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軍師官兵衛レビュー 書籍・映画

【軍師官兵衛感想マンガ第30話「中国大返し」】視聴率絶好調の世論を大返しするぜ!

更新日:

 

こんにちは、武者震之助です。

視聴率回復おめでとうございます! 好調、おもしろくなってきたという記事が次から次へと連日のように出てきましたね。まさに好調回復軌道に乗ったということでしょうか。今週からこのコーナーも笑顔で褒め称え……ません。

視聴率は回復しているかもしれません。しかし、昨年、一昨年はマイナーな歴史の敗者を題材としていたという大きなハンデがありました。今年は戦国、しかも三英傑を扱っていてこの数字では、別段高いとは言えないでしょう。

SNSでも話題沸騰という意見もあるようですが、それならば若年層中心に同じくSNSで話題となっていた一昨年の『平清盛』に対して、もっとやさしくできなかったのでしょうか。熱血主人公が後半からいきなり腹黒くなる点も一致していることですしね。

そもそもドラマの質は、視聴率ではありません。2009年の『天地人』は高視聴率でしたが、ファンの間でしばしば大河ワースト候補にあげられるほど、作品としては低評価を受けています。

なんじ(NHK)レベルの低い戦国大河をデフォルトにするなかれ

そんなわけで、長い前置きになりましたが本コーナーでは他の記事のように、素直に褒めるわけにはいきません。
哀しいことに、しかもこれは何も今に始まったことではありませんが、大河を扱う記事は中身をまともに見ないで噂や先入観だけで判断し、歴史背景も調べないまま適当に書かれていると思えるのが多いものです!

本コーナーでは。きっちりとドラマを見て容赦なくツッコミます。
評価が甘くならないのも、仕方ないことなのです。
本作が戦国大河ドラマの平均値となってしまっては困るのです。

主人公の活躍すら省き、残虐シーンはカットし、無駄に恋愛要素を詰め込まれるのがデフォルトになっては哀しいではありませんか。
今年のお正月、あるいはもっと以前、黒田官兵衛が大河になると決まった時、胸がわくわくしませんでしたか?
あのときのときめきと比べて、このドラマはいかがでしょうか? 期待通りとおっしゃるのであれば、何も申すことはありません。

しかし……私はもっと、官兵衛のドラマに期待をしていました。だからこそ、もっともっとよくなって欲しい。そう思いつつ、今週も書いてゆきます。

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 走るなら脱げ!その重い甲冑

さて、第30話「中国大返し」です。

のっけから、ちょっとよろしいでしょうか。

とりあえず急いでいる表現として、武装した兵士が土埃巻き上げながらふんどしマラソンするのは今後禁止しましょう。あんな装備で全力ダッシュ、どう見ても無酸素運動なんて数分でへたります。官兵衛と秀吉が「最後まで付いてこられるように士気を保てるよう、ボーナス出そう!」と提案しておりますが、それ以前に人間扱いしないとスタミナ切れと熱中症で死ぬのでは?

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MOBキャラたちが熱中症と闘う一方 長政は恋愛中って!

一方で、こんな危険なレベルで急いでいるわりには、又兵衛との再会イベント、長政の恋愛イベントは結構きちんとこなすわけです。しかも恋愛イベントはのほほんBGMつきです。この恋愛イベントが、手垢のつきまくった「おてんばでちょっと変わり者のツンデレ少女との出会い」で、こ、ここでこれをねじこむか〜〜!と画面の前で驚きました。

 

恋愛イベントの次こそは大返しかと思ったら、まろまろしい将軍が久々の出番です。将軍も、このあとで出てきた妙にものわかりのよい小早川隆景も、官兵衛の引き立て役でしょうけどね。

もちろん冷酷さを排除した主人公がよきパパであることは譲れません

そこでやっと出てきたのが、官兵衛です。この官兵衛の周囲を360度回るカメラワーク、迫力あるBGMで緊張感を醸し出します。
しかし、その次に「せっかく立ち寄ったなら、光の顔くらい見ていけば? 一時帰宅を部下に禁止しておいてもいいでしょ」と職隆が緊張感のない提案をし、さらに光と赤子と再会する場面で、この緊迫感が相殺されましたね。

急いでいても、妻子と再会する余裕くらいあったかもしれません。しかし急ぐ演出であるのならば、ブレーキをいちいちかけていくような初恋だの、妻子再会だの入れるべきではないと思います。官兵衛が黒くなったぶん、こうした場面を挿入して中和したいのかもしれませんけれども。

ファミリーが命っす!

