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おんな城主直虎レビュー

『おんな城主 直虎』感想レビュー第16回「綿毛の案」 人身売買や金儲けに瞳キラキラ

更新日:

こんばんは、武者震之助です。
視聴率が若干回復し、雑な批判記事も減ってきて、よい兆候です。『真田丸』パターンに乗って欲しいところです。

ドラマ館も無事入場者20万人を突破したとのことで、更にはNHKへ届く好評意見も増えているようです。
本作を応援されたい皆様、コチラからご投稿できます。

 

銭の話となると楽しそうに笑顔を浮かべ

今週はわりと直球、『赤毛のアン』パロディタイトルです。

先週、寿桂尼に「民を潤す」と誓った井伊直虎。まずは銭の力で潤す、というわけで瀬戸方久の提案を聞くことに。方久は「綿花栽培をしてみたらどうか、ということ。これからヒットするであろう商品作物の栽培に、直虎も顔を輝かせます。

「まことにそなたは銭の犬じゃあ!」

銭の話となると、うれしそうに目をキラキラさせるヒロインって斬新。今週は井伊の金融道、内政のターンです。

早速直虎は甚兵衛に綿花栽培を提案するのですが、肝心の人手が足りません。人手も足りないし、商品作物はどうしても、食料となる作物と比べると優先順位が下がりますからね。ある程度食べていける余裕がないと、育てようにもなかなか難しいわけです。
先週出てきた「三年荒野」(耕した土地を所有でき、三年間年貢を免除する制度)も、人手不足でうまくはいっていないようです。

ここで、「これが戦なら人手を他から借りるのだが」とつぶやく中野直之。ならそれをやってみようと直虎は鈴木重時に頼みに行きます。

しかし案の定断られてしまいます。まあ、それはそうですよね。民は貴重な労働力なんですから。

 

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政次は断固アウト! 頑固な直虎にちょっとイライラ

そこで奥山六左衛門は直虎に、小野政次に助けを借りたらどうかと提案します。しかし直虎は頑固に突っぱねます。

この口をへの字に曲げた直虎の拒絶に「なんでそんなに頑固なの!?」と思う人も多いことでしょう。まあ、政次は井伊直親が亡くなった直後に「井伊は滅びるべくして滅びるのだ」と直虎に対して喧嘩を売る発言をしていますから(第12回)、心情的にわからなくもありません。

あっさりと直虎が政次を頼っても、彼の本心を直虎が知らないからには整合性がとれないと思います。そうは言ってもイライラしますが。

小野政次は虎松の生母であるしのに、「一筆をいただいたのに直虎を後見から堕ろせなかこと(先週)」を詫びに行きます。「これからもあの女(直虎)がのさばるのですか」と、政次の不甲斐なさにネチネチと嫌味を言うしの。その態度に政次は「そんな態った度だと誰も味方しませんよ」とチクリと釘を刺します。

しのに関しては毎週イライラしている人が多いとは思いますが、ちょっと弁護をさせてください。
生母でありながら我が子・虎松の後見をできないしのは、直虎に自分の権利を踏んづけられているような状況です。家中で政治力も思うように発揮できず、味方になるのは正当防衛とはいえ父を殺した小野政次のみ。頑なになってしまうのも、やむをえない部分はあるでしょう。

政次が自邸に戻ると、義理の妹であり、しのの妹であるなつが、亥之助を連れて戻っていました。好意に困惑しつつも、なつを何とか翻意させようとする政次。なつは芯の強さと優しさを見せて、小野家に留まりたいと告げるのでした。こうなると政次は断り切れません。そんななつの背を見送りながら「似ておらぬ姉妹じゃの」と呟く政次でした。

 

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政次の予想通り、近藤・菅沼にも断られ

直虎は酒を差し入れしつつ、綿花栽培に励む甚兵衛たちを見て回ります。直虎の留守中に、政次は中野直之に殿はどこに行ったのかと尋ねます。直之は「奥山殿と物見遊山だ」とはぐらまします。政次は怪しんでいる様子です。

政次は腹心の禰宜(第14回登場)に、井伊谷の噂話を聞き出します。

忍びではなく、禰宜が諜報を担っているのが面白いところです。綿花栽培、三年荒野、そして人手不足について聞く政次。政次は直虎のことだから懲りずに人を貸すよう頼むはずだろうと先を読みます。

政次の予想通り、直虎は井伊三人衆の残り二人である近藤・菅沼にも頼みますが、断られてしまいます。落ち込む直虎に、直之はここでついに「百姓は利益のもとなんだから貸すわけないでしょ!」と突っ込み。直虎は「もっと早く言ってよ!」と言い返します。直虎が賢いのか、そうではないのかわからなくなって来ます。

