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花燃ゆレビュー

花燃ゆ感想マンガ第27回「妻のたたかい」天地人の脚本家が参戦でさらにおもしろくなるよ〰(棒読み)

更新日:

こんにちは、武者です。
やあみんな、よいニュースと悪いニュースがあるんだ。どちらから先に知りたい?
じゃあまずはよいニュースから。迷走する『花燃ゆ』のテコ入れに、ついに大河経験のある脚本家投入が決まったよ!

悪いニュースか。それはな、その脚本家というのが『天地人』の小松江里子氏ってことさ! 直江大河で前田慶次、最上義光、揚北衆を抹消し、直江状を一斉送信し、長谷堂の戦いをすっとばし、兼続に千姫を救出させたあの人だよ!

【甘口辛口】大河ドラマ「花燃ゆ」が後半へ、“無名”主人公の文の活躍に期待
このコラムでは、

サッカーなでしこジャパンのような多彩な連係で、脚本家陣は日本中に元気や勇気を与える主人公に育ててほしいものだ。

とあるわけですが。私としては、むしろ探しても、探しても見つからないSから始まる万能細胞を求めていた割烹着のあの人みたいなオチになる気がしてなりません。いやあ、だって探してもないってわかっているもの、文の活躍なんて(ついでに言うと小田村も)。
親切なことに後半を占える記事も出てきております。

【花燃ゆ】まるで違う作品に!? 「禁門の変」描くターニングポイント回 | ORICON STYLE

(文が決意したのは)それは自らの手で、夫の無念を晴らし、誇りを取り戻すため毛利家の奥御殿に女中として入ることだった。長州藩のトップ・毛利敬親(北大路欣也)の権威を 背景に、文自身が“力(権力)”を持つには、奥御殿に潜り込み、正室・都美姫(松坂慶子)や養女・銀姫(田中麗奈)に近づいて取り入るのが最善策で唯一の 策と考えたのだろう。さすが、吉田寅次郎の妹、聡(さと)い。

第28回以降は「大奥」編として、奥御殿を舞台に物語が展開。城の外で起きる問題(例えば幕府による長州征討など)と、奥御殿の中で起きる問題(例えば お世継ぎ問題)が明確になり、歴史と主人公がうまく絡み合っていないといった違和感が解消されるのではないかと、期待される。

また、奥御殿の中で、最初は長州を窮地に立たせた元凶である久坂の妻として、女中仲間からも白い目で見られる文(「美和」と改名する)が、毛利家の跡取 り・元徳(三浦貴大)と銀姫の間に生まれた第一子の長男・元昭の養育係を命じられるまでにのし上がっていく過程で、主人公のイメージも鮮明になっていくに違いない。

ツッコミどころが多すぎる! もうだめだ、この際ツッコミを放棄して撤退しかない! 絶望的だ!!

この記事冒頭には、

視聴率が伸びず10%前後を推移しているNHKの大河ドラマ『花燃ゆ』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)だが、起死回生のチャンスがやってきた。

となるのですが、起死回生どころか盛大な爆死志願としか思えません。いいでしょう……ええ、見届けますよ。盛大な散り様を!

長州おしに都合の悪い真実がようやく

さてドラマそのものの爆散の前に、久坂の散り様を見届けねばなりませんね。はぁー……。アバンでざっくりとこれまでの経緯がナレーションで語られますが、これまた都合の悪い部分をバッサリカットしているのでやっぱりよくわかりません。しかし「御所を守る会津勢を打ち破り」を入れたのはマシかと思います。

御所を守る会津勢を打ち破り

大事なことなので二回書いてさらに強調しました。どうにも今年は、会津勢や会津藩配下の新選組をことさら雑魚、チンピラにしたいようで、「会津勢と言えば皆さん悪い人ってわかるよね!?」という期待しているような作りの気がします。序盤は会津ではなく外国人がその役目を果たしておりましたが。あるいは会津なんて絶対悪だと思っている誰かの意向が働いているのでしょうか。
でもそのフィルターを外すと、この間まで天皇ガー帝ガーを連呼していたのに、御所を守る側をやっつけてやったぜと言いたげなのはどういうことかと思うんですけれども。

