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「君の秘策に乾杯」「ありのままに野望を」

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【軍師官兵衛感想マンガ第29回「天下の秘策」】ありのままで秘密をしゃべるよ~

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こんにちは、武者震之助です。第29回「天下の秘策」です。

名高い中国大返しといえば、第一の障害として信長の横死を隠したまま毛利との腹の探り合いをするミッションが立ちふさがるはずでした。

しかし!

ご存知の通り、官兵衛は先週全部恵瓊(*毛利方の外交僧)にバラしやがりました。ありのままにすべてをぶちまけました! まさにありのまま軍師、「それがしの一世一代の賭けにございます!」と全部ぶちまける、雪の女王エルサも驚くレリゴーっぷりです。そうですか……ありのままが天下の秘策なんですか。

それでもって、恵瓊も「おまえの賭けに乾杯!」みたいになぜかノリノリでうれしそうなのですが、よいのでしょうか、そんなにホイホイと敵のやり口に乗っかって。こんなにイージーなら俺でも軍師になれるわ、と思った人もいるんではないかと不安になってきました。こんな恵瓊は関ヶ原の敗戦を待つまでもなく斬首してしまうべきでは……。

「君の秘策に乾杯」

「君の秘策に乾杯」

このあたりで秀吉が上様のために仇討ちするとか、暑苦しくぶちあげ、敵方の清水宗治は戦国の悲壮感を漂わせつつ切腹を決意します。水責めといってもせいぜい床上浸水までだったのに、そんなにホイホイ腹を切る約束をするのはどうにも納得がいかないのでした(悲惨きわまりない鳥取城篭城戦を前段階として描いていればマシだったのでしょうが)。

進化してない決めぜりふキター

官兵衛と毛利の腹の探り合いは、一応ありました。小早川隆景VS官兵衛(となぜか恵瓊ペア)の話し合いです。しかしここで官兵衛が放った必殺技は……

「これが天下のためでございます! 乱世を終わらせるためでございます!」

ちょっ、おまっ! 幽閉前と決め台詞が同じじゃないか!?

「信長さましかいない。あっ間違えた秀吉さましか」

「信長さましかいない。あっ間違えた秀吉さましか」

それにしても、官兵衛が味方する勢力が天下を取るとこの時点で確定しているかのような行動をとるのは、完全に主人公補正でしかありません。この時点どころか序盤からそうでしたけれども。序盤から同じ口上だけで乗り切るのに、レベルアップを表現するのは難しいですね。

岡田さんが目を真っ赤に血走らせていたり、腹が痛むような渋面や角度次第によっては寺島進さんのような極悪顔を作っていても、脚本がこれではつらいものがあります。こんな官兵衛にころりとだまされる小早川隆景もむなしいものがあります。もう何もかもがむなしい……。

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清水宗治はよかった(*「官兵衛にサインもらって娘に喜ばれる」は除く)

渋い演技で重要な役どころをこなした宇梶剛士さんの清水宗治

渋い演技で重要な役どころをこなした宇梶剛士さんの清水宗治

こんな雑な脚本でも、清水宗治は所作から発声まで完璧な戦国武士を体現していました。総集編にしたらこのあたりはかなりの名場面だと思います。それも「官兵衛に会えてうれしかった」という意味不明な台詞をカットするという条件がありますけれども。

よろよろの使者が「水下さい」のエンドレスループ

織田家をストーキングしていたかのような黒田家中が、そのストーキング対象が亡くなってもぼやっとしている矛盾の中、情勢は進みます。

長政と又兵衛がさわやかなタッグを結成したり、妙に老けた徳川主従が伊賀越えをしたりします。

家康は出番が増えれば増えるほど、こくまろ熟成ぶりが目立つので最小限の出番にしていただきたいのですが。井伊直政も老け過ぎです、若さがありません。

こちらとしては幼女・お江が同行しないだけマシだと思うほどハードルが下げたくないのですよ。おねの場面でも痛感しましたが、このドラマはカットすべき場面と描くべき場面の選別がおかしいのです。いちいち主要人物全員の情勢を、大事であろうがなかろうがベタベタと盛り込む必要はまったくありません。

今週はこの欠点のせいで、何度も何度もヨロヨロの使者が「一大事でござります!」と転げ込み水を飲む場面を見る羽目になって、食傷気味でした。

今週は清水宗治切腹、怒濤の勢いで大返しする秀吉たちと、味方が増えずに混乱する光秀あたりを中心にすればよいわけで、黒田家もおねも長政も不要です。

これから桃李走ります!

これから桃李走ります!

中国大返しの驚異的なスピードを表現すべきなのですが、どうやらスタッフは官兵衛による毛利説得で頭脳アピールをしたいようです。でも前半で書いたことを繰り返したくありませんが、ギャンギャン怒鳴りながら「天下を取るのはこっちだから!」の繰り返しです。

岡田さんはがんばっていると思います……しかし、腹の底から低い凄みのある声を出すのではなく、ここぞという時でもただむやみに大声で怒鳴り恫喝する演技が目立ち、ますます官兵衛の印象を悪くしています。

怒鳴るのは官兵衛だけではなく、毛利の諸将もそうなので根本的に演出の問題でしょうけれども。凄みと深みのある脚本と演技で肚の探り合いをし、無駄のない電光石火の勢いで引き返すのが理想的な中国大返しだと思います。
しかし今週の演出は真逆でした。少なくとも八月初旬までに光秀の首がとれていなければ、このドラマの後半戦もダラダラとメリハリのないまま最終回を迎えることでしょう。

武者震之助・記
霜月けい・絵




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つづく




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