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オルゴール(Wikipediaより)

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その日、歴史が動いた

11月10日は「いいおと」だからオルゴールの日

更新日:

11月10日はオルゴールの日だそうです。
「いいおと」の語呂あわせらしいのですが、よく思いついたなこんなん。
先日那須のオルゴール美術館に行ってみたところ、なかなか面白い経過を辿っている機械だということがわかりまして、個人的に興味深かったので、本日はオルゴールの歴史についてお話しましょう。

どこをオルゴールの起源とするかはいろいろ意見が分かれるようですが、古いものだと”カリヨン”と呼ばれる教会の鐘であるという説があります。昔は教会の鐘が時報でしたが、これを機械で自動的に鳴らすことで労力その他を省こうとしたんですね。
これがだいたい13世紀頃のことで、14世紀になると機械式の時計が生み出されました。
同時期の大きな事件としては、英仏間の百年戦争やスペインのレコンキスタ、モンゴル帝国大暴れなどがあります。日本でいえば鎌倉時代から南北朝時代あたりです。
こうしてみると、よくこんな激動の時代に複雑な機械を作っていたものですね。いつの時代も職人さん達の根性ぱねえ。

オルゴール(Wikipediaより)

櫛歯が決め手のオルゴール(Wikipediaより)

そしていつしか、時報替わりにちょっとしたメロディを鳴らすような機構が考え出されました。しかしこの時点ではさほど長い旋律を奏でることはできなかったようで、まだまだオルゴールとは遠い存在。
もう少し長いメロディを演奏できるようになったのは、”櫛歯”と呼ばれる長短さまざまなギザギザのついた金属の板が考えられてからでした。これで金属を弾くことによって高音や低音を出し、音楽を再現することに成功したのです。

最初に考えられたオルゴールは”シリンダー式”といって、金属の筒の表面に突起を付け、ねじで回転させることによって櫛刃が突起を弾き、演奏するというものでした。
多分「オルゴールの中身」といわれたら真っ先にイメージする形だと思います。各地の美術館などで手作りオルゴール教室なんかもやっていますしね。

シリンダー型のオルゴール(Wikipediaより)

このシリンダー式がやがて大型化し、一台で何曲も演奏できたり、シリンダーの交換を前提として総計何百曲も演奏できるものが生まれたりと進化していきます。

当時音楽を聞こうとすれば、生演奏できる人に弾いたり吹いたり叩いたりしてもらう他ありませんでした。
しかし、それにはお金はもちろん、演奏家のスケジュールや会場を用意しなくてはいけませんし、いろいろ大変だったのです。
ですが、オルゴールであればねじを巻くだけで音楽を楽しむことができます。そういうわけで、富裕層の間でオルゴールは一種のステータスシンボルとして普及していきます。

また、円柱を回転させるにはそれなりのスペースが必要ですし、交換式ともなれば収納部分も必要です。また、円柱に突起をつけるというのはかなり熟練を要する作業のため、量産が難しく価格が跳ね上がっていきました。それを嫌った人々により、「もっと違うオルゴールは作れないか? ついでに曲数も増やしたいし」ということが検討され始めます。

ディスク型(Wikipediaより)

そして次に生まれたのが”ディスク式”です。
これはシリンダーをそのまま円盤状にしたようなもので、やはりねじによって突起の付いた金属の円盤が回転し、櫛刃がそこを弾くことによって演奏するという作りになっています。
この辺からサイズの大小が両極端になっていったようです。大ざっぱに分けて、一枚だけ円盤がついている小型タイプと、何枚か円盤を交換してやはり数百曲を演奏できる大型タイプがあります。
小さいとタワー型デスクトップPCの本体くらい、大きいともはやオルゴールというよりキャビネットのようなサイズです。柱時計に組み込まれたタイプもありました。

円盤はとても薄いため、取り扱いには細心の注意が必要だったと思われます。現物を見ましたが、ホントにぺらっぺらというか手で折り曲げられそうなくらい薄いのです。
多分うっかり折っちゃって、莫大な借金を背負った人とかいたんでしょうね。

ディスク式が考えられた時点で演奏曲数は飛躍的に増えていましたが、さらに「もっといろんな音を組み入れたい! そうだ、楽器を一緒に入れちゃおう!」と考えた人がいたらしく、”オーケストリオン”というタイプが生み出されます。

オーケストリオン(Wikipediaより)

構造としては特大のシリンダー式オルゴールと、実際にオーケストラで使う楽器のミニチュア版を同じ器に収め、やはりねじを巻くことによって演奏させるというものです。当然のことながらサイズも特大で、ディスク式よりさらに大型になっています。
ここまでくるとオルゴールというよりは自動演奏楽器、もしくは現代で使われているようなDTM音源のはしりといったほうが近いでしょうか。だいたい同時期に自動演奏ピアノも生まれていますし。
オーケストリオンはものすごく大きな音がするので、酒場のようなもともと騒がしい場所か、よほどの大邸宅でもないと置けるものではなかったと思われます。

小型化の方も見事に進化していて、時計に組み込まれて時報代わりに鳥の声のような音を出し、さらに鳥の人形があたかもさえずっているかのように見える”シンギングバード”や、音楽に合わせて人形が踊ったりその他動いてみせる”オートマタ”、化粧品などご婦人の身の回りのものを入れて持ち運ぶ”ヴァニティー・ケース”に組み込んだものなどがありました。
オートマタは人形+α程度の大きさですが、シンギングバードのほうは手のひらに乗る程度の大きさのものも多く、技術の進歩振りがうかがえます。
少し大きめの変り種としては、クリスマスツリーの台の部分にオルゴールを入れたものもあります。これは現代でも売れそうですね。

そんな感じで、個人の私室や邸宅、酒場、人の集まるホールなどさまざまな場所でオルゴールやその派生品が見られるようになります。中には日本の曲が入っているものもあり、文化交流の痕跡がうかがえますね。
江戸時代末期にはいくつか日本にも入ってきていたようで、「チャルゴロ」として浮世絵に描かれていたりします。もちろん超貴重品ですから、ヨーロッパよりもずっと限られた場所にしかありませんでしたけども。

こうして各国で好評を博したオルゴールですが、蓄音機など録音技術が発展することによって、音楽鑑賞の主役からは少しずつ退いていきます。
しかし、現在でも収集家がいますし、可愛らしい音で親しまれていますから当分の間はなくならないでしょうね。
オルゴール全盛時代にはスイス・ドイツ・アメリカ・フランスなどにメーカーが数多くあり、お国柄を繁栄してか選曲や音色がそれぞれ違ったりしますので、機会があればぜひ聞き比べてみてください。
冒頭でご紹介した那須オルゴール美術館など、国内でもあちこちで聞けるようですよ。

ついでにご紹介したいと思うのですが、東京都文京区にあった”オルゴールの小さな美術館”というところが昨年閉館したため、所蔵品のオルゴール400点を引き取ってくださる方を探しているそうです。
公式サイトは今も更新されていて、YOUTUBEでどんなオルゴールがあるか視聴することもできます。

バラ売りは不可とのことなので、個人では難しいと思いますが……。もしポーンと買えそうな団体・機関等にお心当たりがある方がいらしたら、連絡を取ってみてはいかがでしょうか。
どうせならこういうのを国で保護してほしいんですけどねえ。失われてしまったら二度と手に入らないものなんですから。外国製が多いからダメなんでしょうか。
オルゴールの小さな美術館の公式サイトはこちらです→http://www.musemuse.jp/

長月 七紀・記

参考:



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http://ja.wikipedia.org/wiki/オルゴール

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