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花燃ゆレビュー

花燃ゆ感想マンガ第26回「夫の約束」文を罵倒する悪役に拍手喝采したくなるカオス

更新日:

こんにちは、武者です。

前回は視聴率が微増したようです。その理由は何でしょうか。(「花燃ゆ視聴率速報25回「風になる友」(6/21)は0.3ポイントアップの11%」

NHK大河にしたい幕末志士1位は?|ガジェット通信

このニュース結果にある通り、新選組はやはり人気です。1位と3位には長州藩士ですから、こちらも人気ですね。さてその人気の高い新選組が活躍する池田屋事変を扱っていたからではないでしょうか。実際感想を見てみますと、

「池田屋だから久々に見てみたけれど、何だこれは!」

という阿鼻叫喚で溢れておりました。戦国の本能寺ほどではないにせよ、人気と知名度の高いイベントはやはり数字を持っているようです。

 

花燃ゆ:前半の山場“禁門の変”に突入 井上真央、東出昌大がボロボロに - 毎日新聞 

本作では今週と来週の2週連続で「禁門の変」をやるそうです。ちょうど前半が終わるタイミング、またヒロインの夫最後の見せ場です。気合いが入っていそう……かな。どうせまた辰路との間に子ができて云々とかやるんだろうな。やったら「知ってた!」って言おう。

この記事を見ると「久坂玄瑞が命を懸けて戦い、散っていく」とあるのですが、今退場を前にして振り返ってみると、久坂にろくな印象がありませんね。最期に気合いを入れたところで、夏休み最終日に課題を泣きながらやる計画性のない小学生みたいです。

では、そんな必死こいて片付けた宿題を見てみましょう。

大河ドラマというよりワイドショー

今週は情勢説明から。

戦を避けようとする久坂と来島の対立激化というおざなりな説明から、獄中の高杉へ。その高杉の元へ、酔拳マスターみたいな周布がやってきて暴れ文句を言います。周布は刀を抜いていますが、そんなにホイホイと抜刀してよいものなのでしょうか。周布と高杉は何か語り合っていますが、いい歳こいた周布まで酔拳マスターでなんかウダウダ言うとか、もう長州藩が駄目過ぎて洒落になっていません。周布がブチ切れているのは吉田稔麿の死のせいとわかるのですが、だからといって酔っ払って抜刀はないわ……。

ここで主人公の文が登場。稔麿を失った吉田家を訪問します。出迎えたふさ(稔麿の妹)は事件があったことは把握していても、その中の死者に兄が含まれているとは知らないようです。で、文さんがその死を知らせるわけですか。またそういうおつかいミッションを無理矢理ねじこむ。ふさも現代人的というか、「兄さんが死んだわけ、ないよね?」とかわざとらしく笑顔を見せます。

おまえのような武家の女がいるか! 兄が活動しているとわかっているなら、覚悟はできていますとか俯いて言うモンだろうが!

ここで文は湿っぽい口調で、兄・稔麿の死をふさとその母に報告します。いちいち女のわざとらしいリアクションを挟まないと進まない本作。わざとらしいBGMと健気な母、泣く妹を見せ付けまたいつものパターンを繰り返します。

誰かが死ぬ度にこういう場面をやりますよね。大河ドラマというより、ワイドショーみたいです。泣く遺族の家を訪問し、眉間に皺を寄せてその涙を見守り、家に戻ってスタジオのコメンテーター(杉家の面々)にコメントを求める。遺族の反応は21世紀の日本人で、到底幕末の武士とは思えないあたりもワイドショー的です。今週は梅太郎の嫁・亀がポーズまでつけながら満面の笑みで「せわぁない」とか言うから余計ぞっとしましたよ。

ここでOP。最近アバンが長いです。

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武装した兵を率いて「おれ戦うつもりないっすよ」

hanamoyu20150628

しょっぱなからクールな伊之助無双です。焦る兄を後目に、落ち着いて久坂の後ろ盾とならねばと語る伊之助さんマジかっけー(投げやり)……こういう歴史を神の視点から見るゲーリー・スーみたいな伊之助さん、本当になんとかならんのでしょうか。そういえば今週は伊之助の出番が少なくなっておりますが、クレームでもついたのかもしれません。

ここでやっと久坂が出てきますが、完全武装の兵の中を歩いて行くからびっくりです。えっ……戦わないのではなかったのですか?

