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あさが来たレビュー

あさが来た感想レビュー第13週「東京物語」がるろうに剣心と同時代で胸熱

更新日:

おはようございます。本作の視聴率はもう高いところですっかり安定しております。

・「あさが来た」第12週平均は24・3%!12週連続大台超え

http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2015/12/21/kiji/K20151221011720720.html

・〈速報〉NHK朝ドラ「あさが来た」視聴率再上昇25・6% http://www.asahi.com/and_M/interest/entertainment/Cfettp01512250022.html

来年はまたも記録更新なるのでしょうか。

 

12/21(月)「まれ」が解決できなかった難題をどうしていくのか興味津々

正吉亡きあと、新体制の加野屋。今週は五代の寄合所からスタートします。ここでおもしろいのは、新次郎と五代の台詞が何度も重なること。その度に変な空気がちょっとだけ流れます。相変わらず英語が混じる五代のせいで、しびれ芸者とか何とか、NHK大阪らしいギャグも入ります。そのコントのような様子を、三坂という五代の部下は見ていて、あのアホ夫婦になんで、と思わず漏らしてしまいます。三坂に五代は、人を見る目がないとたしなめます。

あさは大阪も東京に負けぬよう、文明の花を咲かせて大阪をもっともっと盛り上げねばならないと言います。あさの答えに興奮し握手を求める五代に、人の女房に何すんねんと気が気では無い新次郎。やっぱり五代、面白いですね。

あさは東京行きに興味を持ちます。しかしまだ千代は幼い……あさは本音とは裏腹に、東京行きを断ります。五代は説得を試みますがあさの心は強固なようです。

寄合所からの帰り道、強がりを言うあさに新次郎は自分のために行きたいのではないか、それならば行くべきだ、よののことは説得すると言います。やはり懐が広い!

しかし加野屋で新次郎の提案は全否定されます。亀助に至っては、イケメン五代と行くなんて心配と決定的なことを言い、うめにたしなめられます。新次郎は、あさは商売が心底好きで男前に見えると言います。嫌いな縫い物や料理の時は口を突き出してブサイクなのに、と。ジェスチャーまじりであさをからかう新次郎や亀助は盛り上がり出します。あのあさの口をつまむ仕草は榮三郎にまでうつってしまいます。奥様が今回の話どう思うか、と皆が言っているとよのが顔を出します。

ここで場面が変わると、あさは手作りの新選組土方歳三人形を使って、千代と人形遊び中。以前あさがチャンバラごっこをしているときは近藤勇を名乗っていましたね。その土方と近藤も、既に亡くなってほぼ十年経過しているわけですか。結局、必ず返すと言っていた借金も戻りませんでしたね……。

土方歳三(霜月けい・絵)

土方歳三(霜月けい・絵)

よのは新次郎とあさを呼び出し、東京行きについてただします。正吉が存命であれば、正吉の一言で東京には行けたでしょう。あさは東京に行きたい、でもええお母ちゃんにもなりたいと本音をぶつけます。よのは、そんなあさに呆れています。そしておなごの先輩として、こう覚悟を決めて言います。

「あんたは欲張りや!」

さあよのの言葉はどう続く?

実はこの問い、前作の『まれ』にもありました。パティシェの夢と育児、どう両立する? ヒロインはねちねちと姑にそのことでいびられ、夫も新次郎とは違い非協力的でした(そしてこの問いは、なぜか年数を一気に飛ばしてうやむやにするというオチ)。本作はどうなるのでしょうか?

 

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12/22(火)難しい選択を嫁とともに背負う姑

よのは仕事と育児の両立を頑張ろうとするあさは欲張りだ、わがままだ、と言います。何かを選んだら何かを捨てねばならない。前作あたりで聞いたような台詞です。しかしここからは違います。世間から後ろ指を指されても、我が子に背中を見せるつもりで、気張らなければなりません。それがあさの道、それなのに今更ブツブツ言うな……とここまでは大変よろしいのですが、

「男だったら覚悟を決めなはれ!」

と壮絶なボケをかまし、つっこまれるよのさんでした。

あれま、勢いでまちごうてしもうたと照れるよの。おなごも覚悟を決めねばならん、おなごだからこそ余計覚悟を決めなあかん、とセルフフォローします。子育てで目を離していいときなんて一時もない、しかしこの家には千代の面倒を見る人はいる。よの、うめ、ふゆ、かよそして父親である新次郎。皆が千代を見ているのだから、今更ええお母ちゃんになろうなんてしなくてよい、と。