直虎という人物は、とっさの機転も利くし、アウトプットした情報を生かすことはできます。ただ、長いこと僧であったために世間知らずで、経験や知識が不足した分野ではヤル気が先行して空回りするタイプなのでしょう。経歴や性格が生きている行動パターンです。

ここで六左衛門は「政次に頼ってみればどうですか、相手も井伊家を豊かにしてから乗っ取りたいでしょうし」と再度提案。それでも直虎は「絶対に嫌じゃ!!」と全否定します。

 

人身売買も金儲けも大好きなヒロイン 斬新すぎる

悪いことは重なるもので、綿花の芽が出ないという甚兵衛からの知らせが、方久経由で届きます。

直虎は綿花の種を持ち歩き、領内を回って栽培を促したいと言い出します。基本的に発想は悪くないと思うんです。領主が領内を見て回るということは、領民にとってありがたいことではあります。しかしこの現状では、食うだけで精一杯の民は断るしかありません。

直虎と直之は休憩を取ります。疲れていても急ぎたがる直虎を止めるため、自分が休みたいのだと言う直之。ブレーキがないような主君のためにブレーキ役になるというさりげない気遣い、結構気が利きます。ここで直虎は、直之のために水を汲みに向かいます。直之は「疲れる」とボソリ。何が何でも主君を守り抜きたい、責任感の強い彼にとって緊張の連続なのでしょう。

直虎が向かった湧き水には先客がいました。

真っ赤な褌一丁で、歌いながら水浴びをする見るからに怪しい男。水もしたたる今週のセクシーシーンです。奇声をあげて変なポーズを取り、リアクションを期待する不審者に対して、クールなスルースキルを発揮する直虎。動じないで会話を続ける直虎は、旅をしているという男に「人が余っている村はないか?」と聞きます。

この状況でどう見ても不審な男に対してこの態度。直虎は大物です。男はそこでこう答えます。

「人など買えばいいじゃないですか。たまに売っていたりしますよ」
「何と言うことを! 人を売り買いするなどとんでもないことじゃ!」
……とはなりません。直虎は「人身売買」という新たな可能性に目を輝かせ、「その手があったか!」と大喜び。水を汲みに来たのに水筒を男に渡したまま、直之の元に戻るのでした。

一方、綿花は気候が温暖になってきたからか、無事芽が出てきました。
畑を見て「銭の香りがしてきましたなあ!」と言う、方久に「かぐわしいのぉ~」と喜ぶ直虎。あとは人手を増やすだけです。

人身売買も金儲けも大好きな直虎。優等生らしさがない、斬新なヒロインだと思います。

 

雑巾で顔をぬぐい、さらに額に乗せつつ、冷酷に

直虎が浮かれている頃。留守を守り、拭き掃除をしている六左衛門のもとに、小野政次がやって来ます。

ここで近づいてくる時、首をかしげているポーズがなんだか面白い政次。直虎は中野直之と物見遊山をしていると聞いた政次は、即座に六左衛門の嘘を見破ります。

「目付というのは、物見遊山が多いと駿府に伝えるのが役目。そして物見遊山をしてばかりいると伝えれば内通ではないかと疑うものも多くてなあ」

雑巾で六左衛門の顔をぬぐい、さらに額に乗せつつ、冷酷に迫る政次。六左衛門はもう黙り続けられないようです。第12回で今川氏真が新野左馬助の鼻の穴に菓子を突っ込んだ時以来の衝撃的なシーンでした。小道具の使い方で相手を侮辱していることがわかる、なかなか気の利いた仕草です。

人を買うことに方久に相談した直虎。方久は人買いを経由せず、戦場から直接買うのがいいとアドバイス。早速戦場に行きたがる直虎ですが、まずは方久の茶屋で情報収集することにします。

ええっと、この場面、あまりにサクサクと「みんな常識だよね!」みたいに話が進んでいるけどいいんですか。

ここで話している「合戦で人を売り買いする」というのは「乱妨取り・乱取り」のことです。要するに戦に巻き込まれ、逃げ惑う民を捕縛あるいは誘拐し、人身売買するということですね。

そのことを直虎はどの程度理解しているのか、ちょっとわかりません。

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中世人としてそんなもの当然と思っているのか。僧でもあり世間知らずで、あまりイメージできていないのかどちらなのか。いずれにせよ人の命を金銭でやりとりすることにまったく疑問を呈していないわけです。ハードな世界観! やっぱり今年は「マッドマックス大河」というくくりでも合っているんじゃないかと再確認しましたね。

 

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