それでもやはり久坂は戦う気がないらしく「嘆願する手段を探す」とか言うわけですが。完全武装した兵士を引き連れて嘆願って一体。そりゃ相手も警戒しますよね。本当に戦を絶対回避したいなら、兵士を連れてこなければよかったのでは、という気がしてしまいます。

ここでわざとらしく町人の会話が入ります。長州のお侍なら以前の穏やかな京都に戻してくれるとか言い出しております。うーん、穏やかにするつもりの勢力はそもそも武装していないのではないでしょうか。

確かに当時の京都の町人は長州贔屓(びいき)だったことは史実ではあります。飲食業、特に妓楼のような水商売の店は、金払いがよくぱーっと芸妓や遊女と遊んでくれる長州藩士はありがたかったようです。実際久坂はじめ長州藩士はプロの女性からモテモテでした。反面、お堅く女遊びが原則として禁止されていた会津藩は野暮と小馬鹿にされていたようです。そこは描くわけにはいかないのでしょうね。

また、長州人気の理由の理由として、京都に根付く反権力的気質の部分もありますし、新選組が不人気であったことも原因とされております。「長州のおかげでいきいき明るい町に!」みたいなわざとらしい台詞より「ほんまにこの頃は物騒で。特に壬生狼(新選組の蔑称)が恐ろしうてかなわんわ」なんて言わせた方がよいのではないでしょうか。池田屋事件の印象もまだあるわけですから、説明として効果的だと思うのですが。

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緊迫の場面は一瞬で終わり 愛人との妊娠だのなんだの

久坂と桂の会話を経て、公卿の会議になります。公卿の役者はなかなか演技力があるので見ていて安心感があります。西郷隆盛は宅間孝行さんです。珍しくこの場面は大河ぽい雰囲気が漂っていて安心感が。久坂と桂の会話なんかは、片方(桂)だけ大河で、もう片方は大河(?)とクエスチョンマークがつきますからね。会話の中身は「長州の言い訳を聞かないから戦になる。長州は悪くない!」とフラグを立てているような感じですが。

もっと見たい場面は短いのが本作の常。画面が変わると幾松(桂小五郎の愛人で芸妓、のち夫人)が久坂を訪ねる場面になります。用件は辰路のことだそうです。それにしても幾松の説明がナレーションでもまったくないため、幕末ファンでなければ一体この人は誰なのかわからないと思います。都合が悪いから隠しているのかもしれませんが、それならばわざわざこんな大物を出さなくてもよいのでは。

また都合のいい女!「あなたの子ができましたが、好きな道を、養育費もいりまへんで~」

幾松の知らせを受けて、久坂は辰路の元へ駆けつけます。辰路はなんと妊娠しておりました。少し久坂と世間話して、またわざとらしく合間に「京都の町民はみんな長州の味方です」なんて言う辰路。あのー、妊娠していて、そのお腹の子の父親に久々に会ったのに、話の中身がそれなんですか。久坂も挨拶もせずのぼーっと立っていて、いきなり辰路の腹を撫でて「俺の子か?」とか間の抜けたリアクションをします。いくら自分の子を宿した女性とはいえ、いきなり腹を触るというのは失礼ですよね。辰路も辰路で、明るく笑って「今朝なんてご飯三杯も食べちゃった」とか言うわけですよ。

このドラマは幕末ドラマとして最悪であることはもちろん、恋愛ドラマとしても落第点であると以前から申しておりました。本当に最低最悪だと思います。

 

お題:妊娠している女と、今までそのことを知らされていなかった男。久々に再会した二人の会話を書け

 

という課題がシナリオスクールであったとして、です。
このドラマの会話みたいなことを書いたら絶対落第点だと思うんですよね。不自然過ぎますよ。このあとも久坂は妊娠のこと、子の将来のことではなく「京都では戦争しない」とか言うわけですよ。で、何か言うことは他にないの? 無責任なワンナイトラブだった、ごめんの一言もないの? そもそも養育費は払うの? やっと戦争しない発言のあとに「俺に何ができる?」とか言うわけです。そうだ、養育費を払いますくらいは言わないと! しかしここで辰路、

「久坂さん、生きなあかんよ」

げえーっ、なんだこの女!? なんか男の背後に死亡フラグが見えるの? 名前くらいつけてじゃないだろ。身よりもなければ仕事もない、何もないシングルマザーが、ワンナイトラブでできちゃった子をどうやって育てていくか、ノープランなの!? おぃぃぃぃぃ!!

