麒麟がくる感想

麒麟がくる第1回 感想あらすじレビュー「光秀、西へ」

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麒麟がくる第1回
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光秀&久秀、居酒屋デート

はい、光秀と久秀、すっかりお酒で出来上がってます。

「これ以上は! これ以上は!」

久秀、どんだけ奢ったのさ?

ここで久秀は、嫌いな奴らのことを言い出す。
さっきのあいつらは、奉公衆。将軍の側近。わしの首を取れば鉄砲三挺だと言ってるってさ。

褒美を出すのは将軍・足利義輝だと、久秀は苦々しげに言うわけです。三好長慶と足利将軍家で、京都中心に堺まで余波が及んでいるのだと。

久秀さん、親切です。
光秀は何も知らないと言いつつ、視聴者相手に歴史背景を紹介してくれる。こんなナイスガイ松永久秀初めてだよ。この調子で、人生相談コーナー担当してくれ!!

この久秀、なんか『仁義なき戦い』めいた述懐もする。無能な奴が仕切っていることが悪いって。

久秀からすれば、鉄砲を使えないと決め付ける程度の将軍家は無能ってことでしょうね。力さえあれば変えられる。そう久秀は言う。美濃は国衆も偉いと絶賛します。

光秀はちょっと複雑な気持ちでして。
お気持ちはありがたいけれども……と、濃厚な下克上トークに引いてます。

美濃国にも、不満を持つ者も多い。
野盗も国境を荒らしている。隣国で戦の構えを見せると裏切る者もいる。今の美濃は、そういう国。

はい、お酒が入った光秀は本音が出てしまう。

実は彼も、不満があるのです。
なんでも損得勘定を持ち出して、そういうところが嫌! いちいちコスパ、コスパ、コスパ、そういうことばっかり! そういう現代人にも通じる悩みを訴えます。

光秀は『論語』も引用してきて語りますが、これも丁寧なお仕事ですよね。書籍を調べた上で、場面に合うものを引っ張ってくる。そういう担当者ありきのお仕事でしょう。

それにくどいようですが、公式サイトで長谷川博己さんも指摘していることでもありますので、おさらい。『論語』ってところです。

儒教は人間のあるべき道徳心のテキストであり、兵法書とは異なる。
光秀を賢いだけのキャラクター設定にするのであれば『孫子』を暗唱させればいい。そうしない理由はきっとちゃんとあるはず。

もう一点、ガードがゆるいところ。

光秀さん、儒教の規範では、目上の人に逆らうのはいけないんですよ。主君の悪口は、よろしくない。それに、奢ってくれている久秀さんはあなたの主君の大ファンだぞ!

実はこの光秀は、人間離れした賢さがあるわけでもない。かつ、飲酒やストレスでガードがさらに緩くなる。ここは重要でしょう。

金が懐にあるって、久秀が気付くような甘さもありました。酔って絡んで、そして光秀は……。

朝チュン……ではなくて。ともかく朝だ。ガバッと起きます。

「うう、わしは何をして……あっ! おお……うおーっ、ははははっ! 鉄砲だ、鉄砲だー! 久秀さまぁ〜!」

枕元に、季節外れの久秀サンタさんからプレゼントがあるよ!
中身はなんと鉄砲だよ、やったね!

なんだこの、夢のような松永久秀。素晴らし過ぎる。

「おはようございます! お世話になりました」

さて、久秀のおかげでわくわく帰り道へ。
京都へ立ち寄ります。

焼け跡がある。荒れ果てた京都。美しき京都は荒れ果て、人々は住まいを追われ、都は貧しいものたちの巣窟となっておりました。

すっかりスラム街だ。
ちゃんと死体らしきものもある……。

 

名医を探して

光秀は名医を探すのですが、今は将軍ですら近江に逃げるほどだと聞かれた僧侶は言葉を濁します。どうにかしえて六角堂の望月東庵の情報を掴み、現地へ向かうのですが。

応対に出たのは、若い娘の駒です。

先生は不在で治療はしないとキッパリ。光秀は治療ではなく、お願いがあるとすがります。

どうやら彼女は、借金取りと間違えているらしい。光秀、ちょっとショック! そんな悪い人じゃない、そう見えますかと必死です。斎藤山城守の美濃まで来て欲しいと名乗りつつ言うのですが。

「名医? 誰がそう言いました?」

以前はそう言われたけれど、今はそうじゃない。昔ほど名医じゃないと言いながら、駒は質屋に向かいます。そこで蚊帳を質入れして、夏ならともかく秋の終わりだと30文だと値切られるのです。

ガッカリしつつ、今日の米代にはなると屈する駒。光秀に追いつかれつつ、五年前に質屋主人の酷い黄疸をなおしたのに恩知らずだと駒は怒っています。

この場面でも、孤児の泣き声が聞こえてきます。

駒は美濃の御城主はいくらくれるかと聞いてくる。「それ相応に」と濁す光秀。
百貫くらい? あてずっぽうで言われて、光秀はびっくりする。

相応の中身を駒は確認したいのです。光秀はちょっと甘いところがあるようです。

先生に相談すると駒はいい、家まで向かいます。そこには、歯痛を抱えるウメという幼い少女と、東庵がおりました。

しかも、サイコロ振ってる。
鍼を打つかわりに、双六をしていた、銭はかけていないと言い訳がましく言います。駒は呆れておりますが。

ウメは鍼が痛くなかったと告げ、去ってゆくのでした。

 

