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【軍師官兵衛感想マンガ】42話「太閤の野望」他人の野望にすぐダマされる主人公

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こんばんは、今週は第四十二回「太閤の野望」です。どこかのゲームタイトルのようですね。今週から関白が秀次となり(やっと今更出てきました……)、秀吉が太閤となったため、このタイトルなのですかね。

史実ではその数年前から実施されていた工事ですが、本作では先週からの突貫であった(肥前)名護屋城の建設。特に建設場面もなく、あっという間に完成です。劇的ビフォーアフターですね。三成は目が泳いでいるというか「俺が知っている三成とは違う。けど脚本がこうだから……」という戸惑いが顔に出ている気がするのは気のせいでしょうか。

信長をイメージした設定らしいが品のない淀のインテリア

三成の次には淀のあくどさを出さねばこのドラマは成立しません。
赤い蝋燭がともる悪趣味な部屋、猫撫で声が不気味な秀吉、ぶすっとしたふくれ面の淀……毎度毎度この絵がきつすぎます。こんな成金親父がキャバ嬢を口説くような場面をなぜ見続けねばならないのでしょうか。淀の懐妊こそナレーションでさくっと済ませて欲しいのですが、秀吉の馬鹿笑いと淀の無愛想顔つきの場面がまただらだらと挟まれますし。

この次の場面でいよいよ朝鮮出兵となり、さわやか好青年の宇喜多秀家が出てきますが、あの毒々しい直家の息子であるという点は特にふれられないようです。ここでは先陣をめぐって争いが起き、官兵衛のアイディアで丸くおさまります。この程度のことでドヤ顔するしかない官兵衛、何とも悲しいものです。

宇喜多お父さん(左)なつかしす(霜月けい・絵)

宇喜多お父さん(左)なつかしす(霜月けい・絵)

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時代に合わせてマイルドヤンキーに磨きをかける官兵衛

朝鮮半島に上陸した日本軍は快進撃を続けます。漢城(現ソウル)を落としたと聞いた秀吉は喜び、自らの渡海を言い出します。

ここで家康と官兵衛がその無謀を諫めるのですが、穏やかな口調で説得する家康に対して官兵衛は秀吉の言葉を遮って横柄な口調です。かなり感じが悪いですね。唾が飛ばないだけマシなのかもしれませんが。このあとの場面で官兵衛が家康の前で杖を叩きつけるのですが、本当にこの男はとことんチンピラヤンキーです。

官兵衛に対抗して出陣すると言い出した三成は、真夜中灯りもろくにともっていない中で淀に会いに行きます。セキュリティ意識があまりにありません。ここで棒読み淀は「もう一度子を産みます」と言うわけですが、暗闇の中でぼそぼそ喋らせてまるでホラー映画のような演出です。視聴者は妖艶な絶世の美女である淀が見たいわけであって、妖怪もどきの淀が見たいわけではないと思うのですが。ここまでして悪役演出しなくてもよいのに。
kanbee1019
◇参考「天下人に降りかかった衝撃スキャンダル!豊臣秀頼は秀吉の実子ではなかった!?」

関ヶ原での西軍のダメぶり演出が今から目に浮かぶ

場面かわって朝鮮半島の官兵衛の陣では、家臣たちが台詞だけで窮地を説明します。官兵衛もやたらと悪い目つきで「このままでは日本が滅びる」と言いますが、そのピンチを映像にする手間はたいして掛けたくないようでイメージ画像がちょっと出てくるだけです。おねと光のだらけた会話は今週もあるくせに。

こうした中、さらに小西行長のアホ化が進行していきます。行長の扱い、どうやら脚本家は三成派の馬鹿小物にしたいようです。とどめとばかりに「官兵衛殿の言うことを聞いていれば!」と泣き声にされていて、なんだかもう……彼の母はおねの侍女マグダレナですが、おね=官兵衛ラインを善玉、淀=三成ラインを悪玉と単純に分けている脚本家は、おそらくマグダレナと行長の親子関係は出さないでしょう。

