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軍師官兵衛レビュー 書籍・映画

【軍師官兵衛感想マンガ】第40話「小田原の落日」1話目のシーンに戻ったが主人公の成長見られず

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こんばんは、今週は第四十回「小田原の落日」です。冒頭は世継ぎ誕生に浮かれる秀吉です。

まずツッコミを入れますが、おねの侍女・マグダレナは石田三成の言葉を遮るほどの権限をなぜ持っているのかということです。光の侍女も聞こえそうなところで秀吉に文句をつけたりしていましたが、この作品の侍女はどうしてここまで態度がでかいのでしょうか。

このあとに続く茶室での利休と官兵衛の場面も含めて、毎週毎週くどいほど「三成と茶々のせいで最悪の豊臣に……」が展開します。もうこれは念押しというより、ネタ切れのため時間稼ぎをしているように思えます。
このドラマを見ていると話が進んでいるのかいないのかわからなくなるのですが、三成が悪い、秀吉は親バカ、黒田家中団らんのローテーションが今週も続きます。

今週のドリフなみに定番となったコント炸裂

今週はまたも光と糸のうっとうしいコントが続きます。それにしてもこのご婦人コントはすごい。前半あまりにひどい演出と演技でさんざん視聴者を苦しめた小寺政職(片岡鶴太郎)ですら、彼女らのうっとうしさにはかなわないでしょう。

「どうじゃワシの凄さがようやく分かったか」(霜月けい・絵)

「どうじゃワシの凄さがようやく分かったか」(霜月けい・絵)

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地方の武将=田舎大名のレッテル張り

そしてここでまたしても悲しいお知らせがあります。今週サブタイトルにもなった北条氏政はタハハハ笑いが特徴の、島津家とはまた違ったタイプの愚かな田舎大名描写でした。
このドラマ、地方大名は出てきた途端ひどい扱いを受けます。伊達政宗、上杉景勝あたりも出せないことはありませんが、ファンはむしろ出ないことを祈るべきでしょう。長宗我部家は出番がなくてむしろよかったのです。

あまりにひどい北条家の出番の次は、北条攻めの軍議です。さて官兵衛は、

「昔から大軍には作戦がないってよ。以上!」

と、大変短いコメントでした。

このあとで三成がキャンキャン声で具体的なスケジュールを詰めていくのですが、これではどう見ても三成のほうが真面目に作戦を考えています。

三成が子犬のような発声で小者演出をされているから目立ちませんが、ベテランの役者を起用していたらと思うと……まあ、小者演出をされていても、時折三成の方がまだしも賢く見えるのですけどね。

このあとも官兵衛と三成の対決場面が入りますが、やたらと顔を近づけてガンを飛ばしあいするものだから、戦国時代というより不良高校生映画みたいですよ。

急募:軍師 にらむ、どなる、だけの簡単なお仕事です(絵・霜月けい)

急募:軍師 にらむ、どなる、だけの簡単なお仕事です(絵・霜月けい)

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「つまらん」と叫ぶ秀吉にシンクロしたぜ

秀吉の芝居もどんどん悪化していて、おもしろかったのは「つまらん!」と吐き捨てて竹をぶん投げた場面くらいですね。私も何かを投げつけて「つまらん! わしはもっとマシなドラマが見たいのじゃ!」と叫びたいです。

そうそう、秀吉が淀の方を小田原まで呼び寄せる時「子供の世話はどうしよう」と心配しておりますが、乳母でも侍女でもいくらでもいるのに、そこを心配するのはどうかと思います。

おねと淀の方の諍いは完全に現代の妻と愛人のようですし、この脚本家は戦国時代の価値観を繁栄させた歴史劇を書けないのであれば、オファーを断るべきだったのではないでしょうか。

このあとに挟まれる秀吉と淀の方のうっとうしい場面の次には、おねが鶴松をあやす場面です。ここはおねと光といううっとうしい女どもがまたしてもいるわけですが、私はひとつ確信したことがあります。マグダレナもうっとうしい要員だと。あの陰気な顔とねちねちした小言は不快です。このドラマは何一つまともに描かないくせに、女のうっとうしさだけは執拗に描くのですな。

