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おんな城主直虎レビュー

『おんな城主 直虎』感想レビュー第13回「城主はつらいよ」 小さくチマチマ? だが、それがいい

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こんばんは、武者震之助です。
若き当主・直親の死を受け、幼い遺児・虎松が残された井伊家。次郎法師は還俗して井伊直虎となり、虎松の後見となります。颯爽とした城主の姿は格好いいものの、いきなりサブタイトルは「城主はつらいよ」。一体どういうことでしょうか。

 

頼りなさすぎる中野直之と奥山六左衛門にアレコレ言われ

颯爽と城主宣言したところでいきなりブーイングです。
「女子に何ができるというのです! だいたいこの人はこの前まで寺暮らしだろうがよお!」

ここで叫んだのは中野直由の子・中野直之。これがまあ、『信長の野望』の汎用武将グラフィック感というか、バッティングセンターでたむろしている高校生感というか、要するに「お前が言うな!」感が溢れています。いや、演じる人のルックスがどうこうではなくて、演技と演出力のおかげですが。

ここでしのの兄・奥山六左衛門が「いっそ南渓様が還俗したら」と口を挟みます。この人もなあ……しののもう一人の兄・孫一郎もそんなに頼りになりそうにはなかったのですが、彼にカムバックと言いたくなるくらいの頼りなさです。暑くもないのに汗を一人だけ拭いているのが、なんとなく昼食にカレーを食べたあとの営業マンを連想させます。

その南渓和尚は「まあ駿府の言う通り、但馬(小野政次)にするよりはマシだろうし、還俗してないよ、直虎と名乗っただけだから今川との約束にも背いていないよ。虎松元服までの中継ぎだし、そう目くじらを立てなくてもいいんじゃないの」程度のゆるい説得です。こういうとき、一喝とかしないんだな、この人は。

さらに南渓は小野政次に話をふります。
暗黒面に墜ちて以来、常に半目になった政次は、「当主の仕事は生半可なものじゃありませんが」と嫌味っぽく言います。
直虎はこのやりとりに間居心地悪そうにしていますが、「父と先代の意志を継いで、皆が平和に暮らせるよう頑張ります!」という当選したばかりの議員みたいな優等生回答です。

本作は、ダメな大河なのか否か? 実は、このあとの周囲のリアクションがポイントです。

 

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「女のくせにとか言われて超ムカつくぅ〜」

ダメな大河だと、ここでやたらと雄壮なBGMを流し、演出も見栄をきるようにして、周囲は「流石だ……」、「素晴らしい御方だ」と感動しだし、「皆がんばりましょう!」と丸く収めます。

しかし今年は、政次が嫌味たっぷりに「私からは申し上げることはもうありませんね。家老として支えますよ」と言うだけ。
直之は「やっぱりあんな女じゃ駄目だ、やってらんねえよ!」と荒々しく場を出て行きます。
直虎の決意表明も「綺麗ごとだけで中身はありません」という、たどたどしさが先立っています。

こういう展開は、なんとな~く皆さんも既視感を覚えるのではないでしょうか? 実務能力があるのかないのかわからない人に「新年度も皆が頑張れるように張り切って行きましょう!」と中身のない年度はじめの挨拶をされ、あとから休憩室で「綺麗ごとばっかり言ってたな」と愚痴を言い合ったり。
皆が去ったあと、直虎は裲襠を脱ぎ「女のくせにとか言われて超ムカつくぅ〜」と変顔でブーたれています。柴咲さんはきりっとした顔もよいのですが、給湯室の女子のように愚痴る顔も最高です。

そこに南渓がやって来て、「仮名目録」という巻物を差しだします。今川家の政治のための法令集で、あの寿桂尼も関わっているとか。寿桂尼も今でこそ家中から全幅の信頼を寄せられていますが、彼女も実権を握ったばかりのころは「女子のくせに。だいたいこの人は京から来た公家の姫君ではないか!」と言われていたことでしょう。女領主としては大先輩です。

 

借金まみれの小領主になんて誰もなりたくない?

