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その日、歴史が動いた 江戸時代

間宮林蔵が樺太で海峡を発見す

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出世や名声を得るチャンスは、いつどこに転がっているかわかりません。
が、目を皿のようにして探していればキャッチできるかというとそういうわけでもなく、むしろ棚からぼた餅的にあっさり掴んでしまうことも多かったりします。
身分制のやかましいイメージが強い江戸時代にも、そんな風にして歴史に名を残した人がいました。

文化六年(1809年)のあす5月17日、樺太で海峡を発見したとされている間宮林蔵です。

実際には発見したのは別の幕臣で、林蔵の名前を伝え聞いたシーボルトが海峡の一部に「間宮」と名付けたそうなので微妙に違うんですが……まあそれはそれとして、実はこの人、類稀な強運の持ち主だったりします。

間宮林蔵

伊能忠敬に代わり西蝦夷の測量をこなす

元々林蔵は武士の出身ではありません。常陸国(現・茨城県)の農民の出です。
ではどうして樺太調査というお上の仕事ができたのかというと、地元の治水工事に参加したときに手際を認められて「お前筋がいいから、お役所の仕事してみないか?」と誘われたのがきっかけでした。この時点ですげえ棚ボタです。

その後中年の星・伊能忠敬から測量技術を学び、師匠が健康を害したときには代わりに西蝦夷(現在の北海道西部)の測量をこなしました。
弟子入りしたのが19歳、代理をしたのがその4年後ですから、元が農民であることを考えるとかなりの出世スピードといえますね。

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こっそり樺太から中国大陸へ!?

また、興味のあることには全力投球する人だったようで、本来の仕事以外のことも積極的に取り組んでいたようです。
”アイヌ語をマスターして現地の人と話せるようになった”とか、”蝦夷地にアイヌ語が通じない独自の民族がいることを記録した”とか、お役目の片手間にしては結構な偉業を成し遂げています。

また、この鎖国真っ最中の時代にこっそり樺太から中国大陸に渡ったこともあるそうで、よく物理的に首が飛ばなかったものです。

後世に残された絵だと、いかにも純朴そうな赤ら顔の人なんですが度胸パネェ。※編集部的にはゲル総裁(自民党の石破茂)と認定しております

ちなみにどうしてお咎めを受けなかったのかというと、林蔵は隠密として海沿いの地域で起こったアレコレについて報告していたかららしいですね。
特にロシアとはまだプチャーチン(過去記事:英米よりずっと紳士でプーチン以上の親日家プチャーチンを知っているか?!【その日、歴史が動いた】)が来る前=正式に国交を結ぶ前のことなので、近くをウロチョロされる度に小さないさかいが起きていました。

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「ホームレスの変装は大変だったなあ」

また、幕府の目を掻い潜って密貿易をやっていた浜田藩(現・島根県浜田市周辺)に忍び込み、調査・報告をするなど「アンタはどこのCIAだ」とツッコミたくなるような仕事もしていたそうです。

このためか変装も得意としており、上記のアイヌ語を活かしてアイヌ人になりきったり、ホームレスに化けてアヤシイ地域の周辺を調べたことがあるとか。
後年「ホームレスの変装は大変だったなあ。だって財布隠すところがないんだもん」(意訳)と述懐していたらしいですが、困るところもっと他にもあるやろ。

この働きは地元の殿様・徳川斉昭にも知られていたようで、ちょくちょく出入りしていたそうです。
プチャーチンと交渉に当たった川路聖謨や、水戸学(黄門様が編纂させた”大日本史”から始まる、「日本独自の歴史を大事にしようね!」という学問)の大家・藤田東湖とも知己だったそうで、元農民としてはこれもスゴイ話です。
身分こそ高くないものの、ツキがツキを呼んだとでもいえましょうか。

さすがに忍者説は流れておりませんが

ただし流石に寄る年波には運も味方しなかったようで、晩年は隠密としての仕事はできないほど体が弱っていたようです。そりゃ樺太やら島根やら明らかに気候の違うところに移動しまくってたら、体にキますよねえ。
とはいえ恨みを買って何たらという目には遭っていないので、職業の割にはかなり穏やかな最期だったのではないでしょうか。

林蔵の子孫に当たる方は今でも続いており、その方々が保存してきた遺品などが茨城県つくばみらい市の間宮林蔵記念館で展示されているそうですよ。

”隠密”にしてはいろいろわかっているというのも不思議なものですが、案外名の知れた人物がこうした仕事を兼ねていたというのは珍しくないのかもしれませんね。

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だからといって、松尾芭蕉=忍者説(過去記事:目的は伊達藩などの監視!? 忍者説まで流される松尾芭蕉 【その日、歴史が動いた】)はどうよと思いますけども。
長月 七紀・記
参考:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%93%E5%AE%AE%E6%9E%97%E8%94%B5

 




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