とか何とか思っていると、アバンであっさり来島又兵衛死亡。久坂が追い詰められたところで、萩の文へと場面転換します。緊迫したところで文の場面になるこの構成、まるでクライマックスでCMが入るテレビ局編集の映画みたいですね。
ここで壮大なOP。毎週のことですが、この壮大なOPからゴミのような展開が始まります。
銃を向けられ絶体絶命の久坂。やけになって白兵戦を挑みます。味方が撃たれて仲間の名を呼ぶ時まで棒読みの久坂。滑舌が悪すぎて誰の名前なのかさっぱりわかりません。やっと何とか鷹司邸にたどり着いた久坂。先週も感じたことですが、今週もやっぱり久坂は「タカツカサ」と発音できておりません。役者さんにとって発声がいかに大事か、こんな死ぬ間際まで私たちに教えてくれる久坂なのです。鷹司はあっさりと久坂の頼みを断るのですが、久坂のだみ声棒読みが酷すぎて、鷹司の気持ちがよくわかります。それにしてもこの鷹司、自分の家めがけて砲撃されているのに異様なまでの落ち着きを見せていて、久坂たちよりはるかに大物に見えるのでした。

ちなみに史実は、
久坂「お願いです! 帝に嘆願するワンチャンください!」
鷹司「そ、そんなこと言われても、無理ですよ!」
久坂「いいんですか? ならここで切腹しますよ!?」
鷹司「そっ、そんなやめてよぉ!」
久坂「む、無念……」
鷹司「や、やりやがったぁーーー! 家がぁー、家が燃えるぅー! 都も燃えるぅー!!」
みたいな。鷹司さんマジ可哀相です、という流れです。

不可解なのは久坂が鷹司や仲間と延々と語り合っていても、敵がなかなか攻め込んで来ないことです。池田屋の時も散々ツッコミましたが、敵が迫っているような中で長々とポエムを詠むような演出はどうかと思います。何もかもが酷すぎる。幕末の主要事件を描かないと酷評される本作ですが、たまに描いたと思うとことごとく史上最低クオリティを大幅に更新してゆく。本当に凄い作品です。こんな中でも熱演している入江が気の毒ですが、彼はタイムスクープハンターとして今後はご活躍いただければと思います。見えないところでは古橋さんが待機しているんでしょうね。

hanamoyu20150705

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死をもたらす台詞「せわぁない」それでいいのか山口県民

入江がタイムアウトしている頃、久坂はまだ悠長に燃えさかる家の中で座り込んでいます。死を目の前に久坂はいろいろと語ります(ただしもの凄い棒読みで)。さらに脳裏に浮かぶセピア色の、文の思い出。
この時思い出す文の台詞が、
「悪いことばっかりあったなら、きっともう悪い運を使い切ったはず。だかららこれからは、きっとよいことばかりある。せわぁない!
です。何故よりにもよって、そんな結果として大きく外れた台詞を思い出した。そして「せわぁない」が発せられると立つ死亡フラグがあまりに多すぎて、もう不吉な気分しかありません。本気でこの言葉が、励ましフレーズとして流行ると思っている人がどこかにいるのでしょうか。
しかし私は、ここで在りし日の文を見て涙腺が緩みましたね。だってまだ井上真央さんの目がイキイキしているんですから。大河主演女優として一年間がんばるぞ!というフレッシュな決意を感じるわけですから。今は……今はもう! ううっううううっ!!
そのあとの久坂の最期はもう、見ていて辛いだけでした。久坂の退場に感動したのではなく、もろもろの酷さが耐えきれる限界を超えそうでした。

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八重の桜が懐かしい

どうしてこうなった……SNSなどでも既に先週からチラホラ出ている意見がありました。
「『八重の桜』の禁門の変の方が、長州よかったよね……?」
ええ、はい。一昨年の「禁門の変」では、私は涙腺が決壊しておりました。今年とは違ってよい意味で、です。
ところがそう思わない方もいたようで、一昨年の『八重の桜』での久坂玄瑞らに対して「テロリストだ」と物言いがついておりました。
長州が主役のNHK大河『花燃ゆ』に群馬県民激怒 その理由│NEWSポストセブン 
会津藩からの視点で描かれた前々回のNHK大河ドラマ『八重の桜』では、長州藩がテロリスト然と描かれて賛否両論を巻き起こした。

