やめられない止まらないタバコの歴史 日本では戦国時代に輸入され、間もなく長崎で栽培が始まった

 

「やめられない止まらない♪」
某スナック菓子のCMではありませんが、例えば生活習慣だったり、嗜好品だったり、皆さまにも一つぐらいあてはまるものがおありでしょう。
本日はその筆頭に挙げられそうな「アレ」の歴史を見てみたいと思います。

慶長十七年(1612年)8月6日は、江戸幕府がタバコを禁制にした日です。

「え? 浮世絵でタバコ吸ってる人がよく描かれてるよね? 禁止されてないじゃん」
と思われるかもしれませんが、その辺のことも含めて本日はタバコの歴史に関するお話を進めて参りましょう。

【TOP画像】日本の喫煙/Wikipediaより引用

 

南米で生まれ、コロンブスが世界へ拡散

タバコは、紀元前5000~3000年頃から栽培されていたといわれています。具体的には、現在のボリビアやアルゼンチンあたりです。

現地では神々への捧げ物であったり、儀式の一環であったり、民間療法の一つなど、さまざまな用途に使われていました。

そのうちに「タバコ吸ってると何かイイ感じ」という観点が芽生え始め、だんだん嗜好品になっていったようです。同時に、特権階級だけでなく、一般の人々に広がっていきました。
タバコを吸うと、特に慣れないうちは最初に「クラッ」としますから、その辺から来ているのでしょうね。

そして大航海時代にコロンブスがアメリカ大陸へやってきて、他のさまざまなものと一緒に、ヨーロッパへタバコを伝えました。
日本に入ってきたのは、おそらく戦国時代のことだと思われます。
有名どころでは伊達政宗が、薬として一日数回、決まった時間にタバコを吸っていたんだそうですよ。

沖縄県伊江島のタバコ畑・当たり前かもしませんが、花が咲くんですねぇ~!/Wikipediaより引用

 

当初は禁止していた幕府も諦め、タバコはどんどん普及する

日本でタバコの栽培が始まったのは江戸時代で、慶長十年(1605年)に長崎で初めてタバコの種が植えられたそうです。

とはいえ、それから七年で禁制にされるほどですから、輸入品のタバコがかなり急速に広まっていったのでしょう。

農家でも「米よりタバコのほうが儲かる!」と考え、転作する家がかなりあったそうです。しかし、幕府としては食糧の流通量が減ると困るわけですから「ちょ、待てよ!」という意味も込めて、タバコを禁制にしようとしました。
他にも、火災やぜいたく防止のためという理由もあります。

が、既に広まってしまったものをなかったことにするのは、極めて困難です。

そのうち幕府も「もうどうにでもな~れ」(超訳)状態に陥り、タバコはどんどん普及していきました。
日本独自の刻み方や吸い方・用具が作られ、一つの文化として定着。タバコをより細かく刻むための機械も開発されました。
嗜好品に全力を尽くすのが何というか、日本人らしいですよね。

「日本最初 たばこ種子渡来之地」の碑(長崎県平戸市)/Wikipediaより引用

 

税収増を狙う政府が「タバコはイケる!」

明治以降は、西洋式の紙巻タバコやホルダーなども使われるようになります。
国産の紙巻タバコも作られ始め、そのための新しい機械も誕生し、産業として拡大していきました。税収増を狙う政府も「タバコはイケる!」と考え、明治三十七年(1904年)には「煙草専売法」を施行しています。

戦時中は他の産業と同じく、タバコ業界も規制されましたが、戦後は厳しい状況の中で数少ない嗜好品として重宝していたようです。配給品の中にタバコがあったくらいですから、事実上の生活必需品といっても過言ではないでしょう。

現代でも「”タバコ吸いにいく”とでも言わないと休憩に行けない;;」という会社員の方がいますものね……。状況はだいぶ違いますが、おそらく感覚としては似たようなものでしょう。

昭和二十五年(1950年)あたりからは新しい銘柄も増え始め、七年後に国産初のフィルター付き紙巻タバコ・ホープが出ると、さらに愛煙家が増えていきます。
高度成長期を描いたドラマや小説などでも、登場人物に一人くらいはヘビースモーカーがいますよね。

photo by mendhak

photo by mendhak

 

日本人の喫煙率は19% 減少傾向は続いている

現在では「健康面を気にする人が増えたから喫煙者が減った」というのが大きな理由でしょうが、おそらくは「タバコの他にも手軽に楽しめる趣味が増えた」というのもあるんじゃないでしょうか。
少子化の一因も、「異性と付き合うより趣味に打ち込みたい」という人が増えたから、という説がありますしね。

最近は「中東などで使われている水タバコは、紙巻タバコよりも健康的」とする人もいるそうですが、ちょっとしたワナがあります。
というのも、水タバコはその構造上、紙巻タバコより長時間口にするため、吸う煙の量も増えるんだそうです。特に体内の一酸化炭素が多くなり、紙巻タバコより強く脳への影響が出るのでは、という懸念があるとかないとか。
インテリアとしてはカッコイイんですけどね。

エルサレムの市場で売られていた水タバコ/Wikipediaより引用

ところで、喘息の薬やインフルエンザに使われるリレンザといった、吸入式の薬にタバコや喫煙具の構造を転用できないものですかね。たぶん各メーカーさんで一度くらいは検討しているかと思いますけれども。
紙巻きタバコと同じくらい簡単に薬が吸引できれば、いざというときもすぐ使えていいんじゃないでしょうか。

この記事を書いている時点で、日本人の喫煙率は19%程度だそうですから、これからも減少傾向が続くでしょう。
でも、そういう方向でタバコに関するものが人の役に立てば、タバコメーカーの生き残る道が見えてきたり、世間のイメージなりが多少良くなるんじゃないでしょうか。

お酒もそうですが、「ある程度の税収が見込まれていて、法律が作られているような業界」を綺麗サッパリ潰してしまうと、いろいろとめんどくさいことになりますしね。失業率悪化とか、治安の悪化とか。

どうせなら良い方向にうまく転化させてほしいものです。

長月 七紀・記

参考:タバコ/Wikipedia 日本の喫煙/Wikipedia

 


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