三国志 Secret of Three Kingdoms

『三国志 Secret of Three Kingdoms』/amazonより引用

歴史ドラマ映画レビュー

マニアも唸る『三国志 Secret of Three Kingdoms』23の疑問に答えます!

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三国志 Secret of Three Kingdomsの疑問
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当時はイケメンの時代だった……今も華流ドラマファンは厳しい!

曹操たちの生きた後漢から魏晋南北朝時代は、中国史で最もイケメンが重視された時代です。

三国志』の英雄は、ともかく見た目をジャッジされています。

後世、フィクションで強調されたとはいえ、元からしてイケメン需要時代なのです。

メンズメイクが流行したこともあり、何晏(かあん)は常に化粧道具持参。いちいちイケてるかどうか確認していたほど。

「最近の若者は見た目ばかり気にしていかんな!」なんて嘆きもありました。

じゃあ、そんな何晏、あるいは周瑜が当時最もイケメンなのか?

そうではありません。近い時代に、潘岳という中国史上最高のイケメンがいます。

文学作品では「まじイケメン、現代版潘岳じゃね!」という表現がしょっちゅう出てきます。ちなみに親友の夏侯湛(夏侯淵の曾孫)もイケメンで「双璧」と呼ばれたとか。

当時の女性は元気いっぱいで、潘岳を熱狂的に推しておりました。

潘岳が出かけると「ぎゃーーーーー!」と推しメンにざわつく女子が果物を車に投げ入れ、帰宅するころにはいっぱいになっていたとか。まさにアイドルですね。

ちなみにイケてないことで有名だった左思という人物は「キメエんだよ!」とおばあちゃんたちに唾を吐かれまくったそうです。

文才はあったんですけどね……イケメンは正義、その反対には辛い時代だったんですよ。

そして今、中国ではドラマファンの美形要求は凄まじいことになっています。

「このドラマはそもそも顔値が低いからダメだな!」

そんな痛烈なコメントがインターネット上で盛り上がる。日本の比じゃないのでは?と思うほど、厳しいのです。

答:『三国志』とは、そもそもがイケメン正義ワールドだ!

 

司馬家と曹操の関係は?

劇中である通り、司馬防が曹操を洛陽北部都尉に推薦しました。

曹操としては、出世の糸口をくれた人という認識です。

司馬防の息子は「八達」と称され、才能があることで有名でした。

曹操はそこで二男・司馬懿をスカウトするものの、司馬懿は露骨に嫌がったとされているのです。

そのために仮病を使ったといういつわが、本作にも使われております。

答:腐れ縁、とでも言いましょうか。そこは確かです

 

司馬懿の車椅子はなんなの?

なんかしょうもないアリバイをしてバレる、司馬懿車椅子騒動。ギャグでもなく、史実準拠ではあります。

司馬懿は曹操からスカウトを受けると、嫌がって中風の仮病を装いました。

曹操は疑いまくって人を遣って針を突き刺させたり、脅迫したり、いろいろと最悪なことをして陥落させているのでした。

針突き刺したとかなんとか、誇張もありきじゃないかという気がします。そういう仮病とそれを見抜く構図は、史実準拠ということです。

答:仮病伝説の誇張。根拠があるといえばそう

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曹丕がなんか闇の剣術みたいなのをマスターしているけど?

曹丕が名前しかほぼ伝わっていない王越や王服に巻き込まれ、死にかけるわ、闇の剣術のようなものをマスターするわ。なんだかすごいことになります。

これは中国の伝統的な武侠ものの要素を入れた展開です。唐瑛と曹丕は、武侠超展開に巻き込まれます。

答:武侠要素で盛り上げているのです

 

華佗一門って何?

華佗とは、史実では伝説的な名医です。曹操が短気を起こして殺害したとされております。

そういう史実に『三国志演義』はじめフィクションは大胆な脚色をしてきました。

本作ではなんと郭嘉が華佗一門に属しており、兄弟子と揉めております。

一体なんなんだその設定は、闇の組織か!

そう突っ込みたくなるでしょうが、これも武侠もののお約束。毒の使い方も本作はなかなか大胆で、これも武侠だということでお願いします。

武侠要素が出てくるということは「ここはフィクションです」とわかるので便利です。

答:これまた武侠要素です

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甄宓と曹丕の関係は?

このドラマでなかなか面白く、秀逸であるのが甄宓と曹丕の関係です。

いろいろと疑問点があるところを、うまくまとめています。

まず、彼女は袁紹の子・袁煕の妻です。袁一族が敗北し、鄴が陥落した際に見染めて妻にしたとされています。

けれども、そんな略奪愛、政治的な後ろ盾がない女性を妻とするというのは、曹丕の性格的にどうなのでしょう?

曹植と後継者争いをしているとなれば、不自然と言えばそうなのです。

本作は大胆なロマンスが盛り込まれ、甄宓は奔放な魅力がある女性になりました。あの曹丕が、唯一燃やした愛のようにも思えます。

この甄宓は、罪を着せられ死を賜り、罪人扱いをされて埋葬される異常な処遇を受けています。

太子である曹叡の母であることを踏まえると不自然。

そこで、絶好の創作物の題材にはなりました。

一番有名なのが、曹植と愛しあっていたというもの。曹植の『洛神賦』は、彼女への愛を詠んだというものです。

創作上、彼女の名は「甄宓」や「甄洛」とされるのは、そこから来ています。本作では甄宓を採用しています。

ただし、これは甄宓と曹植にとっては不名誉な伝説かもしれない。

兄嫁に恋愛感情を抱くなんておかしい!

そうなりますね。このドラマでは、曹節が別の場面でそのことを指摘していますが。

本作は、この二人の関係性をリセットしました。そのうえで、曹丕との関係がこじれて甄宓は死へ追い込まれる設定にしています。

曹丕は結局、愛を見せられない男!

そんな冷血な男はお断りだ!

そう手厳しいダメ出しをしている。極めて冷酷ですが、史実からの解釈としてありえますし、そもそも甄宓があんな悲惨な死を遂げた理由は不明なのです。

極めて高度かつ、うまい処理とは言えます。曹丕が気の毒ではありますが。ただ、曹丕がそうなる動機やトラウマとなる事件を丁寧に入れてはおりますので、作劇上致し方ないのでしょう。

むしろ、他の作品より曹丕の内面を描くことに力を入れていると言えます。

答:甄宓の問われた罪が不明瞭ですので、そこは脚色できます

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