ここに来てよのさん、天使のような理想の姑になりました。前作のように、夢と育児の選択をつきつけはするものの、育児の世話なんてする気がない姑とは大違いです。そもそも育児と仕事、どちらか選ぶこと自体ナンセンスではないでしょうか。一時的に育児を休んだからといって、母親を辞めることにはなりませんからね。ここで精神的激励に止まらず、育児はこっちに任せなさいと言うところもよいのです。前作はヒロインの母や祖父のような文がアドバイスはするものの、具体的に手伝うとは結局言いませんでしたからね。よのはこれまでの言動を見ますと頼りがいがあるかと言うとそうでもなく、結構困ったところがあったのも面白いところです。本作に完全無欠の人間はいません。

よのと新次郎は、千代を可愛がっておばあちゃん子、お父ちゃん子にするつもりもあるようです。ずぶずぶに甘やかさないか心配ではありますが。

よのは招き猫相手に心情を吐露。正吉のようにあさを自分の子として扱う、見守ると決めたと言うよの。死してなお、影響を与える正吉もあっぱれですし、よのも懐が深いですね。

旅立つ前に、あさは新次郎に対して千代の扱いを教えます。そこへ榮三郎が来て、あさに代わって炭坑を見に行くと言います。流石勉強家!

旅立つ朝は、旅立つあさを追い、ちょこちょこと歩く千代の演技が際立っていました。これは後ろ髪を引かれます。母娘、しばしの別れです。ここで凛と旅立つ姿もまた、母としてのあさなのです。千代を抱き上げ、まかしときと言う新次郎。あさと新次郎、涙をこらえての出立です。

あさとうめは、大阪横浜間を船、横浜新橋間を汽車で移動。さらに新橋から五代の事務所がある築地までを徒歩で移動します。送迎の馬車を出そうよ、五代はん。新橋から築地はグーグルマップによれば1.8キロ。徒歩21分。まあ、歩けない距離ではありませんね。あさは石炭で動く陸蒸気にやっと乗れて上機嫌です。

煉瓦の建物の街並みを歩くあさとうめ。街灯やそこに掲げられた広告に文明開化を感じます。そこへ男五人が横一列に並び、風呂敷包みを持って下駄の音をカラカラ鳴らしながらジョギングをするように接近して来ます。謎のジョガー集団です。真ん中にいる男は金八先生にしか見えません。あさはあまりに異様な集団に興味を持ち、金八先生に似た男に話しかけます。そこで出る字幕は「福沢諭吉」。金八と福沢諭吉、教育者つながりか! 強引だぞ!? もう武田鉄矢さんは福沢の師匠・緒方洪庵、福沢と咸臨丸でつながりのある勝海舟、その勝海舟の弟子である坂本龍馬まで演じているので、頭が混乱するという感想もチラホラ。ちなみに福沢は五代や大久保利通と同世代で老けすぎの気がしますが、気にするのはやめました。ちなみに足踏みしているのは「散歩党」なる集団を結成していたことが元ネタのようです。

あさは福沢に道を聞きます。親切にも辻馬車乗り場を教えてくれた福沢でしたが、あさは歩くことにする、北九州の鉱山へも歩き慣れている、と言います。世間話から得意げにしびれ芸者=文明についてまで語り出すあさ。福沢は自分がうんちくを語るのは好きですが、逆は嫌いな性格なのでしょうか。あさは相当の変わり者だぞ、文明をこの私に説明しおった、と何故か不快感を示します。それからまたあの謎の散歩を開始する福沢一行。面白いんですけれども、ものすごい暑苦しさを師走の朝に見せ付けております。

あさとうめは五代の事務所に到着。笑顔で迎える五代です。さあいよいよ、あさの東京物語開始です!