淀の懐妊などが挟まってわかりにくいのですが、秀吉に指揮を任された官兵衛の尽力により、和睦に向けて進んでいるようです。ところが和睦条件がひどすぎると行長が泣きついてきます。官兵衛は「ならば条件を隠せばいいんじゃね?」と降伏条件を書いた書状を燃やします。わー、ダイナミック。

◇参考「朝鮮出兵で秀吉にウソをついてまで交渉を進めた小西行長が出世できたワケ」

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常にダマされつづける軍師って

官兵衛の前に立ちふさがるのが、三成です。それにしても官兵衛は腹から声が出ておらず、喉でギャアギャアと割れそうに出しているので不快で重みも何もないですね。なんだかんだで漢城から撤退することになり、官兵衛は三成の提案で名護屋まで戻ります。

名護屋で官兵衛を待っていたのは秀吉の詰問です。秀吉の命令を無視したとか、奉行衆をシカトしたとか、そんな内容です。極めつけは「おまえに帰ってこいと言っていないのになぜ無断帰国した?」です。

官兵衛は三成の願いで帰ったものですから、この場で馬鹿正直に「テメー、ハメてんじゃねーよ」といきなり三成にメンチを切ります。あとで体育館の裏に三成を呼び出して問い質す程度の智恵も回らない軍師とは……陥れる側の三成の方が軍師らしいこの現実は……。

三成の汚さ、黒さを強調したいのでしょうが、際だったのは官兵衛の間抜けぶりだったというこのオチ。敵対する軍師の汚さをアピールして、官兵衛がアホに見えるのは宇喜多秀家あたりからでありまして、このドラマにはまったくもって成長が見えません。もう十月後半なのに。来週には如水になるのに!

まあ今週は惜しいと言えた回ではあります。大河ではほぼスルーの朝鮮出兵を比較的描いていたという点は評価すべきかもしれません。ただし、その中身の脚本と演出が相変わらず陳腐でした。

朗報「八重の桜」が国際エミュー賞ノミネート! 

さて、大河にとってうれしいニュースがありました。昨年の大河ドラマ『八重の桜』が国際エミー賞テレビドラマ部門にノミネートされたのです。おめでとうございます!

日本ではバッシングの種だった主人公知名度の低さ、方言がわかりにくいというクレーム、幕末なら薩長が活躍すべきだ、「はるかちゃんは胸の目立つかわいい役じゃないと嫌」的な先入観も海外では関係なく、純粋な作品としての出来を評価されたのでしょう。

不自然なまでに持ち上げられる今年とは違い、低視聴率とマスコミに叩かれ続けた『八重』ですが、特に会津戦争の部分は大河ファンからもなかなかの評価であり、私個人も非常によく出来ていたと思います(このコーナーの読者は、武者という奴は大河をけなし続けねば死ぬのだと思っているかもしれませんが、よい出来の時は褒めます。他のマスコミがベタ褒めでも、くだらないと思っていたらブッ叩きますが)。

『八重』は地元への貢献度も高く、大河ドラマ館の入場者数は60万人を超え、綾瀬はるかさんが登場した今年の会津まつりは入場者数に増加がみられ、沿道からは盛大な歓声あがっていたそうです。低いと叩かれた視聴率も、地元では常に20パーセントを超えていたとか。

はたして『軍師官兵衛』がそうした地元で愛され、かつ海外で評価を受ける大河になるかどうかは……少なくとも私はまったくそう思っていないことは言うまでもありません。現に九州での視聴率も特に高くはないようです。

本格派寿司店と名乗りながら中では寿司が回っていて、しかもネタが乾燥してパサついたカッパ巻きだけという。そんな見かけ倒しだけのドラマが本作だと個人的には思います。来年の今頃、昨年の大河は唾だけがすごかったと評価されていたとしても、ま、仕方ないですね。

武者震之助・記




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