軍師官兵衛に欠かせないもの、それは合戦シーンすっとぱし

女の場面が終わると、ちゃんとサブタイトルの中身を消化することとなりました。樹木を切ったら城が見えるという場面がいきなり入りますが、ここまで小田原攻めをカットしまくる展開に、北条氏政ばかりではなく視聴者も驚いたことでしょう。あ、樹木以上に戦もカットするのは、もういつものことでしたね、失礼しました。

このあと官兵衛が降伏の使者となります。ここで第一回アバンの北条説得場面につながります。ドヤ顔でかっこつけて「命を粗末になされよ! 生きられよー!」と叫びますが、単騎で矢が飛びまくる中「いのちをだいじに」とか、おまえがまず死にそうな真似やめろよとツッコミたくなります。

「国 滅びてはまたと還らず  死人はまたと生くべからず。方々、命を粗末になさるな!  生きられよ!!」と大河の初回に言っていた官兵衛さん(絵・霜月けい)

「国 滅びてはまたと還らず  死人はまたと生くべからず。方々、命を粗末になさるな!  生きられよ!!」と大河の初回に言っていた官兵衛さん(絵・霜月けい)

(第1回の時のイラスト)

(第40回のイラスト)

「上の絵と比べてよ、全然違うでしょ!2頭身から成長したでしょ!」(絵・霜月けい)

「上の絵と比べてよ、全然違うでしょ!2頭身から成長したでしょ!」(絵・霜月けい)

有岡城で似たようなことをして捕まってあんな目に遭ったのに……第一回から言いたかったことです。でも第一回は「まあ演出がおかしくても最初だけ、いつかよくなる。今年はおもしろいはずだ!」と思いたかったのですよね。そんなふうに思っていたことが私にもあったわけなのですよね。なんでしょうか、この虚無感。

この官兵衛の口約束は信用してはならない

このあとの氏政説得シーンで気づいたのですが、官兵衛の怒鳴り散らすトーンが低くなり、照明が暗くなっております。あまりに明るいところで怒鳴ると、霧吹き状態の唾に虹が架かってしまうからでしょうか。
このように演出は変わったのですが、相変わらず「本領安堵するから降伏しろや」という、説得の中身がただのパシリである点は同じです。それにしても先だって官兵衛が領土安堵を約束した宇都宮一族の悲惨な末路を考えると、また守れない約束しやがって……と心に冷たい風が吹き込んできますね……と思っていたら、秀吉が

「北条はやっぱり許さないから。氏政は切腹な」

宣言来ましたわあ……官兵衛はここで驚くわけですが、おまえは宇都宮一族のことをすっかり忘れたのかと問い詰めたくなります。
これではもう官兵衛が死神の使者のようです。官兵衛が驚き動揺し翻意を迫ろうとすることで、彼は悪くないアピールを必死でしていますが、そうしたところで健忘症のパシリという印象はぬぐえません。

フォローしておきますと、史実での官兵衛は本領安堵の約束はしておらず、北条側もはじめから氏政と氏照の切腹を引き替えに領民と将兵の助命を条件にして和睦しています。こうしたもろもろをカットして、どうして宇都宮一族をトレースしたような駄目改変をしたのか!

もっとも、北条側が和睦に応じたのが、「命を粗末にするな」どころか秀吉率いる攻め手が凄惨なやり方で北条の支城を次々と落とし将兵を虐殺したため、堪えきれなくなったという事情があります。そこをごまかすために宇都宮パターンを流用したとも考えられるでしょう。
三成の失態であり『のぼうの城』で有名になった忍城攻めは言及しましたが、豊臣ひいては官兵衛の汚点である和睦までの過程はすっとばしたわけです。

私は先を見通せる軍師ではありません。だからこそ今年1月の第一回の時点ではまだ本作は良作になるかもしれないと考えていました。しかし四十回まで見続ければ、もはや先は見えるようになるのです。

来週は朝鮮出兵開始です。しかしおそらく出兵そのものは一瞬でしょう。そのかわり、三成が悪い、秀吉は親バカ、秀吉が黒くなった、黒田家中団らんのローテーション、糸と光とおねと淀の方とマグダレナが出てくるとがっかり……という場面がだらだらと続くでしょう。

武者震之助・記

霜月けい・絵

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【みんなの感想】

 





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