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『おんな城主 直虎』感想レビュー第10回「走れ竜宮小僧」 ブレイク!高橋一生さんの小野政次

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こんばんは、武者震之助です。
フィギュアスケートの影響もあって、12パーセント台にまで落ちた視聴率がじわじわと回復しており、またSNSを見ていると反響が増えてきているようです。感想をたどっていても、おそるおそる見ていた人たちが「今年も面白い」と言い始めている気がします。
私も全く同感で、二月あたりまではどちらに転ぶかわからないと思っていましたが、今はすっかりハマってきました。

今作は、評価視聴率ともにこれからじわじわ伸びるんじゃないでしょうか。
公式インスタグラムを見ていたところ、初期と比較して「いいね」が7倍近くまで増えている投稿があります。特に高橋一生さんの写真には多くの「いいね」がついています。SNSでじわじわと口コミが広まり、それが数字につながり、見てみたら面白い、そんなよい転がり方をする気がするんですね。

これは先週、書こうと思って結局書かなかったのですが。高橋一生さんの小野政次は、昨年における草刈正雄さんの真田昌幸になるかもしれません。昨年の前半、私は極力MVPから昌幸は外そうと思いました。なぜならば昌幸を含めると、彼ばかりになってしまうからです。殿堂入りということにしていました。

今年の政次もそうなるのではないでしょうか。小野政次は、万人が認める本作を代表するキャラクターになる。そう予想します。

 

激しいもみ合いの末、奥山を刺殺してしまう政次

さて、本編です。
今週は、龍潭寺に逃げ込んだ血まみれの小野政次が、奥山朝利を斬ってしまった、と衝撃の告白をしたあとから始まります。

井伊直親しのは、奥山朝利殺害現場を訪れます。父の屍にすがりつき、泣きながら父の仇を取ってくれと叫ぶしのの傍らで、直親は現場の様子を確認し異変を察知したようです。おおっ、直親が知性を発揮しています。一方で、奥山孫一郎としのは激怒し政次を殺す気満々のようですが……。

政次は、次郎(井伊直虎)に殺害に至ったいきさつを語ります。
娘・なつと孫の亥ノ介がどうしても奥山家に戻らないことに業を煮やした朝利は、政次の背後から襲いかかります。激しいもみ合いの末、相手を刺殺してしまった政次。事情を話せばよいと次郎は説得しますが、政次は父・政直が井伊直満を死に追いやった経緯を思い出し、二度も直親の父(実父と義父)を小野が奪ったからには許されないだろう、と暗い表情で語ります。ここは竜宮小僧として何とかしたい、と立ち上がる次郎です。

当シーンでは、竜宮小僧を目指す次郎の性格が強調されています。
が、政次が何故龍潭寺に逃げ込んだかといいますと、寺がアジール(聖域)としての機能を持っていた点もあると思います。昨年の『真田丸』の聚楽第落首事件でも、寺は逃げ込んだ容疑者をそう簡単には引き渡さない様子が描かれていましたが、寺というのは逃げ込んだ者はとりあえず匿わねばならない、そういう役割があるのです。

こうした俗世とは異なる僧や寺が持つ役割が、次郎の行動原理にもあります。次郎はお姫様だとひけらかすこともなければ、天才的な発想、お菓子作りの腕前でどうこうするわけではありません。
僧侶という俗世から切り離された特殊身分の利便性と、己が持つ善意と機転だけを頼りに、竜宮小僧として人の役に立とうとします。
等身大の熱血ヒロインなのです。

 

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井伊家と小野家をつなぐために、なつが……

井伊家の家臣たちは、もうこの機に小野を殺してしまえとヒートアップ。そこへ、小野の名代としてなつがやって来ます。
父が殺されたのに仇の側につくのかと妹に激怒する孫一郎。
なつはそれでも、義兄である政次のことをかばうために、事情を解説します。

夫・玄蕃(政次の弟)死後も婚家に残りたいとなつが主張したことが事件の背景にあると説明するなつ。しかし孫一郎は「亥ノ介を人質に取られて言わされているんだな!」とますます怒ります。この話の通じなさは絶望的です。
なつは、亡き殿(井伊直盛)は小野と奥山の縁をつなぎたがっていた、夫亡き後はその役目を果たしたいと訴えます。さらに千賀も「父母の家同士が争っては亥ノ介が不憫」と口添えします。

それでもやっぱり政次は許せないと怒る孫一郎たちを前にして、直親が事件の真相を推理します。
凶器の脇差しはそもそも朝利のもの。そして現場に残されていた刀痕は位置が低い。
つまり、凶器を先に振り回したのは、脚が悪く這うようにしていた朝利。政次は正当防衛ではないか、と説明する直親。今週の直親は知力が高いぞ!
ナイスフォローです。理路整然とこう当主に言われてはどうしようもなく、孫一郎は父の行動に問題があったのかもしれない、とおとなしくなります。

なつを名代として向かわせたのは、実は次郎でした。
幼なじみの次郎と直親の連携によって窮地を脱した政次は、二人に感謝します。この一連の事件で憔悴した政次の表情を見ていたら、とてもつるし上げて殺す気にはなれない、そう思う視聴者も多いのではないでしょうか。