調べてみますと、二年前の日付でそのようなニュースが出てきます。

『八重の桜』の長州藩描写 山口県民は受け入れ難いの意見多し│NEWSポストセブン

個人的にはこの件は言いがかりのように感じておりました。今年の「禁門の変」を見て、その想いは確信に変わりました。
果たして当時、「久坂らがまるでテロリストのようだ」という声が多数あったのかどうか。熱心な感想を書いている大河ブログ、掲示板ログなどをソースとして調べて見ました。すると驚きの結果が!

新選組が好きで会津贔屓(ひいき)。でも『八重の桜』では久坂さんがかっこよくてすっかり長州が好きになりました!
長州藩の方がイケメン揃い。小栗旬に桂小五郎、みんなハンサムばかりで長州が嫌いになれない
ちゃんと公明正大に史実を追っているから、そんなに長州を悪とは思わないけどなあ
長州の扱い、そんなに悪いかなあ? むしろ会津藩に厳しいような。かなりグダグダでこれでは負けるなと思えてくる

こんな感じなのですね。
特に「禁門の変」を扱った12回の感想では、久坂玄瑞の壮絶な最期と桂小五郎の姿に感動したという意見がかなりありました。
この回で久坂は避けられぬ死を覚悟し、同志の桂だけは逃げてくれと言います。やむを得ず逃げる桂。敵襲の中切り結びながら、「後に続く者がいる、時代の流れは止められぬ!」と叫び果てる久坂(今年と違って敵はすぐ襲ってくるので、長々と悩み、回想している暇はありません)。そして桂は、炎に包まれた市中を逃げ延びます。ここで桂は親を亡くし父母の名を呼ぶ少女に声を掛けます。
「はぐれたんか?」
桂は、久坂ら同志とはぐれた己の境遇を少女と重ね合わせ、背を丸め声を押し、静かに涙するのでした。
こうして思い出して私もぐっと来ました。こういう描き方を見てもなお、長州が悪役扱いだとブーイングを言う人は一体どうすれば満足なのでしょうか。その答えが今年だとすると、こうなります。
再三にわたってわざとらしいほど町民は長州の味方だと言わせる台詞。
久坂はあくまで戦をするつもりはないとしつこいほどに強調。妊娠した辰路との会話でまでその話題。
チンピラ口調の会津藩士。
孝明天皇の意向は全部カットし、かつ天皇は中立あるいは長州の言い分を聞くつもりだったと誘導するような台詞。
天皇は長州と話し合いたいのに、薩摩や会津が邪魔したのが悪いと誘導するような演出。

うーん……『八重』が正攻法だとしたら、今年は目つぶしとか急所攻撃といいますか、フェアプレー精神からはほど遠いのではないでしょうか。
なぜ一年間、長州側の言い分を語ることのできるターンになったのに逃げまくっているのか。一体今年は何だったのでしょうか。なぜ、気合いを入れて描けるはずの今年で、こんなにグダグダなのでしょうか。

