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【新刊書評】江戸時代の発禁本を徹底検証!これで好色本のタイトルもばっちりさ!

更新日:

江戸時代は世界に冠たる出版文化が花開いた時代でもありますが、同時に大量の発禁本を生み出し、思想弾圧が行われてもいました。
それから、ついでに工口も禁止されました。デマばっかり書いてる本も禁止されました。
そうは言うものの、なんでこれは発禁にならなかったんだよ、と思う本も多々あります。

そんな発禁本本の実態に迫ったのが、今年7月に発売された一冊。
井上泰至『江戸の発禁本 欲望と抑圧の近世』(角川選書、1680円)です。

秘儀!好色本タイトルの見分けかた

目次

第一章 発禁のシステム
第二章 「行き過ぎた」好色本
第三章 検閲が生み出す表現の「自由」
第四章 戦国歴史物語の実態
第五章 学者たちの考証と歴史の捏造
第六章 取り締まられた仮想戦記
第七章 統制を乗り越えて

そもそもなぜ発禁が必要なのか、を論じる第一章から、ペリー来航後に発禁となった思想書まで扱う範囲は幅広い。
もちろんその場所も、江戸や上方で出版されたものだけではなく、地方の神社家の蔵書にいたるまで、徹底的な博捜がなされています。
もちろん好色本もね!

どんなタイトルかというと、『東国太平記』『東照権現記』、『海国兵談』……
聞き慣れない書名も多数あるものの、こんなにたくさん発禁になった本があったのかとちょっと感慨深い感じもします。

好色本はどんなタイトルなんだよ?!とお怒りの声が聞こえそうです。
検閲があるので、あんまり「ヤバイ」書名は付けなかったみたいですね。
ただ、検閲を逃れるために春本(工口)に「枕草子」って書名をつけていた、みたいなこともあるそうです。「源氏物語」だとモロバレすぎたのでしょうか。

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徳川家について書いてはいけない

禁書政策は限定的なものであれば江戸初期からありましたらが、徳川吉宗による「亨保の改革」に至って頂点を極めます
亨保7年(1722)11月の町触で示された禁書政策は以下のような内容になります。

一 風説や異説を出版してはいけない。
二 好色本は出版してはいけない。
三 武家の家筋にかかわるようなことを出版してはいけない。
四 新刊書は作者と出版者の名前を明記すること
五 徳川家康公はもちろん、徳川家にかかわることは一切出版してはいけない
(p29)

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戦国時代が終わったと思ったら、戦いの舞台は「コミケ」になった

こうやってみると非常に厳しい規制だということがわかりますね。何も工口いからダメというだけではないのです。これがさらに、寛政二年(1790)に出された出版統制令では、主に武士筋の作者が多かった様々な娯楽本にまで禁制のメスが入ります。

さて、そのあとはどうなってしまうのでしょうか。あの手この手で禁制をくぐり抜けようとする作家や書肆(書店)と幕府との戦いは熾烈を極めていくのです。

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