ハロウィンで仮装するのはなぜなのか? 古代ケルト人の収穫祭を起源とする、ちょいと怖いその理由

 

皆様、お祭りはお好きですか?
楽しい・うるさい・忙しいなどなど、立場によってもいろいろ変わりますよね。
本日は近年流行りの(?)あのお祭りについてのお話です。

10月31日は、皆さんご存じのハロウィンです。

日本でも渋谷駅前が歩行者天国となってパーリーピーポー(いつか死語にw)たちがどんちゃん騒ぎをし、そしてなぜか翌日にはゴミも一切なくキレイな町並みに戻っていて、あらためて日本人お几帳面さが垣間見えましたが、その一方でハロウィンの「起源そのものや仮装をする理由」などはあまり語られないですよね。

というわけで、本日はハロウィンの起源からその流れを見ていきましょう。

【TOP画像】昔はカボチャではなく「カブ」だったジャック・オー・ランタン/wikipediaより引用

ハロウィンハロウィン / *Yaco*

 

そうだ!死霊たちと同じ格好をして人間だと思われないようにしよう!

ハロウィンの起源は、古代ケルト人の収穫祭だといわれています。

ケルト人とは、元々は中央アジアにいた騎馬民族。彼らが紀元前の時代にヨーロッパに移り住み、ゲルマン人などと混血を繰り返したり、イギリスやアイルランドなどに広まっていきました。
現在「ケルト」というとアイルランドやスコットランドの文化を示す際に使われることが多いですが、それらの地域がケルトの文化を当時により近い形で引き継いでいるからです。
これは、イングランドでキリスト教が優勢になったからでもあるのですが、今回はその辺の話は置いておきましょう。

ケルト人分布の様子(青い部分が紀元前1500年から紀元前1000年で、ピンクの地域が紀元前400年)/wikipediaより引用

ケルト人分布の様子(青い部分が紀元前1500年から紀元前1000年で、ピンクの地域が紀元前400年)/wikipediaより引用

ケルト人の暦ではグレゴリオ暦(現在広く使われている暦)の10月31日が一年の終わりとされていて、その年に採れた作物と動物を神様に捧げ、火を焚いてその周りを踊るという行事がありました。

このたき火の燃えさしを各家庭に配り、かまどの種火にすると魔除けになるとされていたのだそうで。

同時に、この日の夜は夏の終わりと冬の始まりを意味し、死者の霊が家族を訪ねてやってくるとも考えられていました。
「季節は夏と冬しかない」という考え方に、ヨーロッパらしい雰囲気が漂いますね。

死者の霊がやってくるということは、「見えない世界が(も)大賑わい」ということになります。
それに乗じて、人間に害をなす精霊や魔女なども姿を現すと考えられるようになりまして。
では、その害を防ぐためにはどうすればいいか?
いろいろ対策はあるでしょうが、彼らの間で最も広まったのが「奴らと似たような格好をして、人間だと思われないようにしよう!」というものでした。

これがハロウィンに仮装をする理由です。

日本で置き換えるとすれば、「お盆もしくはお彼岸に妖怪がわんさかやってくるので、襲われないように仮装をする」……という感じでしょうか。仮装そのものがあまり日本人にとって馴染みがありませんから、それでもピンとは来ないですね。

 

もともとはカボチャではなくカブだった!?

そして、ハロウィンにつきもののカボチャのランタン「ジャック・オー・ランタン」にも、あのような形になった理由があります。

この言葉自体は「ランタン持ちの男」という意味で、アイルランドやスコットランドにおける鬼火のことでした。この場合の「ジャック」は日本語でいうところの「名無しの権兵衛」みたいなものです。他には、ジャック・ザ・リッパーなどがありますね。

ダメダメな生活を送っていた人の魂が、死後の世界から出禁をくらったために、カブのランタンを持ってさまよい歩いている……という話だったそうです。
カボチャが主流になったのは、ハロウィンがアメリカに伝わってからなんだとか。カボチャになってからは割と可愛らしい感じになりましたが、カブのほうは……^^;

カブのジャック・オー・ランタン/wikipediaより引用

カブのジャック・オー・ランタン/wikipediaより引用

また、ジャック・オ・ランタンは良い霊を呼び、悪霊を遠ざけるともいわれています。
現在ではあっちこっちで使われていますので、悪霊もこの時期は大変でしょうね。海のど真ん中にでも避難するのでしょうか。それはそれで海での怪談が増えそうでオソロシイ。
イングランドではもう一つ、炎に関する「ガイ・フォークス・ナイト」(過去記事:センターGUYならぬカトリックGUY! 英国ウェストミンスター宮殿の爆破を企てる 【その日、歴史が動いた】)というお祭りがあるので、ハロウィンが廃れていた時期があります。今もこちらのほうが人気だそうで。

しかしアイルランド・スコットランド・ウェールズではずっと続けられており、これがアメリカに伝わりました。おそらくは、十三植民地時代に渡米した人々が語り伝えたか、実際に行っていたかのどちらかでしょう。
初期の移民は非常に厳しい暮らしをしていましたけれども、そういうときの収穫や獲物だからこそ、神に感謝したでしょうし。
とはいえ、初期の移民の主体はピューリタン=敬虔なキリスト教徒ですから、「異教の祭り」であるハロウィンを快く思わない人も多かったようです。

 

アメリカで受け入れられ、そして世界へ

ハロウィンが大々的に行われるようになるのは、もう少し後の時代。
ジャガイモ飢饉や世情の変化によって、アイルランドやスコットランドから多くの人がアメリカに移り住んでからのことでした。

20世紀初頭にはアメリカ全土で受け入れられるようになり、さらに他国で活動するアメリカ人がハロウィンを現地に伝え……という流れで、世界中に広まっていきました。

元はカブだったジャック・オ・ランタンが、今ではカボチャのイメージで固定化されているのも、アメリカ人が伝えたからだと思われます。
日本国内でも、昔から欧米系の住民が珍しくない東京都小笠原村父島や長野県白馬村などでは、ブームになる前から広まっていたようですよ。

そしてそのうち製菓業界やエンタメ業界が目をつけたりして、商業的な意味合いも強くなりました。
日本のお菓子メーカーも、この時期にそれっぽい感じのものを出していますよね。元々日本では秋といえば栗やさつまいものイメージが強く、お菓子にも使われていましたので、カボチャの占める割合はまださほど多くはない気がしますけれども。

むしろ、お祭りとか何も関係ない(であろう)マンゴーのほうが浸透しているような。やっぱり決め手は味なんですかね。

2012ハロウィン2012ハロウィン / uka0310

長月 七紀・記

参考:ハロウィン/wikipedia ジャック・オー・ランタン/wikipedia ケルト人/wikipedia

 








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