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お城野郎!

城主のワガママもろに反映 【天守】には望楼型と層塔型がある

更新日:

 

改修中の姫路城がついに姿を現しましたね。

読売新聞姫路城

読売新聞より

白過ぎだと話題になっていましたが、この姫路城、1月まで修復の様子を公開していましたが皆さん行きましたか。

もちろん私は見に行きましたよ。

お城野郎ワンダーキャッスルジャパン20140604-1

お城野郎ワンダーキャッスルジャパン20140604-2

これがその時の様子です。公開最終日に近かったのでもうほぼ出来上がっていました。

お城野郎ワンダーキャッスルジャパン20140604-3

お城野郎ワンダーキャッスルジャパン20140604-4
近付くとそんなに白くないですよね。一日ここにいても飽きなかったですね。
何しろこんなに近くで天守を愛でる機会なんてそう滅多にないですからね。

 

お城野郎ワンダーキャッスルジャパン20140604-5
この角度だとちょっと白いですかね。ちなみにシャチホコは黒いです(豆知識)。

と、まあ自慢話はここまでにして・・・って自慢話だったのかよ!!と言う話は置いといて、前回の櫓に引き続き、今回は天守のお話です。

最初に「天守閣」と「天守」の違いについてお話しますと、結局は同じものを指しているので問題ないのですが、「天守閣」は幕末以降に使われるようになった用語で、それまでは「天守」と呼んでおりました。

「スパゲッティ」を「パスタ」と言い換えてイラッとさせたり、「Gパン」と言っている人に「デニムでしょ」と言って「一緒だろが!」と相手を無駄にキレさせるくらいの切れ味がありますので、このウンチク披露には注意が必要です。

 

前回の櫓でも少し紹介しましたが、矢倉を高くしていって何となくかっこ良くおさまったものが天主、殿主、殿守、天守(すべて読みは「てんしゅ」)と呼ばれました。

 

名称の由来は諸説あります。

城主=殿が住んだ→殿を守る場所、であったり、天主教=キリスト教の祭壇を置いたとか、天主=四天王の毘沙門天を祀ったなど様々ですがイマイチよく分かっていません。

いずれにしろ最後の砦であり、城の精神的支柱であり、総司令部であったというのは間違いないでしょう。

 

その天守の初期プロトタイプは矢倉の屋根の上に物見用の望楼を乗せたメゾネットタイプのものでした。

次第に「もう1階増やせんじゃね?」とか、
「2階の間取りを広く取りたいから2階まで矢倉にして3階を望楼にしたい。金ならあるゾ」とか、
「望楼も広くしたいんだよ、俺は。あとできるだけ高くお願いね。無理?無理を通すのが職人の腕の見せ所じゃねえか」とか、
「望楼だけど望楼っぽくしたくないのよ。なんかその物見櫓感?それが嫌なのよ。分かるかなー」とか、
「他人と同じじゃ面白くないじゃないですか。もう少し南蛮色強めにしたいんすよ。いやいや、別に切支丹じゃねえし。とにかく目立ちたいんすよ」とか、
様々な城主の無茶な注文をカタチにしたのが望楼型の天守です。

 

一方、「もういい加減にしろ!人手がいくらあっても足らねえ。できるだけ高く?内部は広く?シャレオツに?ああ、全部まとめてやってやるよ。これでもくらえ!」と言わんばかりのある程度の定型に沿った建売住宅のようなものが層塔型の天守です。
この層塔型は屋根の自由度が高いので、屋根の造りに城主の個性が発揮されています。

 

このように天守の分類には望楼型と層塔型の大きく分けて2種類の型があります。

どちらが先とか東西で違うとかそういうのはありません。

望楼型の方が初期プロトタイプの流れを汲んでいますので、何となく初期の天守には望楼型が多いですが、後期でもノスタルジーに駆られた城主が「俺がやっとこさ城持ちになったときのあの城(=掛川城 望楼型)を再現してえ」by山内一豊の高知城みたいな例もあります。

 

なかなか見分けるのが難しいのですが、三角屋根の平屋(入母屋造と言います)の屋根に櫓を積み上げていったのが望楼型で、1階部分から箱を大きい順番に積み上げていったものが層塔型と考えればよろしいでしょうか。

