物でも作り上げてしまいます。

企画段階では素晴らしいと思えても作ってみたら駄目だった。そういうこともあります。

イギリスがこの分野で突出しているのは、「思いつく人がいるかもしれないが、思いついた時点で駄目だと気づきそうなものを作ってしまう」という点だと思います。

粘着爆弾にせよ、パンジャンドラムにせよ、なぜ企画段階で誰も止めなかったのか。不思議でなりません。

世界史中で最も早く産業革命を成し遂げ、発明分野において一歩先を歩んできたイギリス。優れた発明だけではなく、トンデモ発明を作り出している点も、密かなチャームポイントと言えるかもしれません。

小檜山青/記



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【参考文献】

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