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真田丸レビュー

『真田丸』感想レビュー第46回「砲弾」 視聴者に浴びせかける主人公の虚しさ そのアクがすごい!

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こんばんは。最終盤でも本作は話題になっています。
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もうすぐ来年の大河が始まることも逆手にとって、こんな話題性もアピールできるわけです。

そして恒例の、大河関連の史料発見です。
◆後藤又兵衛討ち死に報告 豊臣秀頼に、書き付け発見 | 2016/11/17 - 共同通信 47NEWS

真田丸後藤又兵衛

そしてまずは先週に関してちょっと書かせてください。公式サイトには、こんなコーナーもあるわけですが。
「大坂の陣」こぼれ話
やっぱりな、と思いました。
実際の通りに作ったら危険ですし、役者さんやエキストラさんに怪我などさせたら、もってのほかです。
ただし、そういう安全性の配慮は見ていてわかるんですよね。咄嗟にかばって転んでいるなとか、この落ち方では死なないな、とか。そういう手加減はわかってしまいます。
先週の迫力不足は、兵士の「ワラワラ感」のなさも大きな要員ですが、「この程度では死なない」というのがわかってしまうのもあるかと思います。

この解決手段はやはりCGで人馬を作ってしまうことでしょう。
「うわっ、これは死人が出ているぞ!」と思ってしまうくらい生々しく危険な動きでも、CGならば安全ですからね。ついでに書いてしまうと、エキストラはじめあまりに綺麗すぎた、というのもマイナスかもしれません。
あれだけ戦っても皆ピカピカで返り血もなければ、土埃で汚れてもいないのです。無双系のゲームのようですが、そんなところを似せなくてもよかったんですけどねえ。

人の生死が交錯する戦場があまりに綺麗で軽々しい描かれ方をするのはどうかな、と思います。このへんの汚し方、戦場の生々しさという点では、『八重の桜』以下です。あれは生々しすぎたのか、クレームも多かったそうですが。なかなかさじ加減が難しいところです。

 

真田丸の活躍により幸村への信頼感の上がる大坂城内

さて、愚痴はさておき今週です。

真田丸で味方が散々苦戦した徳川家康は、次の手を使うことにしました。頼みの綱であるイギリス製の大砲がすぐには届かないと知った家康は、大軍勢にかわるがわる鬨の声をあげさせる騒音作戦を提案します。
真田丸徳川家康
これがただの騒音ではなく、三十万人が三交代で怒鳴るわけです。ちょっと想像もつかない数です。味方まで睡眠不足になりそうですけれども。自分の家の前で誰かが夜通し騒いでいることを想像すると、かなりストレスを感じると思います。

一方で大坂城の幸村は、豊臣秀頼に今後の策を語ります。堅固な城に籠もり、相手の兵糧が尽き、寝返る者が出る者を待つという持久戦です。秀頼はこの策に納得し、父の城を守り、父の築いた安寧の世を守り、そして父を超えたい、そのために幸村に側に居て欲しいと言います。この秀頼の言葉を叔母である秀忠の妻である江が聞いたら一笑に付すことでしょう。江は「世はもはや徳川のもの、大坂の者たちはそれがわかっておらぬのです」と断言していましたからね(第四十二回)。江の理屈に従えば、安寧の世を守るどころか乱しているのは、時代の趨勢が読めないお前だろう、と言うところでしょう。

さらに素直な秀頼は、直すべき点があれば教えて欲しいと聞くのでした。幸村は、大坂城の主として、自ら持つ発言力を意識して欲しいと助言します。最終決定権は、あくまで茶々ではなく秀頼にあるわけです。秀頼は大きく頷きます。
真田丸豊臣秀頼

 

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心を閉ざした姉は誰にも本心を語らない

徳川勢の鬨の声を聞き、大坂城内は動揺しています。

侍女たちも怯えますが、ここで余裕を見せるのがいつの間にか修羅場を幾多もくぐりぬけ、すっかり古参兵のようなきりです。ピンチでも空気を読まずにうろちょろしていた彼女も、今ではすっかり大物です。まあ、若い頃からふてぶてしさと度胸はあった気がしますけれども。

大坂方はやがて、相手が挑発しているだけで攻めては来ないと悟ります。
塙団右衛門直之は野良犬の真似をして「尻尾を丸めた野良犬どもめ!」と言い、皆の笑いを誘います。この野良犬の真似が妙にうまいのです。

