早速ですが、年始のご挨拶や決まり文句にはいろいろありますよね。
年賀状や店頭のポスター等によく書かれる
「謹賀新年」
「初春」
「賀正」
「迎春」
「あけましておめでとう」
など、一つの行事にしては定型句が多いということに、皆さん一度は疑問を感じたことがあるのではないでしょうか。
そこで今回は、お正月の挨拶に注目してみました。
歳神様がやってくる?
まず、最もよく使われるであろう「あけましておめでとう」からいきましょう。
これは日本人の宗教観が少し影響しています。
元旦には歳神様(としがみさま)という神道の神様がやってくるとされていたので、「神様がいらっしゃるんだからめでたいだろ!」というわけです。そりゃそうだ。
では「歳神様」って何じゃらホイ(古い)といいますと、いろいろな説があります。
穀物の神様説、その家のご先祖様説、福の神説、はたまた日本神話ではスサノオの子孫の神様説など、特に定説はないようです。
お正月飾りの中に稲穂を使うものがあるのは、穀物の神様説のためなのでしょうね。
一休さんこと一休宗純作とされる歌に「門松は 冥土の旅の 一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」というものもあるので、人によってはめでたいと言い切れなかったかもしれませんけども。
以前どこかで「昔は寒さや疫病や戦乱、経済的な理由で年を越せずに亡くなる人が多かったから、年を越せること自体がめでたいという意味だった」という説も聞いた覚えがあるのですが、出典忘れましたテヘペロ。
賀正や初春などは目上の方へは避けるべし
「初春」「迎春」は暦と少し関係しています。
昔はお正月=春の訪れが近いと考えられており、春=植物の芽が出る=芽出度いという意味に転じ、いつしか春が来ることをさす言葉がお祝いの言葉になりました。
立春は2月ですから、「あと1ヶ月で春が来ると思えば寒さも乗り越えられるね」みたいな意味もあったのかもしれません。
「謹賀新年」と「賀正」はどちらも「正月を祝う」という意味ですが、使い分けにちょっと注意が必要です。
文字数的に何となく伝わると思いますけども、「賀正」は簡略化した表現なので、目上の方やお客様に使うのは失礼だとされています。上記の「初春」「迎春」もですね。
そういう場合は「謹賀新年」を使うといいとか。「恭賀新年」も同様です。
ちなみに英語の「Happy New Year」は正確には「良いお年を」という意味だそうですが、日本人でそこまで気にしている人はいないためか、目上の方に使っても悪くはないようです。
無難さでいえばやはり「あけましておめでとう」「謹賀新年」「恭賀新年」でしょうね。
もしこれから年賀状やお返しを出されるという方は、覚えておくといいかもしれません。
……そういうのは年末に書けって? HAHAHAHAHA!
それでは、本年もどうぞよろしくお願いいたします。m(_ _)m
長月 七紀・記
【参考】
日本文化いろは事典(→link)
こんごういんキッズ(→link)
マイナビニュース(→link)