ここで久坂は黙ってクールに背を向けて去るわけですが。金一封くらい辰路の手に握らせろよ。ドン引きだよ! 最低最悪だよ! これじゃまるでやり逃げじゃないか!

こんなお粗末な出来ならば、辰路とその子は久坂死後出てくるのではいけなかったのでしょうか。こんな無責任やり逃げワンナイトラブにするより、ちゃんと囲って生活の面倒をしていた方が、まだ印象がよかった気がします。そういえば文も、夫の浮気発覚後ショックを受けたのに、夫と再会した時は何事もなかったかのようにイチャイチャしていましたし。もうやだこの脚本。

だらだらしているとはいえ、今週は2週ある禁門の変の前編。政治劇があるに違いないと期待していると、杉家の日常のターン。どうやら杉家から久坂夫妻が独立して家を持つとか。どうでもいいです。

流石にこのお引っ越し場面はすぐ終わり京都に戻ります。ここでも入江が京都の民は我々の味方ですと強調します。そうですか、まあ本作では池田屋事件の背景にあった長州の計画もデマという説を取っておりますからね。

文を罵倒する悪役のはずが正論すぎていい人に見てくる

ここですぐ文のリアクションを見るため萩へ場面転換。あーあ、やっぱり禁門の変を描くと言っても、合間合間に文のことを入れるんですね。邪魔なだけなのに。

文は椋梨の妻・美鶴の元に「引っ越しのことで聞きたいことあるんですけど〜」と脳天気に向かいます。ここで美鶴がブチギレて「空気読めよ。藩の一大事にバカなの? そもそもあんたの旦那の久坂のせいでしょうが」としかり飛ばします。いいぞ、美鶴。もっと言え! この場面の意図は純粋なヒロイン文をいじめる美鶴を悪役にしたいのでしょうが、私のように美鶴に肩入れしてしまう視聴者は多いのではないかと思います。

一体どういうことなのでしょう。ここで伊之助の文を久坂が読みます。なんと異国の艦隊20隻が下関に向かっているとのこと。ああ、これは確かに無謀な攘夷をした久坂が悪いですね。追い詰められた久坂は、強硬策で天皇直訴しかないと言い出し、藩主父子を京都に呼び寄せようとしていると美鶴の口から語られます。

うーん、これは……やっぱり美鶴が正論に聞こえてしまいます。久坂家の世継ぎが汚名を継ぐとまで言うのは言い過ぎですが。

ここで文、口を尖らせて、

「無礼ではありませんか? 久坂家を継いでも汚名じゃないし!」

と反論。

脚本家の意図としては意地悪な悪女に言い返す健気なヒロインとして描きたいのでしょう。ですから敢えて悪役の美鶴に「汚名」まで言わせたと。

文は「だって久坂はいつでもまっすぐに国を思っているんだもん! 悪いことなんかしていないもん!」と言い張ります。子供か。口を思っていれば無罪じゃありませんよね。その愛国心の暴走が結果として国に悪影響を及ぼすのであれば、その愛国心は有害なのです。

ここでハイネを引用しましょう。

「不思議だ、いつの時代においても、悪人は自分の下劣な行為に、 宗教や道徳や愛国心のために奉仕したのだという仮面を着せようとつとめている」

さらに文は「私は夫を信じている!」と言い張ります。
よくもぬけぬけと! と美鶴は手を上げようとし、人が来たために止めますが、美鶴の言動の方がまっとうですね。「私はダーリンを信じているもん、ダーリンは悪いことしないもん!」って、ツイッターで犯罪炎上したヤンキー彼氏がいるヤンキー彼女みたいな理屈です。幕末の武家女性としてありえないのは言うまでもありませんが、現代人でもこういうことを言う人は呆れられると思います。

