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その日、歴史が動いた ドイツ

どんだけビール好きなんだ!ドイツ人の情熱を表す法律「ビール純粋令」制定

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日本ではお酒そのものよりも、お酒を飲んだ後の行動を取り締まる法律が多くありますよね。
が、酒=アルコール=危険物の仲間ということで、製造過程に関して定められた法律もあります。
案外一般人がってしまいがちなのが、果実酒を漬けるときです。何と「アルコール20度以下の酒で漬ける」と、法律上は密造酒となってしまうのです(!)
20度以下のお酒に何かを混ぜると発酵してしまうため、「新たな酒を醸造した」とみなされるからです。
かつて某公共放送でもやらかしてしまったことがあるくらい知名度の低い条項ですが、違反は違反ですので、梅酒などを自分で仕込むという方はお気をつけください。

 

16世紀のヨーロッパでビールの法律が やっぱりドイツだった

日本の場合このように社会的というか堅苦しいというか、いかにもお役所的な理由でお酒に関する法律が定められていますが、外国にはまた違う理由で作られたものもあります。
1516年(日本では永正三年)の4月23日に制定された、ビール純粋令という法律です。
ビールといえばドイツ、ドイツといえばビールと連想される通りドイツの法律です……といいたいところですが、この時点ではまだ統一されていないのでそうともいいきれません。
ちなみにこの時点でまだドイツ統一されてません。というか、神聖ローマ帝国が傾く一方だった時代です。「ビール取り締まってる場合か?」と言いたくなりますが、一応ちゃんとした経緯や目的はあります。

制定されたのは、今も南ドイツの州として地名を残す”バイエルン王国”というところでした。毎年ビールの祭典・オクトーバーフェストをやっているところですね。
サッカーがお好きな方にとってはバイエルン・ミュンヘン、旅行好きの方にとってはロマンチック街道やノイシュヴァンシュタイン城が思いつくでしょうか。世界に名だたる自動車メーカー・BMWとアウディの本拠地としても有名ですので、ドイツの地名のなかでは聞き覚えがある人が多いでしょう。

 

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バイエルンてこ入れのためにビール投入 サッカーの話じゃないよ

バイエルンの歴史から話すとまた本題から逸れてしまうので割愛しますが、ここは10世紀に「バイエルン」という国ができてから、19世紀までずっと名前・国体・王制を保ち続けた、ドイツの中でもカッコとした地盤を持った地域でした。
しかし、経済的には北ドイツに追いつけない面も多く、そのテコ入れの一環としてビール純粋令が布かれたのです。よし繋がった。

当時ドイツのビールは、今よりももっとバリエーションが豊かでした。いい意味でも悪い意味でも。
現代でもベルギーなどではフルーツや香草を使ったビールが盛んに作られていますが、この法律が作られるまではドイツでも製造していました。しかし、全ての業者で質を安定させることは難しく、また不届きなヤツはどこにでもいるもので「味ごまかすために(ピー)とか(ズキューン)とか入れちまおうぜ。誰もわかんねえよゲッヘッヘ」なんてことを本当にやっていた悪質な業者もいました。ぶっちゃけた話、明らかに飲食物じゃないモノも入れていたそうです。
ワインの香りや味わいを表すとき「鉄釘のような」なんて表現をすることがありますが、多分この時代のドイツの業者だったらホントに釘を入れていたでしょう。そのくらいサイテーなヤツがいたのです。

で、「これはいかん」と考えたのが当時のバイエルン王・ヴィルヘルム4世です。またこの名前ですが、先日ご紹介したビスマルクの陰に隠れてしまっている人(過去記事:もみ上げはビスマルクよりもヤバイ・・・ ドイツ統一のヴィルへルム一世ご生誕【その日、歴史が動いた】)とは直接の関係はありません。数字逆行してるし。

