まんが戦国ブギウギ

まんが戦国ブギウギ 土佐から始まり畿内まで、キリスト教、全員アウト~!

戦国大名や武将たちが華々しく活躍していた16世紀末。
派手な合戦譚のみに目を向ければ、現代人にとって、それは大きな娯楽のネタだが、同時にその背景では、今では考えられないような残酷な出来事が横行していた。

その最たる例が「人身売買」であろう。
文字通り、敵勢力へ攻め込んだ際に、地元の村人等を奪い取り、奴隷として売り払ってしまうのだ。足軽・郎党らにとって、その実入りは大きく、逆に奪われた方も後に買い取るということまで横行していたというから、いかに平常化・システム化していたかはご理解いただけるだろう。

まさに暗黒の中世であるが、さすがにこれをポルトガル商人が大々的にやっていては、日本の権力者も黙ってはいない。
1587年、かくして発布されたのが、豊臣秀吉によるバテレン追放令。それは江戸時代のいわゆる鎖国政策まで影響する一大方針であった−−。

 


サン・フェリペ号から再び悲劇は始まった

戦国ブギウギ20161015-1

◆ときは1596年、フィリピンを出航したスペインのサン・フェリペ号が東シナ海で台風と遭遇し、四国沖に漂着するという事件が起きました。
前述のとおり、秀吉政権下では1587年にすでに「バテレン追放令」が発令。
その後は南蛮貿易の実利もあって、取締の強化は実行されませんでしたが、このサン・フェリペ号がスペイン船は「キリスト教を広めて、植民地化するんじゃ!」と言った(とか言わない)とかで、秀吉はキレたのでした。

 


最期はロンギヌスの槍でお願いします

戦国ブギウギ20161015-2

サン・フェリペ号事件によって、あらためてキリスト教の禁止を決めた秀吉。

その見せしめ的事件として行われたのが「日本二十六聖人の殉教」でした。キリスト教を信じているからという理由で信者26名が長崎で磔の刑に処されたのです。

信者たちは、最初京都で引き回しにされ、石田三成もさすがにヤバイと感じたのでしょうか、信者を救おうとしたのですが、秀吉は無碍に却下。このあたりの対応は宗教が相手だけに秀吉でなくとも難しい局面でしたね

 


冊封体制は冊封体制でしかないっしょ

戦国ブギウギ20161015-3

◆明を配下におさめるべく朝鮮へ出兵した秀吉(文禄の役)。

戦線は膠着し、いわゆる泥沼状態に陥った日本軍は、交渉担当・西行長が嘘も方便とばかりに「明が降伏した」という体で話を作り、秀吉に伝えておりました。

とにかく戦争を終わらせたい。その一心でしたが、むろん、そんな嘘がいつまでももつわけなく……。

 

えーい、もーいっかい朝鮮へ出兵じゃ!

戦国ブギウギ20161015-4

◆秀吉のお気に入り・小西行長でなかったら即座に首を斬られていたことでしょう。

しかし、お気に入りだったからこそ大事な出兵の先陣を任せたわけで、そのへんの判断は難しいところですが、いずれにせよ小西さんにしてみりゃたまったもんじゃありません。

かくして、いきなり暗雲の立ち込めている慶長の役、来週からスタートっす!

(来週へ続く)

漫画・アニィたかはし
【毎週・月曜日連載】

戦国ブギウギの書籍版です!




-まんが戦国ブギウギ

×