気がおさまらないのはしのです。父が気の毒だと悔しがる妻に、直親はもっと義父の気持ちを察していればこんなことにはならなかったのだ、私を恨め、と諭します。しのは涙ぐみ、きっと父が悪かったのでしょう、と泣き崩れます。
井伊直政は胎内にいたころからこんな修羅場をくぐっていたのかと思うと、なかなか感慨深いものがあります。それにしても、第八回前半では全く妻への思いやりが感じられなかった直親が、随分と変わったものです。
今週の展開において、彼は株をぐんぐんと上げてゆきます。

亡霊に怯えて写経だなんて可愛いとこあるじゃないか

井伊家の関係者は何かあると例の井戸に行きます。ここで政次と出くわした直親は、これで検地の借り(第七回)は返したぞ、と言います。
直親さん、以前は「サイコパス」とか言ってすみませんでした。ちゃんと気にしてたんですね。政次も謝罪の言葉を述べ、ギスギスしていた鶴亀コンビに雪解けの時は近いことが伺えます。
直親という人物を持ち上げて、落とし、そしてまた持ち上げる、このジェットコースターのような展開はなかなか面白いです。キャラクターがぶれているわけではなく、見方を変えることによって評価を上げ下げする、そんな力量が今年の脚本から感じられます。

次郎は昊天から「よいことをしましたね」と褒められますが、次郎はもっとできることがあったかも、と反省中です。
「日日是好日」ですよ、と慰める昊天宗建傑山宗俊とは違った精神的な癒やし効果が彼にはあるようです。

次郎の竜宮小僧としての奔走は続きます。川名へ向かうと「せっかくだから小野のガキをぶっ殺せばいいのに」と意気軒昂な暴走隠居・井伊直平とその家臣たちに「奥山様の怨霊におびえて写経しているから許してあげて」と吹き込む次郎。
それにしても川名のご隠居は一体何を企んでいるのか、館に集う家臣のガラの悪さは一体なんなのでしょうか。

さらに次郎は、政次に「奥山殿の怨霊見たよ! 信じようが信じまいがいいけど、写経しないと祟られちゃうかも!」と脅しながら強引にすすめる次郎。ばかばかしいと一笑に付したい政次ですが、態度の端々から怯えが見えます。彼も奥山朝利の死には責任と罪悪感を覚えているのでしょう。

政次は怨霊に怯えて写経している噂のおかげで、周囲からからかわれつつも「憎々しいかと思っていたけど、かわいげがあるじゃないか」と好感度を上げているようです。

 

念願の跡継ぎが誕生! その名は虎松(後の井伊直政)

そして冬。
直親は弓の弦を引き、魔除けのために音を鳴らしています。何故そんなことをしているかというと、待望の第一子が生まれるためです。
そしてのちの井伊直政が、ついに誕生します。

「虎松」と名付けられた赤ん坊は、井伊谷に希望の光を灯します。その誕生の宴に、政次がおずおずとやって来ます。皆が緊張しながら見守っていると、政次は虎松の誕生祝いを持参しています。
その目録を確かめると、井伊直満(直親の父)の遺領を虎松に譲るというものでした。

まるで小野がかすめとったような直満の領地は、政次にとっては重荷であったのでしょう。天文十三年以前、井伊直満が生きていた頃の井伊に戻したいという政次の言葉には、切ないものがあります。亀、鶴、おとわと呼び合っていたあの頃に戻りたい、彼はそう思っているわけです。
ここで四回も費やした子役時代の重みが生きてきます。鶴亀コンビはこれで完全に修復したように思えますが、あとの展開を考えるとこのタイミングでそうするというのが、なかなか残酷なことにも思えるのですが……。

虎松の誕生を祝い井戸の前で祈る次郎。そこへ直親がやって来ます。涸れ井戸にも水が湧いた、これは吉兆だと喜ぶ次郎。直親は竜宮小僧として次郎が奔走したからこそ、政次と仲直りできたと告げます。
おとわに報いるにはどうしたらよいのか、と問う直親。次郎は「今日のような日が、日々であるように。喜びに満ちた日が続くように井伊を守って欲しい。それが望みである」と告げます。
直親は「そんな井伊を、次郎法師様に、竜宮小僧様に、井伊の姫に捧げましょう」と誓います。おおっ、直親! 名推理に続いてこのキラキラ王子様のような台詞、今週は本当にぐっと株を上げて来ましたね。桶狭間の絶望から、希望の日々が近づいたように見えます。
しかし、そうことは簡単にはゆきません。

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今川家では、松平元康の謀叛に動揺していました。元康は今川を裏切り、西三河の国衆を次々と味方につけてゆくのでした。
激怒した今川氏真は、松平の人質を全て殺害するように命を下します。つまり、瀬名や佐名の命も危険であるということです。
瀬名たちの助命を南渓にせっつく次郎。南渓も重い腰をあげ、直親から瀬名たちの助命嘆願に行く許可を得ます。次郎を連れて駿府に向かおうとする南渓ですが、実は次郎は先に向かっていたのでした。
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