世界遺産萩の町へようこそ 松下村塾のどこが明治産業遺産なのかというなよ

さて、夫を喪った文は引っ越しを終え、庭で家庭菜園でもしようと語り出しております。先週非常事態の中強引に引っ越ししていたのは、今週を劇的にするためなのでしょう。かえって空気を読まずに引っ越す文にドン引きという感想が多かったようですが。
そこへ久坂の訃報が届きます。いつものパターン。
まただらだらと一通り、文と愉快な杉家コメンテーターの皆さんが、死んじゃってかわいそうだねワイドショーをするわけです。杉家を訪れた変の生存者である品川の口から「久坂様は最期まで話し合いたかったんです」という言い訳が語られます。それ、久坂に巻き込まれて家焼かれた鷹司さんにも言えるのでしょうか? 武装して京都にのぼったらまずいと思わなかったのでしょうか?
愁嘆場の合間に、さらっとそうせい候の驚きの演技でごまかしつつ、どうやら長州藩が討伐対象になったという絶体絶命の知らせが語られます。久坂が死んで哀しいみんなより、こちらの方が大事なのでは。
一方杉家には、藩より久坂家お取りつぶしの話が届いておりました。文はこれに怒るのですが、このあたりの感覚がおかしいのですね。藩の決定ももっともで、今回の騒動の元凶は久坂ですからお取りつぶしは至極全うです。自分の夫がそんなことをしてしまったのだから、まともな武家の妻であるならば表面上は反発できないはずです。藩の役人や久坂のせいで巻き込まれた入江の遺族らに頭を下げつつ、こっそりと後で泣くような場面を入れた方がよいかと思いますが、それができれば今年はこんな出来ではありませんからね。高望みはやめましょう。

家財道具が散らばった久坂家で呆然とする文の目に、ロボットのような口調でぶつぶつと『孟子』を暗唱する粂次郎の姿が。今年は初回の文といい、子役に何か暗唱させるのが好きですよね。理解できているとも思えない薄っぺらな暗唱ですし、養母が涙を流して取り乱している中、こんなふうにぼーっと突っ立ってぶつぶつ言う子どもがいたら感動的どころか怖いですよ。子どもの不気味な暗唱でしか、志の継承を表現できないのでしょうか。
粂次郎の年齢ならば、周囲のただならぬ様子から詳しくはわからずとも養父に何かあったことはうすうす感じると思うのです。「何も知らない無邪気な子どもがそれゆえに残酷なことを言ってしまう」という定番シチュエーションは、もう少し小さな子でなければ使えない手だと思います。

夫の死でさらにモンスタークレイマー化する文

さて文は、椋梨家の美鶴の元へ久坂家お取りつぶしを取り消すよう直談判に行きます。政敵で良好ではない関係、ましてや先週の回で引っ越しに関してけんもほろろに断られたのに、こんな厚かましいことをする文にはびっくりですよ。こんな奴のしょうもない言い分を聞くために、わざわざ出て来て対応する美鶴さんは良い人ですよね。私なら家来に追い払わせます。

しかも久坂は悪くないと言うのかと思っていたら、当人以外には心底どうでもいい「約束があるから」を理由にする文。ここまで鈍感だともうホラーの気がしてきます。モンスタークレーマー、文。

美鶴はきっぱりと「ここはあなたの来る所ではありません、お帰りなさい」と言い切ります。本当にその通りです。モンスタークレーマーには毅然とした対応を。

それでも文はモンスタークレーマーらしくしつこく食い下がり、今度は椋梨本人に絡みます。ここでの椋梨の言葉は、
「おまえの兄とか夫のせいで最悪の長州藩に……志とか言うけどなんなのよ。残念ながら当然としか思えんわ。で、おまえに何ができるの? おにぎり握る以外、ここ半年間何もしてこなかったおまえがよ」(意訳)
というもの。今椋梨が視聴者心の声を代弁したあーッ!

文は地面を這いずり、椋梨を三白眼で見上げにらみつけ、奇声を発しながら地面をバンバン叩きます(あ、本当にホラー化してきた)。
このまま丑の刻参りに行ってもおかしくなさそうな文。しかし流石にそれはなく、紅をつけ、何か決意を秘めてどこかに行くようです。場面は切り替わり、奥御殿総取締役・園山が出てきます。
「台場作りでは、お世話になりました」
と、ここに文が。家が断絶したわりにフットワーク軽やかに動きますね。

ところで今週は何かが足りないと思っておりました。と、そこへ画面が切り替わり杉家に颯爽と入ってくる男! どこへ行っていたンだッ! 俺たちは君を待っていたッッッ!小田村伊之助の登場だ――――――――ッ!
……はー、やれやれ。小田村がずっと登場しない本作はまだマシだったとそれでも思い出した瞬間だぜ。]

