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その日、歴史が動いた

数百・数千年の眠りを続けるミイラたち アイスマン トーロンマン そして日本では……

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重大な発見というのは、ときとして偶然におこるものです。

血眼になって探している専門家よりも、通りすがりの一般人がとんでもないものを見つけたという話はままありますよね。徳川埋蔵金など嬉しいものであれば各方面で万々歳でしょうが、それがもしSAN値(※注/正常値・正気を保つバロメーターで使われる)を下げるショッキングなものだったとしたら……? 本日はそんなお話です。

1991年(平成三年)9月19日、通称「アイスマン」と呼ばれるミイラがオーストリア・エッツ渓谷で発見されました。

日本で言えば縄文人のアイスマン。何かに怯えているような姿にも見えますよね、偶然でしょうけど/Wikipediaより引用

【TOP画像】トーロンマン/Wikipediaより引用

 

登山者の遺体では!!! 最初は警察が呼ばれたが

発見したのが各方面の学者さんではなく、一般の登山客だったというのが恐ろしい話です。実際にも、当初は登山者の遺体だと思われて警察の手が入ったのだとか。
エベレストの例が有名ですが、高山で遭難者の遺体がミイラ化することは珍しくないですから、アルプス山脈の一角であるエッツ渓谷でも度々あったことなのかもしれませんね。

しかし、ミイラの周辺にあったものをよくよく調べてみると、どうにも登山者の持ち物にはふさわしくないものがいくつかありました。
警察のほうでは何なのかすらわからないということで、オーストリアの名門大学・インスブルック大学から考古学の先生が呼ばれます。
そして調べてみたところ、驚愕の新事実が明らかになりました。

なんと、ミイラの持ち物が数千年前の青銅器(日本なら縄文時代!)であることがわかったのです。警察の人はガチで「ナ、ナンダッテー!?」状態だったでしょうね。
いや、( ゚д゚)ポカーンかもしれない。

まぁ、それはどうでもいい話ですが、後日、彼の発見場所が微妙に国境を越えていイタリア領内だったため、現在はイタリアの博物館および研究所のものになっています。
基本的には冷凍保管されていて、たまに保存のための水分補給をするときだけ冷凍庫から出されるのだとか。

再現された姿は、個人的に「スナフキン」をイメージしてしまいます/Wikipediaより引用

 

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パンや肉、ハーブも食べていたなんて結講グルメだったのね

詳しい調査がされたのは、発見から20年以上経った2012年のことです。

瞳と髪は茶色で肌は白と白人の特徴に近かったようですが、時代が時代だからか身長160cm・体重は50kg程度。
また、日本人に多いとされる乳糖不耐症(牛乳を飲むとお腹が下ってしまう体質)だったと考えられるそうです。ちょっと親近感が……わきませんね。

これは、アイスマンの時代にはヨーロッパでもあまり牛乳が飲まれていなかったとからだとか。青銅器の時代ですので、元から遊牧などを行っていない民族は牛乳の存在すら知らなかったかもしれませんしね。
胃腸からはパンらしきものや肉、ハーブを食べていた可能性があるということがわかっています。

肝心の死因については、まだ専門家の間で意見が割れているようです。
研究が始まったころは「後頭部の傷からして、殺害された可能性が高い」といわれていたのですが、最近では「戦で亡くなった後、数ヵ月後に埋葬された」という説が出てきています。
文字がない時代のことなので、今のところどちらの説も証明できずに終わっているとか。これまたタイムマシンの出番ですね。

アイスマンが所持していた斧/Wikipediaより引用

 

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儀式の生け贄か 表情がリアルすぎるトーロンマン

アイスマン以外にも、不思議な遺体というのは多々あります。
デンマークで見つかった「トーロンマン」もそのひとつ。こちらはピートと呼ばれる泥炭の採掘中、やはり一般人が偶然見つけたものでした。

やはり当初は殺人事件と勘違いされて警察に通報されたのですが、アイスマンのときと同様「さっぱりわからん(´・ω・`)」状態になったとか。そりゃそうだ。
そして考古学の教授が呼ばれ、2000年以上前の遺体だということが判明したそうです。