 

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12/23日(水)そして東京にて

紅茶を飲みながらあさとうめを歓迎する五代。あさは五代に、これからは拠点を東京にするのかと尋ねます。五代はもしそうしたらもう少し彼の役に立っていたかもしれない、と言います。その彼が入ってきます。内務卿・大久保利通です!! これぞまさにびっくりぽん、大河ではなく朝ドラに出て正解ですね。思えば今は西南戦争のあたりですから、大久保さんは……。

疲れてうたた寝しているうめはとりあえず寝かせたままにして、大久保は語り始めます。五代と大久保は心の友。ここで大久保「善きあしき人の上にて身をみがけ 友はかがみとなるものぞかし」(自分の行いはわかりにくいが、人の行動はよくわかる。友を見て善行は見習い、悪行は反面教師にしよう)と、島津日新公いろは歌を暗唱します。島津義弘の祖父である島津忠良が完成させた歌で、「郷中(ごちゅう)教育」と呼ばれる薩摩藩の教育方針になったものだそうです。お互いを切磋琢磨してきた仲だと語る大久保でした。

あさはアイスクリン(アイスクリーム)をおいしそうに食べて上機嫌。大久保の口から、五代の大阪への思い入れを知り喜ぶあさ。ここで目を覚ましたうめは、内務卿の上着が掛けられていたことに恐縮しております。それにしても柏原収史さんの大久保卿、格好いいし雰囲気出ているし、もっと出番があってもよかったのではと思ってしまうほどです。大河より朝ドラの方が、よほどイケメンを贅沢に、かつ適材適所で使っているという現実。

あさは大久保としっかりと握手しています。その様子をうれしそうに見守る五代。そういえばこの五代の部屋にはペンギンのかわいらしい絵が飾ってあるんですよね。この男、どんだけあさが好きなのか。それとも自分もファーストペンギンだと思っているのでしょうか。

帰り道、五代は大久保が上機嫌で優しい顔だったと語ります。大久保さん、西南戦争で今心労マックスだと思いますが、よい息抜きになっているようですね。あさはガス灯をうっとりと眺めます。水面に揺らぐガス灯が何とも美しく映えています。

一方、加野屋では新次郎が考え事をしています。やはりあさに接近する五代が気になる様子。ここで亀助がフォローのつもりで新次郎が五代に勝っている部分をあげようとしますが、背の高さしかあげられません。亀助……ドラマでは描かれないけど五代はんはホラ、かなりの女好きだし。そこでふゆがそんなことありません、新次郎様は素敵な人です、と本気で助け船を出します。そして話題は謎のストーカーの話に。結局何者なのでしょうか。そんな折り、よのが新次郎にある手紙を見せます。

あさは五代に連れられ、文明開化を満喫中。そして飲食店でビールを飲む客を観察。そこにあの福沢諭吉がいるのでした。

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12/24(木)るろうに剣心と同じ時期の東京

あさのいた店は牛鍋屋。そろそろ作中の舞台があの『るろうに剣心』と同じ時系列になってきたことにわくわくしている方もおられると思います。あさが画面の外で、剣心や薫とすれ違っているかもしれない、と想像すると面白いものがあります。あの作品にも牛鍋屋「赤べこ」が出てきましたね。

あさがここで待ち合わせていたのは弟の久太郎こと忠嗣でした。あさは千代を置いて東京まで来たことが後ろめたいようで、弟とだけ会うことにしたようです。忠嗣はアメリカ留学の経験談をしたくてたまらない様子。そこへ見覚えのある姿が……噂をすれば忠興でした。

忠興は息子の様子がおかしいと感づき、後を付けてきたのでした。再会早々お説教タイムになる忠興。あさは土産の粟おこしを差し出しますが、忠興は土産とかそういう問題やないとこれまた怒ります。あさはめげずに、おなごにも勉学が必要と、福沢諭吉本人の前でその教えを暗唱し出します。それを聞いて反応する福沢。たまらず「その通り! ザッツライト!」と立ち上がり、あさの席にやって来ます。

ここから福沢諭吉先生の男女平等論開始。男と女は同じだ、しかし現実では男が女に忍従を強いているのではないか、と語ります。日本の婦人は「三従の教え」を教えられているが、そんなこと男であれば従えますか、と熱い福沢。女性の自立には経済的独立が必要だ、と語る福沢。ここで福沢はあさに女社長になれと激励します。しかも粟おこしの包装紙をバリバリと破り、勝手に食べてしまうという。この有名人が出てきてヒロインをやたらと褒めるというのは、一歩間違うとメアリー・スーと言いますか『江』や『花燃ゆ』現象を起こすのですが、本作の場合この粟おこしを食べるようなギャグを入れることで、うまく中和していると言いますか。ギリギリで嫌味にならないよう、保っていると思います。これから七年後、福沢は『日本婦人論』を刊行します。それとこの福沢の「女の自立には経済的な後ろ盾が必要」という台詞は現在にも通じるものがあります。あさの時代から随分立ちますが、現在においても男女の賃金格差は解消されず、女性の社会進出もまだ十分とは言えない状況です。