はいはい、今日の伊之助無双のノルマは何かな?
今日の小田村ミッションは、文へのお詫び。俺という無敵の存在が藩の中枢にいながら、むざむざ久坂らを死なせてしまってごめんなさい、だそうです。松陰の時といい、大物ぶって結局誰一人救えないのが小田村クオリティだから、いいんじゃないですか(投げやり)。しかもまた妻を放っておいて「お文は!?」から始まるという。一体おまえは誰の夫だ。

大奥編への移行の理由がすごすぎる

ここで文の重大発表タイム。奥御殿で働くと言い出します。
さらにまた「なぜあの人が死んだのか?」と語り出します。「なぜ」が本当に好きですよね。志は何? 攘夷は何? と半年間延々と言い続けて、未だに何も学んでいない女、文。
さらの文は「絶対ゆるさん、あの人を殺したもんを!」とマシンガントークし出します。井上真央さんはゆっくり穏やかに喋らせないと駄目です。滑舌が悪くなっているし、ものすごくヤンキー口調になっていて柄が悪いです。ふざけんじゃねえよとか、相手の襟首掴んで言い出しそう。本作の発声や滑舌の悪さは、役者さんだけではなくきっちり指導しないスタッフにも問題がありそうです。

それより「絶対ゆるさん、あの人を殺したもんを!」って何?

感動的なピアノメロディで語られる文のここの場面での台詞、全てが滑っています。久坂を殺した奴を許さない、何故死んだかわかるまで弔わない。涙も流さない。久坂の死に至る顛末を見てきた視聴者としては、ものすごい八つ当たりにしか思えないし、頭のねじがすっとんでいるようにも見えるし、キャラが変わりすぎていてもう何が何やらわかりません。

ヒートアップしてきた文に若干引き気味の周囲は、なぜそれで奥御殿に入るのかと聞きます。本当にそこが知りたいわけですよね。
「奥御殿で出世してえらくなって、お殿様になんで私のダーリンが死んだか聞くの!」

えっ……?

いや、それは、そんなもん聞かれてもお殿様も困るんじゃないかな……?
あ、でも本作ではもう既にお殿様に文は悩みをカウンセリングしてもらったことありましたね。本作の世界観ならできるかもだね!
と、私めは困惑するばかりなのですが。もし私が文の目の前にいたら「いいから落ち着け!」と止めると思うのですが。なぜかよい話のようになるのが本作です。たまげたなあ。

ここで文は「無力な女はやめます」宣言するのですが。確かにおにぎりマネージャー路線にツッコミは入っていたけど、それへの答えとしてあさっての方向でキャリアウーマン目指しますって言うのは、そういうのは誰も望んでいなかったと思うのですが。
ちなみに次週の予告によると「泣かない女」だそうです。文改め美和は泣かないと思いますが、しょうもない描写をされた久坂玄瑞らは、今頃泉下で泣いているのではないでしょうか。

そう、久坂玄瑞……嗚呼、久坂玄瑞。

2013年の久坂玄瑞がテロリストならば(私はそうは思いませんが)。

2015年の久坂玄瑞は、放火テロリスト。未婚の武家娘の文と真夜中に出歩くしょうもない奴。松陰と文兄妹の煽りにキレる若者。文と結婚したいとウダウダ伊之助に絡む情け無い男。妻のかまぼこ売上金をあてにするヒモニート。攘夷で反撃を受けても性懲りもなくもっと攘夷を頑張ると言う学習能力ゼロの無能。仕事場で妻に膝枕されてイチャつく公私混同野郎。辰路を妊娠させて放置するやり逃げ男。甘い見通しで武装上洛してにっちもさっちも行かなくなった自爆男。

いや、これ、私の捏造じゃないんですよ。本編でそうなっていたんですよ。だから、私が作り上げたんじゃないんですよ。本作のスタッフの皆さんが智恵を絞って「二年前よりかっこよくて正義の味方で、女の子の胸をきゅんきゅんさせちゃう久坂玄瑞にしようね!」と考えた結果がこれなんですよね。とりあえずスタッフと役者さんは、ドヤ顔で「久坂を生ききった」なんて言っている暇があるなら、久坂の墓前か靖国神社ででも、謝ってくるべきではないでしょうか。

