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その日、歴史が動いた

「水」と「太陽」から始まった時計の歴史 ほかには「砂」や「ハト」だけでなく「火」や「お香」まであった!?

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突然ですが、問題です。
「実用品でもあり、装飾品でもあるモノ」って何でしょうか?

たぶん人によっていろいろな答えが出てくると思いますが、これに「精密機器」という条件を加えると、だいたいの方が同じものを思い浮かべるのではないでしょうか。
本日はその歴史を、数千年前から追いかけてみましょう。

天智十年(671年)4月25日は、天智天皇が水時計を使って時報の鐘を鳴らしたとされている日です。
このことから、この日を新暦に直した6月10日を「時の記念日」としています。
というわけで、本日は時計の歴史を見ていきたいと思います。

【TOP画像】Frank-Bernard

 

一定の流水量で測る水時計は誤差が大きそうで

まずはこの日使われた「水時計」からいきましょうか。

最近は砂時計の砂が液体に置き換わったものもありますが、この頃の水時計は全く違う形でした。
階段のように段々に桶を並べてあり、一番上の桶がいっぱいになるとすぐ下の桶に水が落ち……と、これを繰り返していくと、一番下の桶に水が溜まります。
そして、一番下の桶には人形を浮かべておいて、所定の高さまで浮かんだら一定時間が経ったことになるので、時報の鐘をついて知らせる、というものです。
なかなか想像しにくいですが、水時計自体がいろいろな国で作られている割に、形状が全く違うものが多々あるので、説明が難しいです(´・ω・`)

共通しているのは、「一定の量の水を流す」ことくらいで、単位も「別の容器に溜まるまでの時間」「一定の重さの水が流れるまでの時間」などさまざまでした。
実際にはいくらか蒸発しますから、誤差も大きかったでしょうね。

古代ギリシャの水時計(紀元前3世紀)/wikipediaより引用

 

もう一つ、古代から使われている時計といえば「日時計」ですよね。よく小学校や公園の片隅にあるアレです。

しかしなぜか、日本の場合は日時計のほうが後に入ってきています。吉備真備が735年に唐から持ってきたと言われているからです。
日時計はもっとシンプルな構造化と思いきや、設置する場所の緯度によって棒の角度を調節しなければならないというややこしいものだったりします。サマータイムを導入しているかどうかや、設置場所の標準時などでも調整が必要です。
もちろん、数千年前に日時計が考案された頃はそこまで考慮されてはいなかったと思われますが、現代で正確な日時計を作るのはなかなか難しそうですね。

古代ペルシャの水時計/wikipediaより引用

 

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歯車で多様化した天文時計に懐中時計

かなり長い間、人類は日時計や水時計、あるいはその類型によって時間を計っていましたが、歯車を組み込むことにより、さらに多くの時計が作られるようになりました。
大きなものではプラハやストラスブールにある天文時計、小さなものでは懐中時計など、時計はどんどん多様化していきます。

機械的な構造をしていないものとしては、「火時計」というものもありました。ろうそくや油が燃えるまでの時間を一単位とするものです。
今でもろうそくは太さや長さによって完全に燃えつきるまでの時間が決まっていますので、いざというときには使えるかもしれません。

「香時計」も火時計と似たようなもので、こちらはお線香やお香を使います。火時計よりも火が小さいことから火災の心配が少ないとされ、いろいろな場所で使われました。
日本では、江戸時代の芸姑の勤務時間や、寺子屋の授業時間を計るために使われたそうです。花街でお香が香っているのは何となく想像がつきますが、学校でいい匂いがするのは意外というかなんというか。

 

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鳩時計の鳩がカッコウだったなんて

そして、16世紀になるとまた新たな時計が生まれます。
振り子の等時性(一定周期で揺れる性質のこと)を利用した、振り子時計が作られたのです。
船など常に揺れ動くものの中では使えない&地震で止まってしまうという欠点もありますが、現在でもそのデザイン性などから人気がありますね。
また、災害や戦災などが起きた際に止まり、事が起きた正確な時間を伝えてくれるという意外な長所を持っています。