意気消沈した文がとぼとぼ歩いていると、久坂との思い出がよぎります。ケータイ小説原作の映画みたい。
家に帰った文は家族に慰められつつ、それでも引っ越し先を見つけたと笑顔で語ります。気丈で健気なヒロインとして描きたいのはわかります。でも幕末大河ヒロインに求める像とズレていますよね。古典的ですが、家族の前では動揺を隠しつつも、夜中に夫の無事を祈って水垢離するとか。そういう姿が求められているのではありませんか。

しかもここで文が嫁入りの際には言わなかった「今までお世話になりました」を親相手にやるあたり呆れます。
お嫁さんにしたいカワイイヒロイン文をこれでもかと描いているつもりなのでしょうが、禁門の変を期待してテレビをつけた視聴者に喧嘩を売っているとしか思えません。そういえば先週久坂を見送る時は、これが永遠の別れみたいな深刻な顔をしていたのに、今週はきっと帰ってくると信じ切って、いそいそと引っ越し先まで探しているのは何なのでしょうか。時代考証や歴史の辻褄会わせが無茶苦茶なのはもうあきらめがつきますが、毎週文以下登場人物のやることなすことコロコロ変わるのは、何とかしてもらえませんかね。

「せわぁない」がかわいそうすぎる

もう一つ突っ込むと、「せわぁない」をもしかしてひょっとして流行らせたいのかもしれませんけれども、この緊迫した状況下でそんなに連発するもんじゃないと思います。脳天気過ぎます。

演出にもここで駄目出ししますが、文と粂二郎が抱き合うやたらと長い場面で、子役が「早く終わらないかな」と露骨にうんざりした顔をしていて笑ってしまいました。せっかくの感動場面なのだから、そういうところをちゃんとしましょうよ。子役にも本作のよどんだ雰囲気が伝わっているのでしょうか。よいドラマの細部には神が宿りますが、駄作は細部にわたるまで駄目になっていくのですね。

うんざりするほど長い家族団らんを経てやっと京都に場面転換します。西郷隆盛が公卿たちに「武力で天皇に直訴なぞ許すわけにはいかない」と言い出します。本作は本当に不思議なドラマで、台詞の中やモブ兵士としては会津藩が悪役扱いでやたらと出てくるわりに、松平容保はじめとする会津藩の者はまるで出てきません。

以前突っ込んだように、孝明天皇は出てきません。天子様と連呼されても、その天皇の考えは一切スルーされます。ここは二年前の大河から補完しましょう。

孝明天皇「長州の軍勢、速やかに掃討せよ!」

そうです。実は長州を討伐せよという勅命があったのですね。

ついでに出番のない会津藩士の言葉も、二年前の大河から引用してみましょう。

「御所に発砲を! あやつら正気か!?」

 

と、このように画面の外では天皇もお怒りです。ここでついに長州藩の入江らはとんでもない事態に陥ったと気づきます。ちょっと脇が甘すぎるのではないでしょうか。いよいよ追い詰められた長州藩は、最終決定をするため会議を開きます。ここで来島が激昂して怒鳴り散らし、久坂もキレ気味に叫び出し来島の襟首をつかみます。

久坂……。

ダメじゃん、久坂。キレる若者か。

相手が激昂していて、こちらは穏やかにことをおさめるつもりならば、もっと穏やかに話し合えないのですか。怒鳴っては逆効果ではありませんか。チンピラヤンキーの喧嘩みたい。案の定説得に失敗し、もはや進撃しかないとなります。ここでまだケータイ小説風味回想場面。久坂は瞑目し悲痛な雰囲気ではあるのですが、総合的に見てまったく同情できないのは何故なのでしょうか。

こうして長州藩は追い詰められて進軍を開始します。見所や血腥い場面をことごとくスルーしてきた本作ですが、やっとここで軍勢や武装した兵士がぶつかる場面が出てきます。ここぞとばかりに川井サウンドもうるさいほどに鳴り響きます。ぬるい場面を見飽きた目にはオアシスのように映りますが、カメラワークもアクションもだらけきっていて、スタッフのやる気のなさが感じられます。

ここで禁門の編前編は終了。ここで次週予告ですが、事件より文がいかに大変かを語られてげんなり。しかもサブタイトルが「妻のたたかい」。こんなことならば杉家も辰路もふさもカットして一週間ぎっちり「禁門の変」にすればよかったんだよ!

……もう勘弁してつかぁさい。

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武者震之助・記
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