今週の炎上しちゃいやよ、な補足

それでは今週の長い補足です。
まず今週退場のこの人について。お疲れ様でした。でもその後に敢えて言わせてください。
本作が駄作である主な理由は、企画・脚本・演出がそもそもおかしいということに尽きます。したがって役者さんには罪がないと私は再三申してきておりました。
しかし例外はあります。
本作最大のミスキャスト、今回退場となった久坂玄瑞を演じた方には、本当に心の底から今後のキャリアを考えて欲しいと思います。最大の問題は発声と滑舌の悪さです。多くの人が指摘していますが、「タカツカサ」とすら言えない。ほんの短い単語でも詰まる。詰まっていない台詞でも抑揚がついていない。抑揚がついていても感情がこもっているように見えない。発声に関しては役者としてもうありえないレベルではありませんか。ここまでひどいなら、いっそ声優に吹き替えでもしてもらったほうがよいのではないでしょうか。

脚本に不満があり文句たらたらだった点は同情します。しかしそんなことを口にするのもいかがでしょうか。脚本のまずさをカバーしようとしている人もいるわけですよ。
渡される脚本は確かにひどい。日頃愛読してきた小説の像よりひどい。それでは腐りますよね。しかしそれが脚本家だけの問題だったのかも、考えて欲しいところです。本作の久坂は、史実よりも役者にあわせた宛書きにされていることも問題を大きくしていたと思います。その結果、史実の久坂が持つ智謀が消され、木訥な青年にされてしまったのです。昨年の官兵衛もそうでしたが、智謀あるキャラクターを純朴にしようとすると、事態は悪化します。歴史劇であるからには、根本的な行動を変えることはできないからです。善人の顔をしながら結果的に謀略を駆使したことになってしまい、おかしくなります。本作の久坂はまさにこのパターンでした。

この役者さんも、岩手田舎の駅員のような木訥な役柄であればそうは浮きません。出番も台詞も少ない、どこかぼんやりとして気のいい青年役であればここまで粗は目立たなかったでしょう。あきらかに今回はミスキャストです。朝ドラでブレイクした若手俳優に大河で大きな役を当てるのは、NHKが行うプッシュの王道です。ただ、どういう役を当てるか、ちゃんと考えた方がよいと思います。同じパターンでも、昨年の松坂桃李さんはよかったのですけれどもね。勢いと話題性だけで引っ張ってきたのでしょうが、今回は見事にそれが裏目に出ました。
今となっては信じられませんが、今年の序盤は久坂が出ると数字が伸びると言われていたんですよね。視聴率とともに、役者の評価も下げてしまったこと。しかもそれが、今後秘蔵っ子として使える役者であったこと。NHKには反省してください。まともな脚本の年に、復活の機会を与えてください。木訥な三河武士役なんか似合うかもしれませんよ。

禁門の変と靖国神社の幕末史

次に「禁門の変」ついでに、ちょっと靖国問題について補足します。
また性懲りもなく武者は政治問題を持ち出すのか、と眉間にぐっと皺を寄せた方も多いとは思いますが、外国は一切関わらない幕末から続く国内問題ですので、ご勘弁ください。
靖国神社の前身は東京招魂社です。幕末動乱での戦死者を慰霊する招魂祭は長州藩が始めたもので、彼らが官軍として攻め上るなか、東京や各地で行われることになりました。この慰霊される戦死者の中には、長州藩と敵対した会津はじめ奥州諸藩や幕府軍は含まれません。さらに靖国神社の大祭の日は、会津落城の日に制定されるなど、会津藩らの側に立ってみれば「それは嫌がらせなんじゃ……?」と思われるような措置までとられました。
このドラマですと今週亡くなった久坂らは、靖国神社に祀られております。靖国に祀られる条件には「天皇のために忠義を尽くし戦った」というものがあります。ここまで読んで首をひねった方もおられることでしょう。
「えっ、久坂たちはむしろ御所に攻撃して天皇に逆らった側だよね?」
ですよねー。しかも久坂らが祀られたのに、禁門の変で防護側だった会津はじめとする諸藩の死者は除外されていたのです。流石にこれは当時から抗議が入り、久坂たちより後れて禁門の変守備側の死者ものちに祀られました。この他にも、孝明天皇が停戦を命じていたのに長州藩が小倉藩を攻撃した際、そこで亡くなった長州藩士らが祀られるなどということも。天皇に忠義を尽くしたという条件よりも、幕末動乱で落命した長州藩士をともかく祀るという性格が、靖国神社にはありました。これは明治時代、いかに長州藩出身者の権力が大きかったかということでもあります。