法律の内容は大きく分けて二点。
一つは、「ビールの原料は麦芽、水、ホップに限る」こと。後に酵母も認められ4種類になります。
ホップというのは松ぼっくりのような形の花をつける植物で、ビールの苦味の元でもある重要な材料です。よくCMで「ホップの苦味がなんちゃら」と言っているアレですね。

 

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パンよりビールが大事ってどんだけ

もう一つは、「小麦をビールに使ってもいいのは王室の醸造所と修道院に限る」というもの。
小麦といえば当然パンの原料ですが、あっちこっちで小麦をビールに使われてしまうとパンを作るための小麦が足りなくなってしまいがちだから、という理由でした。この時代から既に「ビール>>>>(越えられない壁)>>>>パン」という認識だったんですね。日本史上の酒好きでもここまでの人はいないような気がします。ドイツ人パネェ。
現在小麦を使用したビールはドイツ語で”ヴァイツェン”というのですけれども(厳密にはもっといろいろ決まってますが割愛)、このとき許可を得たのが宮廷と修道院のみということで、「貴族のビール」とも呼ばれたそうです。
実際、ヴァイツェンを始めとした小麦使用のビールは、麦芽(大麦の芽)のみ使用のものと比べて味が穏やかで上品です。「ビールは苦いからイヤ」という方は一度飲んでみてはいかがでしょうか。

そしてこの二点を定めたことにより、バイエルン王国内のビールの質は飛躍的に向上します。多分しょっ引かれた人が大量にいたのでしょうけども、残念ながらそこに関する記録は見つけられませんでしたスイマセン。
それまでは質の良いビールを北ドイツ諸国から輸入していたのですが、その必要もなくなり王室のお財布も安定することになりました。めでたいですね。
あっちこっちの王家が財政難でパンクしがちだった近代において、バイエルンがずっと独自の王国を保てた理由の一つかもしれません。

 

今もドイツのビールにはこの規制が生きている

この路線はドイツ統一以降も保たれており、むしろバイエルンが起爆剤になってドイツ全土に広まりました。
EC(EUの前身)発足の際「ンなもん守ってたらウチのビール輸出できねえだろ!却下だ却下!!」とイチャモンをつけられたりしましたが、ドイツ側が「じゃあ輸入品に関しては守らなくてもいいよ。でもウチで作るビールは純粋令守らせるからよろしく★」と譲歩したため、ドイツ産ビールは今もこの方針を守っています。
今は法律上砂糖もOKになったそうなのですが、本家本元のバイエルン州ではやはり麦芽・水・ホップ・酵母だけでビールを作っているとか。
近年発泡性とかいろいろやり始めた日本酒の蔵元さんたちとは真逆の方向で面白いですね。どっちにも良さはありますので、優劣がどうこうという話ではないですし。

……で、ホントはビールの歴史も書こうと思っていたんですが、ここまででかなり長くなってしまったので、現在世界にどんなビールがあるかという点だけざっくりお話して終わりにしますね。
上記の通り小麦を使ったビールは基本的に苦味が穏やかだったりしますので、必ずしもビール=苦いお酒というわけではありません。
炭酸を強く感じるもの、泡を楽しむもの、ハーブや香辛料などでフレーバーを楽しむものなどいろいろあります。
これは私見ですが、カクテルをいろいろ飲まれる方なら、ご自分の味覚に合ったビールを探すのも面白いのではないかと。日本のビールはどちらかというと苦味や泡を重視していますが、ドイツビールをはじめ、海外のビールには全く違う方向性のものも多いですよ。
酒屋さんやスーパーのお酒コーナーでちょっと変わったビールを見かけたら、一度お試しになることをオススメします。

個人的にイチオシな銘柄もありますけれど、もはや何のコーナーだかわからなくなりそうなのでやめておきましょう。いつものことながら広告料は(ry
もし需要があれば、また何か歴史的なことと絡めてお話したいとは思いますが、どうですかね?

長月七紀・記

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参考:ビール純粋令/wikipedia

 




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