ちなみに以前は金閣寺や銀閣寺が天守の原型という説もあったそうです。確かに似ていはいますが、そもそも梁を縦横の井型に組んで行く天守と、梁を横だけで組んで行く寺社建築は全く違うようです。
この辺の違いからも天守は、プロトタイプ矢座(両国国技館前のあいつ)である井楼の流れを汲んでいることが分かって面白いですね。

 

ここからは個別に望楼型と層塔型を見て行きましょう。

◆望楼型

お城野郎ワンダーキャッスルジャパン20140604-6

熊本城

 

お城野郎ワンダーキャッスルジャパン20140604-7

松本城

この辺はさすがですねー。

熊本城は入母屋造の上にさらに入母屋造を乗っけて高さを稼ぎつつ、その上にちょこっと望楼を乗せる。望楼の物見櫓感がないのがいいですね。

一方、松本城は望楼部分が高く、望楼が主張して無骨な印象を与えますね。横の月見櫓(この時は改修中)がやや無骨感を和らげていますが。
入母屋造の1階より上が層塔型に近い造りで城造りの過渡期って感じがしますね。

 

中津城

中津城

思い切りフェイクな城ですが、全力で釣られてこそマニアというものです。

石垣から外にせり出すことによって石垣に雨水が浸水するのを守るだけでなく、下に向かって石を落としたり多彩な攻撃が可能になっています。平和な現代に作られたとは思えない超攻撃型の望楼型天守です。
ちなみにこのせり出しは熊本城にもあります。

 

掛川城

掛川城

手前の門で非常に見えにくいですが(笑)、掛川城は手前が望楼型で裏側が層塔型のちょっと変わった造りをしています。ここは木造で復元された天守です。高知城にそっくりですが、高知城が山内一豊時代の掛川城を真似たという逸話に則り高知城を真似て作りました。ややこしい。

 

お城野郎ワンダーキャッスルジャパン20140604-10

高田城

大雪でさっぱり分かりませんね(笑)
おい!説明のつかない写真載せるな!完全にネタで上げただろ!
天守代わりの三階櫓ですが、何となく望楼型でしょうか・・・。雪が溶けたら確認しましょう。

 

 

◆層塔型

お城野郎ワンダーキャッスルジャパン20140604-12

松前城

この積み重ねた感じが層塔型です。ちなみにフェイクです。

 

お城野郎ワンダーキャッスルジャパン20140604-13

江戸城富士見櫓

さすが江戸城。櫓も立派。ちなみに江戸城天守は層塔型だったようです。
金があればとにかくデカく造れるのが層塔型の特徴でもあります。

 

 

忍城

忍城

 

島原城

島原城

これらもフェイク。別にフェイクに層塔型が多いとは限りません。
宇和島城など層塔型の天守も現存しています。

造りやすいというのは昔も今も変わらないのかもしれませんね。

 

天守については、縄張りから見た分類だとか、屋根の形状だとか、壁の色とか、ヨーロッパの城の天守との比較とか
ちょっとしたウンチクの宝庫なのですが、残念ながらもう私のライフはゼロよ!

ということで、またいつの日か。

 

 

さて本日のまとめです!
これでまた城見物をしているパンピーファンに差をつけちゃいましょう。

 

ひとつ!

「望楼型にしては物見櫓感がないのが天守閣してるよねえ」

 

ひとつ!

「ほう、あえて望楼を高くしてるか。片時も忘れない戦国の気風を感じるねえ」

 

ひとつ!

「層塔型は味気ない?俺には極限まで進化した井楼にしか見えないけどね」

 

ひとつ!

「この層塔型天守。重戦車のようなフォルムが実に攻撃的だよ。こういう天守で籠城したいもんだね」

 

 

 

 

 

筆者:R.Fujise(お城野郎)

日本城郭保全協会 研究ユニットリーダー(メンバー1人)。
現存十二天守からフェイクな城までハイパーポジティブシンキングで日本各地のお城を紹介。
特技は妄想力を発動することにより現代に城郭を再現できること(ただし脳内に限る)。

 

※編集部より

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