誇りを失わぬこと

東庵は、光秀の用件を聞いても冷たいのです。
美濃になど行かん。百貫だろうが、千貫だろうが嫌だと。自分は名医でもないと言う。かつ、名医は御所の周り、将軍様の周囲にわんさとにいるって。

京都からわしがいなくなると、双六仲間も寂しがる。賭けて夜逃げしたと勘繰られるのもしゃくだって。

駒はご本心を言って欲しいと粘る。
先生も、私も、百貫は喉から手が出るほど欲しいはず。もっといい薬草、道具も新しくしたい。余裕があればお金に困っている人でも助けられる! 半年くらいならばよいはず、光秀に確認しつつ、そう粘るのです。

東庵はここで吐き出します。

あるとき彼は、御公家や大名の脈を取るのはやめようと決めたのです。具合が悪いから診てくれと言われ、ここに病人を残して出かけた。見事な一室に通されたものの、病人はいない。中庭に連れて行かれた。

そこに犬が一匹いた。

大事な犬ゆえ、金はいくらでも出す。

それで彼は申し上げたのです。
犬に打つ鍼は、ありませぬ。以後、お呼びはかかるまいと思うたけれど、それでよいと。そう笑うのです。

光秀は、砂に水が染みてゆくような、そんな顔になっている。彼はわかりましたと告げるしかありません。

父は自分が幼い頃、病死してしまった。生前の父を知る者は皆、立派な武士であったと言います。

その父が、よく申していたことがある。

大事なのは、ひとつ。ただ、一つ。誇りを失わぬことだ。

今のお話を伺い、ふとそのことを思い出したのだと。これ以上はもうしませぬ、お気持ち腑に落ちました。そう言い切るのです。

そう立ち去ろうとすると、火事が起こっていました。

 

燃え尽きてよい命なぞ、この世にひとつもないから

なんでこんなタイミングで?
盗賊のせいです。地獄だー!

駒に薬を持ち出すよう告げて、避難開始。光秀は武芸で数名と切り合っています。

ここで酒屋の娘が火の中に取り残されているという急報が!

「おウメちゃんが!」

駆けつけると、母のミキが叫びます。

「先生、ウメが死んでしまう!」

柱のせいで、動けないのだそうです。駒が助けようとすると、光秀が止めます。水を浴びて、子どものいるところへ走ってゆく。

「お侍さまっ!」

そこへ、東庵は濡らした布を胸に入れます。

燃える家に入る光秀。撮影は大変だったことでしょう。
程なくしてウメを発見! 濡らした布を出し、柱に挟まれた脚を気遣いつつ、テコの原理でどかします。

冷静で知性的な光秀です。

崩れ落ちる酒屋。叫ぶ母。その前に、少女を抱き抱えた光秀が出てきました。気を失っているが、息はある。そう告げるのです。

気付け薬を用意させつつ、素早く触診をして、無事を確かめる東庵。これは名医だ。駒は薬の名を読みあげつつ、歩いています。

仕事が丁寧ですね。
こういう名詞をきっちり出すのも、担当者あってのお仕事です。

おまじないかと驚く光秀に、駒は気付け薬の中身だと答える。すべて混ぜて、おウメちゃんに飲ませたそうです。

駒はお礼を言う。先生の薬は効く、きっと良くなると言います。変な人、お礼なら自分で言えばいいのに。子どもの頃からずっといるのに、変な先生だと思う。そう語る駒。

 

麒麟がくる

駒は子どもの頃、先生に拾われ、薬のことを教えられてきました。

親が戦の巻き添えになり、常楽寺近くにあった家が火災で焼け落ち、三つで孤児になってしまった。まだ何もわからないけれど、助け出してくれた人の大きな手だけは覚えている。

それを思い出した。

おウメちゃんと同じだった。熱くてもう駄目だと思っていたのに、大きな手が抱き上げて、外へ連れて行ってくれた。もう大丈夫だと言われても、ずっと泣いてた。戦は怖い、いくさは怖いって。

そうしたら、こう言って慰めてくれた。

いつか、戦が終わる。

戦のない世の中になる。

そういう世を作れる人が、きっと出てくる。

その人は、麒麟を連れてくるんだ。

麒麟というのは、穏やかな国にやってくる不思議な生き物だよ、って。

それを呼べる人は、必ず現れる。

麒麟が来る世の中を。

だから、もう少しの辛抱だ――。

「麒麟か……」

光秀は問いかけます。

「その大きな手の人は、どういう方ですか?」

「知りません」

通りがかった人。泣き止むまであやして、引き取ってくれる人が出てきて、行ってしまった。あとで聞いたら、立派なお武家様だった。

「明智様は、おウメちゃんを助けた大きな手の人ですね」

「私の手はそんなに大きくない」

光秀は謙虚なのでしょう。
少女からすれば十分大きい。そのことに気づけないし、いばることもしない。謙虚で、とても優しい人だ。

その光秀はこう言います。旅をしてよく分かりました。どこにも麒麟はいない。

何かを変えなければ、誰かが。

美濃にも京にも、麒麟は来ない。

ここに東庵が来る。
ウメちゃんは元気になりそう。双六しようと言ったぞ、って。

ひとまず安心ですが、困ったことがあるそうで。

「困ったものだ。家が焼けた。あれでは治療などできぬ。直すには金がかかる。いっそ美濃にでも行くかと……善は急げと申すからな」

「美濃へ……帰れる!」

光秀、旅の目的終了です。

とんとん拍子?
ご都合主義?
いいえ、あくまでこれはフィクション。

光秀の性格、嫌いなもの、価値観、本作のテーマが詰まっているのですから、上出来ですとも。
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