一方、直親の未亡人である、しのの実家・奥山家。しのが虎松、なつが亥之助をここで育てていました。

そこへ六左衛門が、直虎が当主となったと知らせました。真登場の新野左馬助の娘たち(直虎にとっては母方のいとこ)もこの屋敷にいます。ここでカチンと来たのがしのです。

「あの女が虎松の後見人? 私、そんなこと聞いてないし!」
「じゃあ小野政次が後見人でもよいのか」
と六左衛門に言われたしのは、目に涙をためながら「どっちも嫌です!!」と叫びます。しのは常に面倒臭い人です。

小野政次は、井伊谷三人衆と酒盛りをしています。

三人衆のうち鈴木重時は井伊直親にとっては母方の叔父、しかも妻は奥山家の出身です。
菅沼忠久は「ならばいっそ鈴木殿が井伊家を仕切ったらどうですか」と切りだしますが、重時はこんな借金まみれの中小企業、親族が経営しているからと巻き込まれるのは勘弁して欲しいようで「いやいや……」と言葉を濁します。
腹黒い人ならばこれは御家のっとりのチャンスと思ってもよさそうですが、その価値すらない、それが今の井伊家です。

熱血系の近藤康用は政次に「今後どうなりますかね」と尋ねると「火の車の会社経営を気合いだけでどうこうできるわけがないでしょう」と身も蓋もないことを言い出します。
家老、つまり井伊家の内部事情を熟知している彼が言うと邪悪さが際立ちます。

しかし彼だけが悪いわけでもないのです。
政次がテキパキと書類仕事をこなしている時、周囲が「アイツなんか感じ悪いよね」と足を引っ張りましたし、検地騒動(第7回)では井伊直親や直平が何の役にも立たなかったわけです。
先週(第13回)の「井伊は滅びるべくして滅びるのだ」と今週のこの言葉をあわせて聞くと、政次の心の奥にしまいこんだドロドロの黒い感情が理解できるのではないでしょうか。自転車操業の会社を切り盛りしている経理の皆さんは、ここで泣いてもよい流れです。

 

村人たちに徳政令を要求された直虎は……

新米城主・直虎は「仮名目録」で政治の勉強中。
どうやら経理には全く歯が立たない様子。南渓もテキストだけを渡すって悪質ですよね。せめて講義もセットにしてあげましょうよ。

直虎は六左衛門や直之に相談しますが「俺、内政面はイマイチなんで……」、「はあ? 知らねーよ」とまるで頼りになりません。
そこへ政次が帳簿を次から次へと持って来て目を通しておくように言います。直虎は「私は持ってこいと命じていない。戻して来い!」と六左衛門らに片付けるように言います。
そこへ、瀬戸村の領民たちが挨拶にやって来ます。

領民にまで、
「えっ! 新しい領主様は女子じゃねえか」
「どういうことでえ」
と言われる始末。前途多難にもほどがあります。

しかも挨拶だけではなく、何かの仲裁を頼んで来たようです。ここで直之が「領民風情が殿にわざわざ来とかふざけるな」と追い払おうとしますが、直虎は明日行くと笑顔で快諾します。直虎、こんなペース配分で大丈夫でしょうか。

そして明日、馬にまたがった直虎が、直之を供につけて村へと向かいます。竜宮小僧として努力してきた甲斐があり、領民たちには慕われていますが、山向こうの瀬戸村ではどうなのでしょうか。
瀬戸村は、人の背丈ほどの草が生え茂って荒れ放題です。桶狭間以来度重なる戦乱で男手が不足し、耕すことすらできないのでした。

それでも年貢をおさねめばならず、「銭主」から借金をする羽目に。そうなると年貢、銭主への二重支払いをしなければならず、村や土地を捨てて「逃散」する民も出ているのだとか。
その「銭主」とは何者かと瀬戸方久というのだとか。
民はどうか「徳政令=借金取り消し令」を出して欲しいと直虎に頼みこむのでした。



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「逃散」&「徳政令」と、日本史の教科書のように中身が詰まっています。
今年の大河は勉強になりますよ。ただ用語を暗記するのではなく、この「頭を地面につけて謝る民」の姿と、苦悩する領主とセットで覚えると勉強もはかどります。
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