デザイン性といえば、「鳩時計」も人気がある時計のひとつです。18世紀に、ドイツで作られるようになりました。
重りが重力によって下に落ちていくのを利用して時を刻んでいます。最近は後述のクォーツ式のものも多いですね。
ちなみに、実はあの鳥は鳩ではなくてカッコウだそうです。静かな湖畔の森の影から鳴き声が聞こえてくるアレですね。誰が鳩時計と呼び出したのかはわかりませんが、確かにドバト(日本でもよく見かけるアレ)とカッコウは実物もよく似ています。

しかし、徐々に機械化が進んでも、「どこでも使える時計」というのはさほど多くはありませんでした。

 

優秀だった砂時計 船旅にも使えた

その数少ない例外が砂時計です。(部下が)初めて世界一周をしたことで有名なフェルディナンド・マゼラン(過去記事:平和すぎてビックリ!したから「太平洋」 マゼラン、死の航海)は、自分の船団に所属する船全てに砂時計を置かせたといわれています。
砂時計は船のように揺れ動く場所でも、唯一正常に働く時計だったからです。もちろん、船が大きく傾いたときは難しかったでしょうが。
懐中時計ならイケそうな気がしますが、当時は上流階級の人が装飾品として用いていたので、マゼランのような人や一般人には手に入らなかったと思われます。

腕時計も似たようなもので、19世紀のはじめには登場していましたが、やはりハイソな人々の装飾品としての役割が主でした。
時計が一般の人々にも手が届くように量産化されていくのは、クォーツ時計が考案された19世紀の終わり以降です。

クォーツ時計は、その名の通り水晶を利用した時計。「水晶に圧力をかけると電圧が発生する」という性質を利用して、針を動かすようになっています。
ちなみに、これを発見したのはマリ・キュリーの旦那さんであるピエール・キュリーとその兄ジャックでした。彼らが発見したのはあくまで「水晶に圧力をかけると電圧が発生する」という性質であって、クォーツ時計を作ったわけではありませんでしたが、もしそうだったらこの方面でも有名になっていたかもしれませんね。

 

世界初のクォーツ式腕時計は日本のセイコー社

クォーツ時計は非常に精密な作りであり、部品が高価だったため、量産化は難しいとみられていた時期もあり、やがて部品の価格が下がったことで安価に製造できるようになっていきます。
しかし、精密であることは変わりなかったので、「クォーツ式の腕時計」はなかなか実用化されませんでした。

世界で初めてクォーツ式腕時計を作ったのは、実は日本のセイコー社です。

「アストロン」という商品で、1969年に作られました。当時は45万円したそうで、自家用車とほぼ同じ価格だったとか……。

「アストロン」はセイコー社にとっても特別な名前で、2012年に発売されたGPSソーラー時計にもつけられています。こういうの胸アツですよね。

クォーツ時計も充分正確な時計ですが、さらに正確な「原子時計」というものも存在します。……スイマセン、ここまでいくと完全に文系なワタクシの脳みそでは原理を説明できません。理系の方オナシャス。
誤差は数千万年に一秒~数千年に一秒だとか。「人間の寿命を超える正確さというのは必要なのか」という気もしますが、子々孫々へ引き継ぐとしたらいいかもしれませんね。

 

太陽の寿命より長い!? 160億年で1秒しかズレない時計

さらに、2015年には東大大学院で「160億年で1秒しかズレない」時計が作られたとのことです。

……太陽の寿命が残り約50億年といわれていますし、その前に膨張して地球が巻き込まれる可能性が高いので、この時計を後世に残すためには、その間に人類が太陽系外で定住できるようにしないといけないわけですが。
東大ですから、その辺の研究も進んでるんですかね。教えてエ◇い人。

今回は主に外国で作られた時計のお話をしましたが、日本には「和時計」という独自の進化を遂げた時計が存在します。
それはまた日を改めてお話しましょう。

長月 七紀・記

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参考:今日は何の日?徒然日記 時計/wikipedia 時計の歴史/wikipedia 水時計/wikipedia 一般社団法人日本時計協会

 

 




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