マイルドヤンキー向けなので、ファミリーが命っす!

緊迫感がないと言えば、明智光秀の朝廷工作も必要性があまり感じられません。本能寺朝廷黒幕説の補完かもしれませんが、筒井順慶説得で十分ではないでしょうか。ここに官兵衛の使者が来て、いよいよ光秀が焦ります。

「信長が討たれてから8日しかたっておらぬのだぞ……」

と言うわけですが、放送日程で換算しますと14日経過しているわけで、些末なことではありますが先週中にここまで進んだほうがよかったなと思います。そんなことも、なぜか光秀が「すべて官兵衛の策!」と見抜いて叫ぶインパクトにはお及びません。史実はさておき劇中では今まで光秀が官兵衛の聡明さを知り得たイベントがないだけに、なんだかわけがわかりません。

本能寺の変特番込みで1時間 山崎の戦い3分

山崎の合戦時点で、時刻は既に40分を過ぎました。

軍師官兵衛マンガ0727-2

見えるよね、わしたちには合戦シーンが。視聴者さんすみません

ところが合戦描写が……旗印が大写しになり、ナレーションで双方軍勢の数を知らせたと思ったら、明智本陣に続々と「お討ち死に!」ラッシュが続き、気がつけば光秀は竹槍で刺されてあっけなく討たれました。かつて大河の主役にもなった春日局の父・斎藤利三もなぜか討ち死にしましたね。春日局にとって父の処刑場面は人生初トラウマとして重要ですが、官兵衛ワールドではそれ自体なくなったようです。

軍師官兵衛マンガ0727

また官兵衛か(普通秀吉でしょ)

それにしても、思わせぶりに引っ張っておいて何度も宣言しておいて、秀吉の弔い合戦がわずか数分で終わるとは。このあとの秀吉とおねの再会場面の方が長い気がします。そしてここでもおねによる官兵衛絶賛が入り、終了です。

*斎藤利三がなぜ討ち死にではいけないのか? SNSで若い世代に好評だった大河「平清盛」を監修された本郷和人さんがキュレーション(まとめ)した歴史ニュースまとめで、春日の局が稲葉家の墓所にまつられている理由を説明しております。→「【本郷和人歴史ニュースキュレーション】天災、いたずら、盗難、売却…日本の文化財が危ない!」

武者震之助からの番組改善の提案!

このレビューそのものはもうちょっとだけ続きます。

冒頭で「もっとこのドラマがよくあって欲しい」と書いたので、蛇足ながら今回はよりよくするための提案をさせていただきます。

 

1.        末期で「官兵衛かぁ~」の禁

お紺、清水宗治、今週の明智光秀と、死の近くになった時に「官兵衛!」と言い出すのはやめましょう。このままだと秀吉、安国寺恵瓊、石田三成あたりも官兵衛の名を呼びながら最期を迎えそうな気がしますが、できることならばもうこのパターンはいりません。

2.        「さすが官兵衛殿」の禁

これも1と似ていますが、どんな時でも何が何でも「流石官兵衛!」と褒め出すのはやめましょう。ここまで何でも官兵衛の手柄にするのならば、なぜもっと序盤から官兵衛の活躍を描かなかったのかと今更思わされるだけです。

3.        BGM盛り上げ過剰の禁

BGMも重要な要素ですから、ここぞという時にかっこいい曲を使うのは当然です。しかし本作では特に最近、あまりに過剰でうるさいほどのBGMが目立つようになってきました。

それでは今週も最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。

他の記事のようなやさしいトーンはありませんが、よりよい大河になって欲しいという思いとともに、今後ともレビューさせて頂きますので、よろしくお願いします。

 

武者震之助・記

霜月けい・絵

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 つづく





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