鳥居元忠の忠義ここに極まれり!? 関が原の戦い前哨戦「伏見城の戦い」

 

夏は関が原のお話をする季節。
え? 本番は(旧暦)9月だろって? いやそれもそうなんですけど、“前哨戦”はその前からいくつかやっていたのです。
慶長五年(1600年)の8月1日に、伏見城が落城したのもその一つでした。

【TOP画像】鳥居元忠/Wikipediaより引用

 

KYな秀才三成さんご隠居

当時の状況をざっくり見てみましょう。

朝鮮の役・それ以前のアレコレで福島正則他から恨みを買いまくっていた石田三成ですが、自ら火に油を注ぐような言動をしていたため、ますます関係がこじれていました。

それでも秀吉や前田利家存命中は何とか火種がくすぶる程度で済んでいたのですけれども、二人が亡くなると一気に着火。三成の屋敷を福島正則などが襲撃するという事件が起きました。

三成はこれを家康のもとに逃げ込むというウルトラCで乗り切る(後世の創作という説もあります)のですが、これを口実に家康が「石田殿はちょっと引っ込んでいたほうがよかろう^^」(超訳)といって、三成を居城・佐和山(現・滋賀県彦根市)へ半ば隠居させてしまいます。

同時に家康は、武装などの面で物騒な動きをしていた上杉家へもケンカを売ります。

そこへ同家の重臣・直江兼続から「武家が武装を整えるのは当然ですし、その他も領民の至便を思ってやっていることですので、ウチの殿様はちっとも悪くありません^^ アタマおかしいのはそっちじゃないですかpgr」というナメくさった手紙(いわゆる”直江状”)を受け取り、家康はブチ切れたふりをして「上杉ブッコロ!」を唱えながら、上杉家の領地・会津へ向かいました。

が、近畿をまるっと留守にするわけにはいかなかったので、秀吉が隠居所にしていた伏見城へ信頼できる家臣を入れています。ここを三成方(西軍)が攻めたのが伏見城の戦いです。

伏見城模擬天守/Wikipediaより引用

 

「2000VS4万」の絶望的な籠城戦

伏見城の守りは、家康腹心の鳥居元忠以下2000足らず。対して西軍は、宇喜多秀家・小早川秀秋などが率いる約4万。最早「○倍」と計算するのさえ無意味なほどの差です。

「関が原の戦いは、家康が三成を手玉にとって起こさせた戦」という見方もありますが、その根拠の一つがこの伏見城の兵数です。目と鼻の先にこんな重要な位置かつ小勢の城があれば、三成でなくても「狸を出し抜くにはちょうど良い」と考えるでしょう。
残念ながらそれも家康の予測通りだったわけですが。

元忠は少年の頃から家康に仕えてきただけあり、この考えを読んでいたようで「ワシは一人で充分ですから、殿は一人でも多く東北へお連れください。つけていただいたあの将やこの将も不要です」(意訳)とまで言っていたとか。

さすがにこの家康も大切な部下をできれば死なせたくはなかったので、これは断っています。さらに、偶然京都周辺にいた島津義弘に「伏見城に入って鳥居を助けてもらえないかね」と援軍を頼みましたが、これは城側に伝わっておらず門前払いされてしまいます。
これで機嫌を損ねた義弘は西軍方についてしまうわ、伏見城は落ちるわでまさに誰得。だからほうれんそうはしっかりしろと。

山城国伏見城諸国古城之図/浅野文庫所蔵(Wikipediaより)

山城国伏見城諸国古城之図/浅野文庫所蔵(Wikipediaより)

時間稼ぎこそが殊勲

しかし小勢かつ戦闘向きではない伏見城を、元忠と城兵は10日以上も守ってみせました。
元が「隠居所」として作ったものですし、伏見という立地を考えれば、そもそも戦をするには圧倒的に不利。それでもこの兵数差に対しこれだけ粘れたのは、ひとえに”忠義”の成せる業だったのでしょう。

西軍へ人質を取られた城兵が裏切ったため、最終的に元忠は切腹するのですが、もしこれがなければ家康が戻ってくるギリギリまで耐え抜くことすらありえそうな気迫です。

西軍としてもこのタイムロスは手痛く、しかも次に攻めたのが戦国のチートこと細川幽斎の守っていた田辺城。こちらは前哨戦どころか関が原本戦の一週間前まで続き、結果として本戦における西軍の手勢を大幅に減らしてしまいます。

「東軍側の根性ぱねえ」と見るべきか、「西軍の戦略お粗末過ぎじゃね?」と見るべきか……(´・ω・`)
西軍も他の城はスムーズに落としているのですが、伏見城と田辺城については「試合に勝って勝負に負けた」状態ですよね。
こうしてモタモタgdgdしながら進む西軍の動向を見計らいつつ、家康は江戸で出陣のタイミングを図っていたのでした。

長月 七紀・記

参考:伏見城の戦い/Wikipedia

 


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