ここで福沢が去り、一瞬牛鍋の中身が映ります。これが現在のすき焼きよりも、ビーフシチューに近い外見なのが興味深いところ。これはこれでおいしそうですね。あさは大久保に会ったと忠興に報告。そういえば以前、ちらっと忠興と大久保が並んだショットが映っていましたね。それにしても最近、波瑠さんの台詞の読み方が上達していて、あさの成長とかぶって見応えが出てきました。忠興も何だかんだで、娘の成長ぶりに感心した顔になっています。そして忠興は、娘と別れたあとで忠政の「あさは男として育てたい」という言葉を思い出すのでした。

一方、五代と大久保は二人並んで、五代が英国から持ち帰ったウイスキーを酌み交わします。きっとスモーキーフレーバーがポイントなんでしょうね。大久保は「姑息な政治家」だと思っていないか、と五代に聞きます。この台詞哀しいんですよね……大久保は、世間から慕われた西郷隆盛を西南戦争で死に追いやった姦悪な陰謀家と思われていました。特に同郷の薩摩人から嫌われました。大久保とて同郷の同志を追い詰めたことは痛恨の極みでしょう。だからこそ薩摩出身の五代に、そんな台詞を投げかけたわけですね。

五代は全力で否定。この言葉に大久保は力づけられたのか、国家を作るのに必要な三十年論を語ります。史実で大久保はこの時期これを語った相手は五代ではありませんが、この程度の創作はありでしょう。大河の「新しい日本」は中身がないのでさっぱりでしたが、大久保と五代は具体性があるのでうなずけます。さりげなく、これからの国作りには女性が必要ということも出てきます。このコンビ、もっと見たいなあ。スピンオフやらないかなあ。2018年に明治維新150年でこの二人を大河に再登板させないかなあと思ってしまいますよ。このあとの展開を考えると……。

その数日後、あさが大阪に帰る日となりました。五代はあさを見送る準備中。ここで五代の側近・三坂の台詞にちらっと渋沢栄一が出てきます。そして急報が!

あさが受け取った新聞の号外には、衝撃のニュースが。そこに書かれていたニュースとは、大久保利通暗殺(紀尾井坂の変)でした。『るろうに剣心』について先ほど書きましたが、作中で大久保を暗殺した瀬田宗次郎のことを思い出した人もいたようです。こういうフィクションとフィクションの交錯を脳内で味わうのも、歴史ものを楽しむ上での醍醐味ですね。

 

12/25(金)衝撃の大久保暗殺後

 大久保暗殺の衝撃からのスタート。そのはずが、三味線の弦を切ってしまった新次郎から始まります。この切れた弦が波乱を意味しているようでもあります。新次郎の元へよのがやって来て、隠れることなく三味線を弾いてもよいと言います。生前あれほど新次郎の三味線を嫌っていた正吉が、実は新次郎の三味線を聞きたがっていたとよのが語ります。父に聞かせるため、三味線を弾き始める新次郎。

その音色と、大久保の死に衝撃を受けるあさ、そして五代の姿が映されます。

今週は心躍る、文明開化の花開く東京を描いて来ました。そこに突如、投げ込まれる暗殺という黒い一撃。これぞ明治だな、という感じです。近代日本へ向けてひた走る、坂の上の雲を目指す時代であった明治。しかし、過去を振り向けば幕末の遺恨。未来を見れば、太平洋戦争へ通じるわけです。そして相次ぐ士族反乱、自由民権運動とその弾圧、暗殺事件と、一皮剥けば暗い部分が顔を出すのです。それを朝ドラでよくやりました。流石に脳漿まで出た暗殺場面そのものはやらないにしても、それで十分でしょう。朝からヘビーですし、それを補って余りある五代の愁嘆ぶりでした。今週もまた、名場面を投入してきましたよ!

