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【軍師官兵衛感想マンガ】第8話「秀吉という男」盛り上がるはずだけどもっとモウリ(毛利)あがりたい

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こんにちは、武者震之助です。第八回「秀吉という男」は、官兵衛がいよいよ秀吉と出会うターニングポイントです。

第七回では、いよいよ小寺家の使者として織田信長に謁見を果たした官兵衛。三傑重視の本作で、いよいよメインステージに登場したということになります。この面会前に、織田家臣が恐怖のワンポイントアドバイス。
「うちの社長、キレるとちょっとヤバいんで……」
面会中は家臣も信長の凶悪という噂におろおろしているのですが、そんな危険な男にすべてを賭けてよかったのでしょうか。

ぼくのかんがえたさいきょうのプレゼン

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ここで官兵衛は、得居の弁舌で播磨攻略のポイントをプレゼンするわけです。ここは見せ所だと思うのですが、残念ながら小寺家での評定とあまり差が感じられませんでした。

地図を持ち出したり、孫子を引用したり、バサッといかにも智恵者らしい仕草で扇を動かしたりするのですが……空回りしている印象が。

これは官兵衛のせいというよりも、信長の錚々たる面々である家臣たちが、これまた小寺家のうるさ型とたいして変わらない程度のツッコミぶりを展開していただけというのが大きいと思います。
どうやらすごい男だということは、官兵衛の短い説明で触れられているだけです。信長も具体的にどこに感心したかを示さないのですな。
ともあれ官兵衛の絶妙なプレゼンは成功したというわけで、すっかり気に入った信長から名刀「圧切」を授けられるわけです。ここも大仰な動きとSEがかかります。

getだぜ!

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さらには播磨攻めの総大将となる、羽柴秀吉がハイテンションで登場。このあたり、秀吉と信長がかなり暑苦しく印象が。水の如く淡泊な官兵衛と対照的ということなのでしょうが。

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毛利情報で毛利の脅威をアピールしてほしい

このあと、すかさず解説アシスタント濃姫つきの信長タイムになります。
この恒例信長タイムはわかりやすさのためかもしれませんが、その数分の一でもいいから毛利タイムもできないのでしょうか。

毛利の脅威が説明不足過ぎて、いくら官兵衛が毛利は危ないと説いても信長にはともかく、視聴者にはとてもわかりにくくなっているのです。

ベタな新橋のサラリーマン秀吉さん

さて、ここからは気さくな秀吉の紹介ターンに入ります。「大声では言えぬが」と前置きしておいて、大声で信長の考えていることがわかると豪語。さらに綺麗なおねえさんのいる飲み屋でぬかりなく官兵衛を接待します。

ここでしつこく口裏をあわせるように秀吉が官兵衛に念押しするわけです。うーむ、ここで漂ってくるのは昭和のサラリーマン、スーダラ節的なノリです。

案の定、この直後に秀吉の妻・おねが出てきます。ほぼ初対面の官兵衛の前で、旦那のネクタイに口紅がついていた的「あなた本当はスナックで飲んできたでしょ」系の喧嘩をします。うーん、ベタですな。本作はどこかレトロなのですが、その原因は戦国時代よりも昭和時代のベタドラマを研究していないかというくらいの、ベタ感覚にあると言えるでしょう。
これはお留守番の播磨パートにも言える点です。
光の賢妻ぶりを強調するために薙刀を握って又兵衛に稽古をつけたり、小寺政職の妻・お紺経由で毛利につこうとする勢力を牽制したりします。光の賢妻ぶりはよくわかる一方で、柴田恭兵さんを起用しながら黒田職隆が何とも使えないわけなのですが……。

織田につくか、毛利につくかは小寺家にとってかなり重要なはずなのですが、あまりそうは思えないのはなぜか考えてみますと、前述の通り毛利の説明不足もありますが、小寺家における毛利派がまったく説得力を持って見えないこともあるのでしょう。留守中の光でどうにかできる程度と今週でまたも証明されてしまいました。

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一方で官兵衛と秀吉の出会いは、秀吉の背景をおおまかに一回で出し切ったような印象です。お約束の家臣スカウト、貧しかった頃の回想、気さくな態度。戦国ファンなら誰しも一度見たような秀吉像ですね。こんなベタな流れを、かつて大河ドラマ『秀吉』で主役の秀吉を演じた竹中直人さんを起用して再現するのですから、既視感はもうバリバリです。これも本作ひとつの売りでしょう。このベタな戦国人物像は、信長やおねにもあてはまると言えます。

しかしこれがかみ合っているかというと、やや難しいところです。最近の信長像は、まだこれからという時に亡くなった印象が強いのか若手の俳優にわりあてられることが増えています。一方で、史実では信長より年下であった秀吉や家康は天下人になってからのイメージ重視のためか、ベテランが演じることが圧倒的に多いわけです。
そうなると、信長と秀吉、家康の役者年齢が逆転することもこれまたよくあることとなります。

こうなると絵的になんだかわからないことが出てくると、今週の官兵衛と信長の対面シーンは示してしまいました。家臣が月代を剃ったベテランばかりの中、信長だけは衣装髪型から口調年齢まで浮いています。これがカリスマ的な浮き上がり方ならまだしも、どうにも場違いな違和感のある目立ち方なのです。

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さすが軍師?テンション落ち着きすぎの岡田さん?

「敦盛」を舞いワインを飲む、ベタな信長描写をしてきたはずなのになぜか違和感があるというのは問題なのではないでしょうか。

竹中直人さん演じる秀吉も、ベタなはずがどうにも岡田准一さんの官兵衛とかみ合っていないように見えます。これは片岡鶴太郎さんの小寺政職にも言えることなのですが、異常なまでのハイテンションや、意図してコミカルにしすぎていて、落ち着いた岡田さんとは相性があわないのです(一昨年の松山ケンイチさんあたりであればかみ合っていた気がしなくもありません)。

また『秀吉』の印象が強すぎて、別の作品から借りてきた感がしてしまうのも難ありです。竹中直人さんの秀吉は本作の売りだったはずですが、好みの分かれるところではないかと思うのは、このへんに理由があります。

今回はターニングポイントになると冒頭で書きましたが、まだまだ長いチュートリアルをしているような盛り上がりに欠ける点は気になるところです。バランスの悪い脚本のせいか、役者のかみ合わせがいまひとつなせいか、ちょっと原因はこれと特定できません。もっと今週もおもしろかった、ここがよかったと、書きたいのはやまやまなのですが……。

武者震之助・記




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