ただし、こちらは胃腸などの様子から、何かしらの儀式のいけにえだったのではないかといわれているので、殺人事件といえなくもありません。
それを知ってからトーロンマンの顔を見ると、何かに耐え忍ぶかのような評定に思えてきます。

トーロンマンさんは、ちょっと寝苦しいような表情ですね/Wikipediaより引用

 

「世界一美しいミイラ」とされるイタリアの少女

さて、上記の二人は奇跡的に自然による保存が行われたという例ですが、次は人の手によって保存が試みられた例をご紹介しましょう。
ロザリア・ロンバルドというイタリアの少女です。「世界一美しいミイラ」として有名なので、ご存知の方も多いでしょう。
彼女は1920年に2歳で亡くなったとき、特殊な防腐処置をされたため、100年近く経った今も生前とほぼ同様の姿をしています。

ロザリア・ロンバルドはまるで生きているようだ……/Wikipediaより引用

 

その方法についてはごく最近まで不明だったのですが、2009年に担当者の手記が見つかり明らかになりました。
いわく、アルコールでミイラ化を促進しつつ、サリチル酸・亜鉛塩が防腐剤の役割を果たし、さらにグリセリンが湿度を保ったのだとか。最後に頬へパラフィンというろうそくの原料になるものが注入されたため、幼児特有のあのふっくらとした顔も保たれているのだそうです。
彼女にこの手法を施した人は、同じ方法で他の人のミイラを作ったこともあるそうですが、今のところロザリアほど美しく保たれているものは見つかっていないとか。
元々ロザリアをミイラ化したのは父親の希望だったそうなので、親子そろって満足しているかもしれませんね。

 

日本でも江戸時代に土葬された女性が偶然ミイラ化し……

ちなみに、日本にも偶然ミイラ化したと思われる遺体が展示されている場所があります。東京都・上野の国立科学博物館です。
江戸時代に土葬された女性なのですが、場所等の条件が良かったためにミイラ化したのだとか。

以前、別の展示を見たくて行ったときにたまたま見る機会がありまして、「この人の尊厳を守るために、写真撮影はしないでください」というようなことが書かれていて、博物館側の心意気に感動しました。
このため、国立科学博物館のホームページでもあまり大きく取り扱われていません。

国立科学博物館自体も恐竜の化石の発掘風景が再現されていたり、さまざまな動物の剥製があったりとなかなか面白いので、上野に行かれた際は立ち寄ってみると良いのではないでしょうか。特に小さい男の子がいるお宅におすすめです。

国立科学博物館/Wikipediaより引用

 

別にお上からお金はもらっていません(`・ω・´)
個人的に好きなだけですホントです。リピーターズパス買おうかどうか迷ってるくらい好きです。二回行けば元が取れるなんて破格ですよね。さすが国立。

こういうものの展示や保管には技術もお金も人手もかかるので、お財布事情が心配になってしまうくらいです。余計なお世話ですけども。

本日紹介した中でいえば、トーロンマンについては当時の保存技術が未熟だったために、発見当時のまま残っているのは頭だけになってしまったのだとか。
カワイソス(´・ω・`)
他にはフランシスコ・ザビエル(過去記事:日本に来たザビエルがその後、中国に渡った大いなる勘違いとは?【その日、歴史が動いた】)の腕がなぜか腐らないとか、キリスト教関係では「腐らない」とされている遺体がいくつかあります。
が、ほとんどの場合、一般人が見ることができるのはごく一部かレプリカなので、ホントかどうかは怪しいような気ががが。

というか、ロザリア・ロンバルドを見てしまうと他の遺体は「それほどでもないな」と思ってしまうんですよね。
幼児かつ遺体ですらあの美しさですから、成長したらさぞかし美女になったのでしょうね。惜しい。
父親が娘の姿をそのまま残したいと思ったのもわかる気がします。

長月 七紀・記

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参考:アイスマン/Wikipedia トーロンマン/Wikipedia ロザリア・ロンバルド/Wikipedia 国立科学博物館/Wikipedia

 

 




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