今なにかと問題になる靖国神社ですが、創建当初から政治的な色合いが濃く、様々な問題があったということは、頭の隅にでも入れておいていただければと思います。
このことを知り、「御所を守った側の方が攻撃した側より、天皇への忠義が条件の施設に祀られるのが遅いってなんで!?」と腑に落ちない方も多いでしょう。その腑に落ちない感覚は、おそらく本作の割り切れなさや不快感にも通じるものがあると思います。本作ではルール破りだと思えるほど無理矢理感のある描写で長州藩を持ち上げているのではないかと指摘しました。長州藩を正当化するあまりおかしなフィルターがかかってしまっている……それが本作最大の問題点ではないでしょうか。
と、ここまで書いておいて新たなソースが出てきました。
軍艦島など世界遺産審査延期 土壇場で日韓再び対立 

続報:「明治日本の産業革命遺産」世界遺産に登録決定

いきなり話が飛んだようで、実は関係があります。
国内ではこのニュースのように「韓国が水を差した」「掌を返した」となるのですが、英語圏などのメディアでの報道は違うようです。
今回の世界遺産への推薦背後にある事実関係に、ツッコミが入っております。観光客獲得が目的であること。候補地が与党有力政治家の選挙区であること。さらに「負の遺産」を隠そうとするのはどうかということ。他の世界遺産ではちゃんとマイナスの部分も隠さず展示をしているとのこと。韓国からクレームのついた去勢労働は、韓国だけの問題ではなく、第二次世界大戦時の戦争捕虜も含まれているため、このままです負の遺産部分を隠そうとすると、連合国とも揉める可能性があるとのこと。大河にせよ、世界遺産にせよ、臭いところに蓋をしたまま通そうとするとツッコミが入るということですね。しかも大河は国内だけで済むものが、世界遺産だと世界からツッコミが入る、と。
「負の展示」もある世界遺産の例:リバプール

以前このコーナーで、九州地方のキリスト教会群を押しのける格好での世界遺産推薦がどうもきな臭い、大河と世界遺産登録でブームを狙っていたのではないかと書いたのですが、やっぱり海外からの報道でも、そこにツッコミ入ったわけですね。
「花燃ゆ」低迷の井上真央に“巻き返しの秘策” 
ブームを狙って作るのって、なかなか難しいのですね。とりあえず世界遺産は登録できたようですが、大河の方は失敗しました。もしも本作が海外に出ることになったら、クオリティ云々よりも制作背景のきな臭さにツッコミが入りそうですね。

今週のお前がいうな

さて、次はニュースです。
前回は先々週の池田屋で微増した視聴率がまたも下がり、三度目の一桁台視聴率となりました。前半最大の盛り上げどころのはずが何とも残念な数字です。おそらく先々週の池田屋で久々に見た層視聴率にしておよそ1パーセント前後が、その出来にうんざりして離れた結果、それが出てしまったのではないでしょうか。
数字が下がると、また出てくる人がおります。
NHK籾井会長、自己採点問われ「0点でもいい」
「花燃ゆ」については「みんな一生懸命にやっているが、思ったほど視聴率が伸びないのが悩みのたね。素人考えですが、今まで主人公らしき人がいっぱい出てきた。みんな死ぬんですよね。このへんが盛り上がらない大きな理由かな。これからは井上真央さんが活躍し、焦点がはっきりすると思う。そこに私としてはか けたい。話は今度、ポジティブになっていく。今まではみんな死んじゃうでしょ。死んじゃうから人間の心が上向かないということかなと思う」と語った。
おーい山田くん、籾井会長の座布団全部持ってって。ついでに「すべての者は死なねばならぬ (All men must die)」がキャッチコピーで死屍累々の『ゲーム・オブ・スローンズ』が全世界で大ヒットって教えてあげて。

