石神井城の石碑

諸家 れきしクン

豊島泰経とは?としまえんや石神井公園を居城とした名門武将消える【関東戦国譚】

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【豊島泰経】
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名将・道灌に大敗 弟も討ち死にしてしまう

兵は拙速を尊ぶ――。

本来であれば、主役である豊島泰経さんが【孫子の兵法】にあるような迅速な攻撃を仕掛けたとしたいところですが、すいません、逆です(笑)。

太田道灌は持ち城を分断する脅威の勢力である豊島泰経さんを攻撃!
まずは練馬城に兵を進め、お城に矢を放ち、城下を焼き払って一旦引き上げました。

この報せを受けた豊島泰経さんは、援軍に向かうため石神井城を出陣! 攻撃を受けた練馬城の弟(豊島泰明)も、合流して太田道灌との合戦に臨みます。

時は文明9年(1477年)4月13日。
両軍は江古田・沼袋(東京都中野区)で激突しました。

世に言う【江古田・沼袋原の戦い】です!

主役である豊島泰経さんが大勝利!
と言いたいところですが、これまた結論はその逆です……。

氷川神社に陣を張った太田道灌は、薩摩国(鹿児島県)の島津家が得意とした「釣り野伏」の如く、練馬城を攻撃することで豊島泰経さんを石神井城から誘き出し、野戦で一気に決着を付けるという作戦だったのです。

この策にまんまとハマってしまった豊島泰経さん。
合戦上手の太田道灌に散々にヤラれ、弟の豊島泰明が討ち死にしてしまうなど大惨敗を喫し、命からがら生き残った家臣たちと共に石神井城に逃げ込みました。

氷川神社 (中野区沼袋)/photo by Kamemaru2000 wikipediaより引用

 

道灌への降伏を申し出るが……

謀反の主体である長尾景春を早く鎮めなくてはいけない太田道灌は、豊島泰経さんへの攻撃の手を緩めません。

翌日の4月14日には、ついに石神井城を包囲。
この戦況を受けて豊島泰経さんは、太田道灌への降伏を申し出ます。

降伏の条件は「破城」(お城を破却すること)でしたが、豊島泰経さんは破城を実施せず、太田道灌としても「虚偽の降伏」だと考え、今度は石神井城を総攻撃!
そして4月28日に落城してしまいました。

氷川神社(石神井公園内) 豊島家と石神井城の守護神として城内に祀られた

この総攻撃を受けた豊島泰経さんは「もはや、これまで…」と覚悟を決め、家宝の「黄金のくら」の白馬に乗って、石神井城の崖下の三宝寺池に身を投げて命を絶ちました。
馬と共に沈む豊島泰経さんを見て悲しんだ娘の「照姫」も、父の後を追って身を投げて亡くなります。

三宝寺池

こうして豊島家は滅亡。

その後、三宝寺池からは黄金の鞍と思われる眩い光が現れました。

やがて池のほとりには豊島泰経さんと照姫を供養するための塚が建てられたものの、池から光を見たというウワサや照姫の幽霊を見たというウワサが絶えませんでした。

殿塚(豊島泰経のものと伝わる塚)

姫塚(照姫のものと伝わる塚)

というのは、伝説のお話!!!
豊島泰経さんは死んでいません!

実は照姫の存在も確認されていません。明治29年(1896年)に書かれた小説『照日の松』が元ネタになった架空の人物です。

この伝説がいつからか真実味を増していったようで、明治41年(1908年)には三宝寺に沈む金の鞍を発見するため、地元民が東京都知事に許可を得て捜索を行ったそうです。
あれ?「池の水全部抜く」的なやつだ(笑)!

 

石神井城を脱出するもその後の行方は……

いったい豊島泰経さんはどうなったのか。

なんと、落城前夜の夜陰に紛れて石神井城を脱出。
包囲を切り抜けて、平塚城に逃れています。実にしぶとい!

翌年の文明10年(1478年)に再起を図りますが、再び太田道灌が鎮圧のために出陣すると、平塚城で籠城戦をすることもなく、戦わずして足立郡に敗走しております。

そして驚くことに、それから豊島泰経さんは行方不明……消息が一切分かっていないのです。
一体どこへ行ったの!?

ちなみに、以前の説ですと、石神井城を脱出した豊島泰経さんは平塚城ではなく「小机城」(神奈川県横浜市)に逃れたとされていました。
が、現在では否定されています。

ただ、小机城も長尾景春に味方したことから、同じく太田道灌に攻め落とされています。

その後「長尾景春の乱」は太田道灌によって鎮圧されました。

小机城

平安時代末期からの名家に生まれ、武蔵国の南部に大勢力を張った豊島泰経さん。
とにかく相手(太田道灌)が悪かったです。

石神井城の落城と平塚城の自落を受けて、400年以上の歴史を持った名門の豊島家は滅亡を迎えました。

しかしながら、石神井城では先述のように豊島泰経さんと照姫の落城伝説が語り継がれていき、石神井公園では現在、豊島泰経さんや照姫が登場する『照姫まつり』が開催されています。

照姫まつり公式サイト

このお祭りでは、豊島泰経さんや照姫などの役を一般公募していて、当選した方は石神井公園から石神井駅までの照姫行列パレードや舞台演技を行うことができるそうです!

私も応募してみようかと思ったのですが、本番までに8回の演技練習があってスケジュール的に厳しそうなので断念いたしました…。
今年は1月9日(木)に締め切られてしまっているので、興味のあるお方は来年是非チャレンジしてみてください!

それでは、次回の“ご当地マイナー武将”もお楽しみに!

文:れきしクン(長谷川ヨシテル)

◆れきしクンって?

元お笑い芸人。解散後は歴史タレント・作家として数々の番組やイベントで活躍している。
作家名は長谷川ヨシテルとして柏書房やベストセラーズから書籍を販売中。

【著書一覧】
『あの方を斬ったの…それがしです』(→amazon link
『ポンコツ武将列伝』(→amazon link
『ヘッポコ征夷大将軍』(→amazon link

◆Youtubeも絶賛放映中「それいけ!れきしクンTV」

 



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