幸村は茶々とも話しますが、彼女はまったく戦に興味がない様子。茶々の居室から去り際、幸村は茶々の妹である初(常高院)から呼び止められます。彼女は茶々の抱えた「心の闇」を語るのでした。二度の落城、父母、兄、義父の死を目にしてきた彼女は、どこかこの城とともに焼け落ちることを望んでいる、姉を救って欲しいと。戸惑う幸村に、姉は本心を語る人ではないとほのめかします。
真田丸初
秀吉が茶々を側室にした回(第十九回)は、ラストが暗い演出でした。
今しみじみ思うのは、秀吉は茶々を側室にすべきではなかった、ということです。
茶々が悪いわけではないのでしょうが、その心に巣くう闇は豊臣を暗い運命へと導くことでしょう。これもまた運命の分かれ道です。浅井三姉妹でもっとも影が薄いと言われがちでもある初ですが、姉よりずっと幸運でした。天下人よりそこそこの大名夫人になるほうが人間としては幸せな人生を送れたわけです。秀吉は茶々を日本一幸せなおなごにすると口説いていましたが、それは結局無理だったわけです。

 

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生きていたーッ! 怪我は完治しておらずとも昌幸への忠義は失わず

一方、江戸の真田屋敷では、真田信之と平野長泰が大坂へ食料を密輸する手はずを整えています。
七本槍として、せめて豊臣に尽くしたいと語る長泰。柄にもないけどよ、と泣き落としにかかります。彼が一番身軽でこんな危険極まりないことができるのは、おそらく最も出世コースから外れたからだと。大名になっていたらそうそう危険なことはできないはずです。妻のこうから道中で食べる干飯を渡され、信之もいよいよ出立します。その前に稲が立ちふさがります。苦悩する稲ですが、奥の手がありました。

コツコツと杖を突く音を響かせ、出浦昌相が出てきました。真田家の家老です。
「大坂に行ってはなりませぬ!」
生きていたーッ! 生きていたのは知っていたけど、史実ではあるけど、やはりこうして見ると灌漑深いぞ、出浦さん! 家老なのにその赤と黒のあやしい服はどうかと思うぞ出浦さん! やったぞ出浦さん!
真田丸出浦昌相霜月けい
昌相は家康暗殺未遂事件(第三十一回)で負った怪我は完治していません。後遺症に苦しみつつも昌相は信之を止めます。かつての彼ならばむしろノリノリでどうすれば家康の首を取れるか提案しそうなところですが、彼が危険な賭けをしてもよい相手は、真田昌幸ただ一人ということでしょう。昌相に忠義は昌幸に捧げられています。彼は信之の危険な賭けや思いはどうでもいいのです。今、念頭にあるのは、昌幸が残した真田の家なのですから。詫びて立ち去ろうとする信之に、昌相は何かを投げつけます。

このあと信之は足止めされたららしく長泰だけが旅立ちます。信之は鳥もちをかぶって「なんだこれは!」と苦しんでいます。粘着テープ式ネズミ取りに引っかかった猫のような惨状です。どこまでも不憫なお兄ちゃんです。
真田丸真田信之

 

春は息子・大助の武勇にヒステリックな反応

大坂城では、真田家の面々が大助初陣の武勇を褒めて浮かれています。

しかしただ一人春は、この先が長い大助に危険はことをさせるな、嬉しくない、そういう危険なことは老い先短い奴にやらせろ、と激昂します。なかなかきついことを言う春ではありますが、息子の将来に思いを馳せる彼女が、その息子が死へと向かうときにどんな反応をするか、今から不安になってきます。

「つまりわしがやれってことか?」
春の言葉に内記はそう突っ込み大笑いします。
真田丸真田大助
真田丸高梨内記
鬨の声が毎晩響く中、堀田作兵衛は城内で畑すら作っています。長期戦を覚悟しているわけです。夏になれば青物がたっぷりできると見通しを語りますが、これもまた伏線でしょうか。

真田丸作兵衛

一方で挑発されっぱなしでおそらく睡眠不足であろう牢人たちはストレスをためていました。攻め手の徳川秀忠も、遅々として進まない戦況に苛立ち、攻めてはどうかと遅々に進言しています。しかし家康は焦っていません。彼はありとあらゆる手を使うつもりです。この家康の、焦らず余裕綽々の様子がまさにラスボスです。憎たらしいと同時に、これは倒せないと思わせます。

 

幸村調略のため真田信尹が城内へ 祖母の葬儀以来の再会果たすも

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まず第一手は真田信尹(のぶただ)です。
しばらく徳川から遠ざかっていた彼はわざわざ呼び出され、甥である幸村を調略するよう依頼されるのでした。
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