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飛鳥・奈良・平安時代 その日、歴史が動いた

光孝天皇 55歳で即位し関白制度を作った平安時代中年の星は元祖「そうせい殿様」か

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平均寿命が延びたことや戦争が減ったことにより、現代の王様はシニア層になってからの即位が珍しくありません。昭和天皇が歴代最長の在位年数だったため、今上陛下も57歳になってから即位されています。
しかし、ずっと前にもこういうことはありました。
平安時代の元慶八年(884年)2月23日に55歳で即位した光孝(こうこう)天皇です。

天皇が乱暴だからと退位させたら適齢期の皇族がいなかったでゴザル

これは本人がどうたらというより、当時の朝廷内のいざこざに原因がありました。
ときの帝は陽成天皇という方で、言動が粗暴だということで無理やり退位させられたところ、次の天皇にふさわしい人物が若い世代にいないという衝撃の事実が明らかになったのです。なぜ先に決めておかなかった。
厳密に言えば陽成天皇の子女はいたのですが、まさかそういう理由で退位させた人の子供を位につけるわけにもいきませんしね。
ちなみに陽成天皇の素行が悪かったというのもアヤシイ点が多々あるのですが、それはまた改めて。

そしてしらみつぶしに探した結果、品行・能力共に適任と思われたのが当時、時康親王と名乗っていた光孝天皇でした。
上記の通り即位したとき55歳ですから、この時代の平均寿命を考えれば棺桶に片足突っ込んでるようなお年です。むしろ両足入りかk
ご本人はそれがわかっているのかいないのか、自らの子孫に皇統を移すつもりはなかったようで、子女を全て臣籍に下しています。結局後で適当な人物が見当たらず、一人だけ皇族に戻して次の天皇にしているのですが。

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関白を事実上創設

陽成天皇を退位させた藤原基経(もとつね)との関係は良好……というよりも、自分を推してくれたことに対し感謝していたようで、実質上の関白にあたる職へ任じています。
基経もこの時点で50歳近かったのですが、光孝天皇よりも長生きしていますので、これは大正解でした。

また、親王時代は生活が苦しかったらしく、即位してからも当時の苦労を忘れまい、と昔焦がしてしまった台所をそのままにさせておいたとか。

ずっと後の時代ですが、肥後の鳳凰こと細川重賢(過去記事:神をも恐れぬ超合理的主義者 「肥後の鳳凰」が藩の財布を建て直す 【その日、歴史が動いた】)にも似たエピソードがありますね。台所じゃなくて”若い頃にした借金の札をずっと持っていた”というものですけども。

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百人一首の「君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ」は貧困歌

親王時代に詠んだ「君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ」という歌は、もしかすると本当にお手ずから若菜を摘まなくてはいけないほど生活が苦しかったことの表れなのかもしれません。さすがにないか。
若菜摘みは新しい草の力=生命力にあやかるという意味があるので、験かつぎにご自身でやった可能性もなくはないですけども。
この歌は百人一首15番にも採られていますし、天皇の御製にしては言葉遣いや技巧も少なく、そのままでもわかりやすいのでご記憶の方も多そうですね。
かるただと50番の「君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな」と混同しやすいので、ある意味恨まれている歌でもありますがね。「君がため」の後が「は」か「お」かでわかりますが、よく知られた手なのでそれでも負けるときは負けますし。

地味だけどイケメンのダンディーおじさま?

歌の他にも和琴や乗馬、弓がお得意だったようで、一度途絶えていた鷹狩りを復活させたりもしています。即位時のお年を考えると本当に元気なお方ですね。
どうでもいいですが、容姿も「閑雅」=しとやかで優雅である、と記録されているので、「地味系だけどよく見たらイケメン」みたいな感じだったと思われます。人柄の良さや教養がにじみ出たものでしょうか。今で言えばナイスミドルか”ロマンスグレーの紳士”かそのあたりですかね。

伊能忠敬などもそうですが、この”50代半ば”というのは何か新しいことをやるのに良い時期なのかもしれません。昔はいざ知らず、現代人であればまだ体力が衰えきっているとまでではないですし、それでいて経験は豊かにあり、分別もある頃合ですからね。
最近は年金その他諸々の心配をする方も多いですが、いっちょ前向きに何かやってみると道が開ける……かも?

長月 七紀・記

参考:光孝天皇(Wikipedia)

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あわせて読みたい記事:「伊能忠敬!地図おたくにして後期高齢者の星」

 




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