イエス・キリストの踏み絵/photo by Chris 73 wikipediaより引用

江戸

竹中重義「踏絵」を最初にしたのはあの半兵衛の遠類?密貿易がバレて切腹に

寛永十一年(1634年)2月22日は、府内藩主竹中重義切腹した日です。

これが江戸の初期を象徴するような事件でして。

振り返ってみましょう。

 

あの「踏絵」を一番最初に断行した!?

「竹中」とくれば連想されるのは竹中半兵衛(重治)ですが、直接の子孫ではありません。

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半兵衛のいとこかつ義弟の子供です。半兵衛から見れば義理の甥っ子ですね。

となると何となく頭が良さそうなイメージがわいてきますけれども、重義の場合そう言っていいのかどうかビミョーなところがあります。

土井利勝の推薦で長崎奉行に任じられたまではよかった。その後、ドギツイ政策をとってしまったのです。

重義は、あの「踏絵」を初めて行ったという説もあります。

つまり、キリシタン弾圧に非常に熱心な人だったんですね。

もちろん幕府としてもキリスト教を禁じる方針でしたし、信者を大勢火炙りにしたりはしていましたが、それにしても重義の行った政策は苛烈なものでした。

「穴吊り」という、ここで詳細を述べるのがはばかられるような拷問を用いたりしています。キリシタン関連でなくても、江戸時代の拷問・処刑って【CERO-Z(18才未満お断り)】なものが多いですけどね……。

 

密貿易がバレて切腹! 親族は隠岐に流される

ここだけ見ると重義はくそ真面目でお堅い人に見えますが、そうでもありません。

徳川家光時代になって、弾圧の陰に隠れて密貿易をしていたのがバレているのです。これが切腹になった直接の理由でした。

しかも息子を巻き添えにした上、命を助けられた親族も隠岐に流されてしまったというのですから、迷惑もいいところです。

ちなみに、重義の切腹から三年後に島原の乱が起きています。

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島原の乱はキリシタンだけが反乱したわけではありませんが、おそらく乱に参加した人の中に、親族や知人が重義によって拷問にかけられたり、処刑された人もいたのでしょうね。

ともかくこの乱が失敗に終わったことで、キリシタンたちが表立って信仰を口にすることはなくなりました。

しかし彼らは、どうにかこうにか幕府の目をかいくぐってキリスト教を語り伝えていきます。「隠れキリシタン」と呼ばれる人々です。

 

江戸中期から幕末にかけて長崎で大々的な弾圧事件が

彼らは観音像を聖母マリアに見立てて拝んだり、キリスト教に関するもの、例えば十字架などをまとめて隠しておいたり、さまざまな方法で信仰を保ちました。

江戸時代が終わっても、明治時代の初期までは「キリスト教はダメ!!」ということになっていたので、ありとあらゆる方法が試みられています。

特に長崎近辺では、江戸時代中期~幕末にかけて「浦上◯番崩れ」と呼ばれる大規模な弾圧事件が四回起こっており、信仰の規模が大きかったことが伺えます。最後の「四番崩れ」が起きたのは、なんと幕末も幕末、慶応五年(1867年)のことです。

この頃になるとヨーロッパ各国の領事や公使たちが国内にいたので、「宗教弾圧は人道に外れる行いだ!」と大きく非難されました。フランス公使レオン・ロッシュが徳川慶喜に直接抗議をしていますが、実はこれ、大政奉還の約1ヶ月半前の事だったりします。

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弾圧は確かにマズイですし、ほぼ100%クリスチャンの国々が抗議するのも当たり前の話。徳川慶喜からすれば「今そんなの構ってられないんだけど(´・ω・`)」という感じだったでしょうね。

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右近の領地だったため信仰が続いた

キリスト教は明治六年(1873年)から認められました。

それ以降信仰を隠す必要はなくなったのですが、現在もヨーロッパのやり方ではなく、先祖代々のやり方で信仰を保っている家は少なくありません。たまにテレビでも取り上げられるので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

隠れキリシタンの里だったと思われる集落は長崎以外にも多数存在しますが、もともと迫害されていたものですから、当時の信仰を表すものは破損しているケースが多々見られます。

長野県塩尻市にある「マリア地蔵」などは、首を落とされてしまっていてかなり恐ろしい感じが漂います。

その中で珍しく、状態の良い物が残っているのが……。
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