この五代の絶望の演技を見て、ディーンさんはやはり海外でキャリアを積んできた方なのだなと思いました。金城武さんあたりもそうなのですが、やはりどこか演技が日本の俳優さんと違うんですね。そこが海外経験が長く、感情表現がどこか周囲と違う五代の役柄とマッチしていて、本当にこの配役は巧みです。

あさは五代を心配し、うめを先に帰らせて五代の元へと向かいます。ここですぐ五代の元へ向かうのではなく、悲壮感あふれるBGMを重ねて、三味線を真剣に弾く新次郎が映り続けます。これが何か独特の緊迫感を生み出しています。

あさが駆けつけると、五代は髪を乱しウイスキーをあおり、悲嘆にくれていました。この髪が乱れ、声がかすれた様子がセクシーとSNSでも話題に。この空っぽのウイスキーボトルが哀しい。友と飲む酒と先日五代は言っていたわけで、その友が亡き今となっては虚しいわけです。

そのころ加野屋ではふゆに縁談が持ち上がっております。相手は洋傘屋を営む、なかなか羽振りのいい男で、ふゆのこともすっかり気に入っているとのこと。店の周りをうろついていた男の正体とは、ふゆを気にしていた縁談の相手なのでした。ここで気になるのが亀助。亀助……十分にアプローチする時間はあったのに何をしていたのか! 新次郎が亀助に思いを伝えたらと言うと,亀助は、自分は兄のようなものだからそれでいい、と本心から外れたことを言います。あかんべえ人形にあわせて舌を出し入れする亀助の仕草が面白いです。脇役の恋愛模様が面白いドラマは傑作の法則。やっぱり本作、面白いですよ。

一方あさは、大久保の死に苦しむ五代に付き添っていました。何故こんなことにと悔やむ五代。せめて政府に入って側に居れば、と自分を責めます。ちなみに五代は、政府に止まれば伊藤博文に匹敵する人材になったのではないかと評価されるガチの逸材です。大河で持ち上げられている誰かさんとは実力面でも差があります……それにしても五代は悪くない、悪いのは川路利良だ!

ちょっと脱線しますと、川路というのは初代大警視(現在の警視総監)で、日本における警察の生みの親とも言える薩摩出身の人物です。非情に有能な人物ではあるのですが、大久保暗殺に関しては、暗殺計画を耳にしていたにも関わらずスルーしたという大失点があります。実はこの川路を正吉役の近藤正臣さんが『山田風太郎からくり事件帖』というドラマで演じていたりします。さらにこの頃の警視庁といえば、あの藤田五郎=斎藤一が勤務しているわけです。うーん、やはり、以前も言ったことをもう一度繰り返したい。「明治がつまらないなんて誰が言った!?」面白いんですよ、明治時代。

あさは五代のせいではない、五代が大久保にとってどれだけよい友であったかと語ります。あさの言葉に感極まったのか、がばっと抱きつく五代。

「許してください、このときだけは……今だけは、このまま!」

とか言っていますが! これ、大河の萩の乱をダシに近づく某不倫カップルを思い出すのですが、何故これを許せるのかと自問自答してしまいます。

 

12/26(土)五代のピュアさにびっくりぽんや

あさはもはや万能感がある「びっくりぽん」で五代の抱擁をかわし、心の友になりましょうという方向に持っていきます。ここで五代、二度とあんなことはしないと謝罪。大久保に対して献杯しようと持ちかけます。あさはウイスキーをぐっと一息で飲み干します。危ない、急性アルコール中毒危ない! あさは酒はまずいと言い(ウイスキーを不味いと言ったためか、SNSのトレンドで『マッサン』が急上昇)、それを五代はおもしろがります。こんな時、笑わせてくれるあさは五代にとって貴重です。

あさはウイスキーにすっかり酔ってしまい、帰れそうにもありません。五代はあさに出会えてよかったと感謝しますが、あさは酔いつぶれています。

「でも君はもう一番出会うべき人にもう会っている」

と英語でつぶやく五代。新次郎のことですね。

五代にとってあさは何なのかということは、定期的に視聴者の頭を悩ませる問題かと思います。五代は自分がナイトで、あさがレディと思っていのではないでしょうか。言動の端々から、本作の五代はロマンチストであることがわかります。妻子はもちろんいるし(しかも離婚歴もあり)、愛人もいる五代。そういった相手とは別に、崇拝し守り抜く騎士にとっての淑女がいる、と。脳内でそんな騎士道物語を作り、演じているのではないかと。一方のあさは完全にロマンスは別、惚れた男は新次郎一人。ロマンチストだけど見返りは求めない五代と、純粋な友情を見いだすあさだからこそ、群馬の某カップルのように見ていて不快感がないのでしょう。