話題の海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」作中の残虐な暴力は現実世界でも起きている  (ネタバレあり)

海外ドラマを出すまでもなく、大河ドラマで夏頃までに前半主要人物が死ぬことなんて当たり前なんですけどね。そんなに人死にが嫌なら近松門左衛門でも松尾芭蕉でも大河にすればと思いますが、結局そんなことはしないわけですしね。合戦や動乱で盛り上がるドラマなのに「人が死ぬから駄目なんだ」なんてトップが間抜けなことを言っている限り、そりゃ駄目だと思いますけれども。
最近私は同じNHKでもむしろロックなのは、『マッサン』で会津藩士末裔その後を取り上げ(しかも主演『八重の桜』で山川浩、林権助、近藤勇を演じた役者が出演)、今年秋から『あさが来た』で幕末からスタートさせる大阪放送局なんじゃないかと思っております。『あさが来た』ヒロインの嫁ぎ先は新選組のスポンサーでもあったそうで。大河より重厚な新選組が出てきたら朝から爆笑するかもしれません。しかもヒロインの姉役は篤姫ですからね。大河を背中から撃つ感じがたまりませんね。

激動は幕末ではなく視聴率 「花燃ゆ」新キャッチがアダ 「篤姫」の焼き直しの声も - ZAKZAK 
激動は幕末ではなく視聴率
……これはまずいですね。いよいよ本編よりニュースタイトルの方がおもしろくなってきているじゃないですか。ぶはっはっはっは!!

さて、次で今週最後のツッコミです。
本作の感想を見ていて、
「今年のドラマスタッフは、あまりの無茶ぶりに嫌気がさして、わざとサボタージュしているのでは?」
という指摘を見かけました。ありえるかもしれない、と感じております。交替する脚本家があの悪い意味で有名な小松江里子氏であるというニュースを知り、ますますその疑念が強まりました。

上役「『花燃ゆ』の視聴率は何とかならんのか! 脚本がひどいそうじゃないか」
現場スタッフ「はい、現場でも脚本家が音を上げておりまして。このままではますます悪化するかもしれません」
上役「なんてことだ! 新しく脚本家を入れて今までのはクビだ!」
スタッフ「既に手は打ってあります。大河経験のある小松氏が候補にあがっております」
上役「おお。なになに、小松さんの代表作は『天地人』か。視聴率いいじゃないか、これ」
スタッフ「ええ、『天地人』はイケメン大河として若い女性視聴者にも人気がありまして」
上役「おお、いいねえ! なんでそんな人材を出し惜しんでいたんだ。これでV字回復も見えてきたぞ」
スタッフ「ええ。小松氏に任せたらば大船に乗ったようなものですよ(……計算通り)」

こんな小芝居まで妄想したりして。
確かに『天地人』の視聴率はよかったし、イケメン大河とか何とか言われておりました。もっともその数字の良さは、タイミングよく戦国ブームにかぶったためとも言われており、大河ファンの間においては『江』と並ぶ駄作との評価とされております。
このように大河ファンならぴんと来る地雷でも、大河を見ておらず「人が死んでしまうようなドラマは盛り上がらないよね」と分析してしまうような相手ならば、コロリとごまかせてしまうのではないでしょうか。
今週も長々と好き勝手書いて来ましたが、後半も絶望的であると予言し締めくくりたいと思います。ちなみにほぼ半年前、私は今年の大河は駄作、絶望的であると予言しました。今回の予想もきっと当たりますよ。もっとも、そんなこと皆さん思っていることでしょうけれども。

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武者震之助・記
霜月けい・絵




1位 意外と優しい!? 織田信長さん


2位 伊達政宗さんは史実も最高!


3位 直虎の後を継ぐ井伊直政とは?


4位 毛利元就の中国制覇物語


5位 ホントは熱い!徳川家康



6位 最上義光 名将の証明


7位 最期は切ない豊臣秀吉


8位 史実の井伊直虎とは?



9位 もしも戦国武将がサッカー日本代表だったら?



10位 小野政次 34日間の天下



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