アメリカでは1744年に始まった天気予報(気象観測) ジョン・ジェフリーズの功績

 

立春は過ぎましたが、例年通りまだまだ寒いですね。
関東では雨の少なさも相まって、インフルエンザが大流行中という嬉しくない状態が続いています。降れば降ったで出かけるのが億劫になってしまいますが、ほとんど降らないのも困りもの。
本日は世界中の人類が常に気にかけてきたであろう、天気に関するお話です。

1744年(日本では江戸時代・延享元年)2月5日は、アメリカで「最初の気象観測者」とされるジョン・ジェフリーズが誕生した日です。

ジョン・ジェフリーズ/wikipediaより引用

 

米国生まれながら英国軍医として活躍する

ボストン生まれのジョンは、英国留学の後に米ハーバード大学を卒業し、医師として開業したエリートでした。
独立戦争のきっかけのひとつとなったボストン虐殺事件(1770年)で検死を行っているので、大学を出て早いうちに、地元で信頼されるようになっていたのでしょうね。

独立戦争でもアメリカ軍の軍医として働いていますが、その後イギリス軍の軍医になっていた時期もあるのが何とも複雑なところです。独立戦争の震源地といっても過言ではないボストンの、しかも知識人に属する人が、なぜこの時期のイギリスで働こうと思ったのでしょうね。

イギリス軍を退役した後も、ロンドンで開業医として働きながら、解剖学の研究をしていました。イギリスで解剖医と言いますと……うぅっ、あの外道で天才のMad Dr.ジョン・ハンターもいて……。まぁそれはともかく、ジョンはロンドンで新たな知己を得ていました。
ジャン=ピエール・ブランシャールというフランス人で、「気球による空の征服者」を自称していた人物です。普通の人なら「頭大丈夫か?(´・ω・`)」とツッコんでそのまま関わらないようにするでしょうが、ジョンは何故か彼のパトロンとなっています。
よほどお金が有り余ってたんでしょうか。

ボストンにいた頃から毎日気象観測をしていたようなので、「気球で高いところに行けば、もっと正確な観測ができるかもしれない」と思ったのかもしれません。

ちなみに、1785年の1月、二人はイギリス・ドーヴァーから気球でドーヴァー海峡の横断に成功しています。
しかし、ジョンはその後二度と気球に乗ろうとはしませんでした。高所恐怖症にでもなったんですかね。ドーヴァー海峡横断成功から四年後にはボストンに戻り、解剖学の講義をしていたといいますし。

そんなわけで、特に大きな功績があるというわけではありません。しかし、アメリカでは「毎日観測した功績は称えるべき」と考えられたようで、彼の誕生日である2月5日を「天気予報士の日」としているのだとか。
では、世界的に見て「天気予報」はいつ頃始まったのでしょうか?

 

第一次産業にとって天候は生活に直結するゆえに

少し言葉を変えて「気象観測」であれば、それこそ紀元前の時代から、世界各地で行われています。風向きや雨量など、現代でもシンプルな仕組みで観測されているものについては、特に古くからやっていました。
なぜかというと、農林水産業(第一次産業)にとって、天候はとても重要なことだからです。雨が少なすぎれば農作物も木々も育ちませんし、逆に多すぎても困ります。漁業では、風向きや波の高さがそのまま漁獲量や収入につながると言っても過言ではありません。

また、天気は戦争の行く末にも関わってきます。
向かい風を受ける場合、砂ぼこりで視界が遮られたりして、進軍や戦闘に影響が出るからです。海戦や物資輸送で船を使う場合は、さらに大きな影響を受けます。

これらは、技術の発達した現代でも同じ。大雪や大雨で農産物が高騰したり、特定の魚が不漁で値上がりしたり……と、身近なところでもよくある話ですよね。
現在でも正確な天気を予報するのは難しいこと。ゲリラ豪雨などはその典型的な例ですが、天気を予測するためには、「いかに多くのデータを蓄積してきたか?」という点がカギとなります。
同じ地点で継続的に観測することによって、季節との関係などが見えてくるためです。ジョンの名が残ったのも、そういった観点があったからでしょう。

 

「○○が起きると天気は晴れる(or雨が降る)」

個人名が残っているかどうかを別にすれば、観測記録の象徴ともいえるものはあります。
「○○が起きると晴れる(雨が降る)」といったような、天気に関する伝承の類です。

日本での有名どころだと、こんなのがありますよね。

【晴れの予兆】

・夕焼けの次の日は晴れ→△
日本では基本的に、西から東へ天気が変わっていきます。
そのため、夕日の方角=西が夕方に晴れていると、翌日は晴れると考えられました。
ですが、逆に湿った空気があるために、夕焼けが見られることもあるのだそうです。
自然の複雑さが垣間見える……ということで。

【雨の予兆】

・ツバメが低く飛ぶ→おおむね○
雨が近い=湿度が高いと、虫の羽に湿気がついて低く飛ぶようになるそうです。
そのため、虫を食べようとするツバメも低く飛ぶことになるのだとか。
ツバメって高いところを飛ぶイメージがある(ような気がする)ので、低いところを飛んでいると結構目立つかもしれませんね。

・猫が顔を洗う→×
これも「湿度が高くなってくると、猫のひげや毛に水分がつき、よく顔を洗うようになる」という理屈です。
しかし、皆さんご存じの通り、猫はとても気まぐれな生き物。「ただ単に毛づくろいしたくなったから」というだけで顔を洗うしぐさをすることも珍しくありません。
特に、完全に室内飼いの猫の場合はその傾向が強まるでしょうから、鵜呑みはできませんね。野良ちゃんや外によく出る猫の場合は、ケースバイケースというところでしょうか。それぞれ一つずつ記録してみれば、より正確な因果関係がわかるかもしれません。
「うちの猫が顔を洗う回数と雨の関係を調べてみた」なんて、夏休みの自由研究のネタになりそうですね。

天気予報の内容については、予報士の経験が左右する面も大きいといいます。
逆に考えれば、子供の頃から地元で何十年も定点観測をしている人がいたとすれば、よそから来た予報士よりも正確な予報を出せるかもしれません。仕事として成り立たせるためには、天気予報士の国家資格を取らないといけませんが。

「地元の言い伝えなんてオカルトだろjk」と思われることが多いですけれども、こと天気に関してはそうそうバカにできない……かもしれませんね。

長月 七紀・記

参考:ジョン・ジェフリーズ/wikipedia 天気予報/wikipedia 気象観測/wikipedia マイナビニュース

 


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