一方、加野屋では新次郎が亀助にビールを飲ませています。その店は、なんとオーナーが美和なのでした。五代の助力でビアホールを始めたようです。しばらく出ないうちに、美和は立派な商売を始めていたんですね。ビアホールの女主人ルックの美和もこれまた魅力的です。一時は恋のライバルになりかけたあさと美和ですが、こうなると女性経営者同士で気が合いそうですね。ここでも女性の自立が描かれます。

話題はふゆの縁談に。亀助はそれをかわすためか、新次郎こそあさにじりじりしているのではないかと話題を変えようとします。じりじりなんかしていない、働くあさを見るのが好きとのろけ始める新次郎。亀助こそじりじりしている、と蒸し返します。確かにじりじりしてもう何年目や、亀助ェ……。

あさは酔いつぶれ、目を覚ますとうめがおります。五代は出かけ、戻って来たうめが見守っていたようです。二日酔いの中、慌てて汽車を目指すあさ。東京と大久保に御礼を言い、駆けだしてゆきます。こうしてあさの東京旅行は終わったのでした。

このあさの「おおきに」が実にいいんですね。志半ばにして散っていった先人に感謝し、新たな夜を作ると誓うヒロイン。あれ、なんだか今年の大河のテーマの気がしますが、こちらの方がちゃんと描けていませんかね。

大阪に戻ったあさは、五代を慰めた話を新次郎にしています。何もあんたが慰めなくても、と言う新次郎に対してあさはぴしっと「心が狭い!」と言い返します。まあ、ここまで堂々とされたら疑うわけにもいきませんなあ。

これにて今年の『あさが来た』は終了。来週は新春早々恋心がそわそわする展開のようです。なんだかもう、年末年始にあさロスになりそうです。

 

総評: あさの事業はじめ、ストーリーには進展があまりない週。では無駄であったかというとそんなことはなく、明治の文明開化をあさの目で見せるという贅沢な時間でした。和歌山マリーナシティに再現された明治の東京の街並みは、見ていて大変楽しめました。本作を見ていると、明治になってもそこまで九に街並みや人は変わらないんだなと思えます。しかし、東京ではもうガス灯、煉瓦造りの建物、牛鍋屋、馬車と、こんなにも変わっているのですね。いきなり鹿鳴館を出すよりも、こういう街並みや生活の変化の方が見たかったんだよなあ、と私としましては大変満足いたしました。

そこへ投げ込まれた大久保の死という歴史イベントも見事でした。まさに明治の光と影です。街並みや人の生活は変わっても、まだまだ日本の変革は道半ばであるとも示されたわけです。ディーン・フジオカさんの演技も光りました。あさノートを読むと、彼の綿密な演技プランがうかがえます(http://www.nhk.or.jp/asagakita/asa-note/note24.html )。

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そして謎のジョガー集団を率いていた金八先生、ではなく福沢諭吉。カメオ出演ですが、土方歳三と同じくあさの人生に影響を与える人物としての役割を果たしました。日本の国作りには女性の改革も必要であると理論を説く福沢。そして女性だけの奮起ではなく、福沢のような思想、正吉や五代のような女性の立場への理解と激励、新次郎とよののような女性を周囲、そういったもろもろの環境があってこそのあさ=女性の活躍であると示されました。福沢が「女性には当たり前のように強いられることを、男性側が強制されたら耐えられますか?」という問いかけもタイムリー。夫婦別姓問題、国会議員の育休など、時事ニュースにもマッチしております。名作は世論も背中を押すのか、それとも本作が時事問題すら先取りするほど時代のニーズを読んでいるのか、ですね。来年も楽しみです。




1位 西郷隆盛49年の生涯!


2位 ホントは熱い!徳川家康


3位 意外と優しい!? 織田信長さん


4位 直虎の後を継ぐ井伊直政とは?


5位 毛利元就の中国制覇物語


6位 伊達政宗さんは史実も最高!


7位 最上義光 名将の証明


8位 最期は切ない豊臣秀吉


9位 史実の井伊直虎とは?


10位 もしも戦国武将がサッカー日本代表だったら?


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