戦国史の俗説を覆す』渡邉大門

諸家

戦国時代の有名エピソードを片っ端から検証『戦国史の俗説を覆す』が面白い!

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「宰相殿の空弁当」っていうけど関ヶ原の毛利家どうなってるの?

関ヶ原の毛利家といえば「宰相殿の空弁当」で有名ですね。

関ヶ原を決定づけた「毛利の手弁当(空弁)」 本当の裏切者は吉川広家?

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ここでは本当の裏切り者といえば吉川広家ではないか、という従来の説を検討。

江戸時代以降、広家こそが毛利家を救い、恵瓊は勝手な行動で道をあやまらせた奸臣とされてきましたが、それって恵瓊に全て責任転嫁させて切断処理をしていないか、と丹念に史料を検討し、指摘しております。

 

小早川勢は家康に「問鉄炮」された?

関ヶ原の小早川秀秋といえば、ともかく優柔不断です。

ドラマでもゲームでも、小心者という顔立ちをしています。そんな性格だから、家康に銃撃されないと腰もあげなかった、とされるわけです。

しかし、西軍の大谷吉継討ち死にの状況等検討をしていくと、開戦の時点で秀秋の軍勢は西軍を攻撃するために動いていることがわかります。

そもそも史料でも開戦後まもなく動いている、西軍に攻撃を仕掛けているのがわかります。

小早川秀秋は本当に裏切り者だったのか? 21歳で死亡した秀吉の養子

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ならなんで秀秋がギリギリまで迷ったことにするかというと、江戸時代に「あっさり裏切ったら面白くないからギリギリまで迷わせよう!」と話を作ったのではないか、ということ。
うーん、なるほどねえ。

 

家康が豊臣氏を追い詰める様子は本当なの?

2016年大河ドラマ『真田丸』で、徳川家康が豊臣氏をガタガタにしていく様に怒った視聴者も多いことでしょう。

特に、石田三成が気の毒でした。

家康だけではなく、加藤清正福島正則も三成の心情や忠誠を理解しようとはしません。

あの過程を、家康なり三成なり、それぞれの人物のキャラクター性によるものだとするのは、フィクションでは理にかなっていて正しいことです。

ただし、歴史を検証する場合は異なります。

本章は馬廻衆(直臣)と所領が与えられた大名の立場等をふまえ、検証しております。

 

大坂冬の陣のあと、堀を騙して埋めた?

大坂冬の陣の和睦交渉のあと、騙し討ちのように勝手に堀が埋め立てられてしまう……。

大坂方から見たフィクションでは、あまりの憎たらしさに歯ぎしりしてしまう場面です。

ただしこれは間違いで、大坂側の了承の上埋め立てた、というのが現在の見方。

その点を考察しております。

 

まるで歴史の松花堂弁当

いかがでしょう?

知りたい説をコンパクトにまとめた本書は、まさに歴史の「松花堂弁当」といったところ。

本書は2017年時点での最新研究を把握できる、まさにこの一冊が欲しいと言いたくなる本なのです。

ただし、大仰なテレビ番組のように「謎が明かされた!」「歴史ミステリを解明する!」とうたってはいません。

「現時点ではこうだけど、史料の発見や研究次第では変わるかもしれない」

そう書いてあります。

本書はあくまで2017年時点での最新説。もしかしたら十年後にはがらっと変わっているかもしれません。

それはそれで興味深いこと。歴史という学問は進化するのですから。

いずれにせよ戦国史最前線を押さえたい歴史ファンの方には必見の一冊です!

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小早川秀秋は本当に裏切り者だったのか? 21歳で死亡した秀吉の養子

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文:小檜山青

【参考】

『戦国史の俗説を覆す』渡邉大門(→amazon link

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