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明治・大正・昭和時代

犬の名前は、なぜポチなのか? 起源は明治時代 ある意味これも文明開化

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ペット保険を手がけるアニコム損保さんによると、「2017年犬の名前ランキング」の上位は以下の通りです(参照)。

1. ココ
2. ソラ
3. マロン

なんだか想像するだけでも可愛らしい名前が並んでいますよね~。
あくまでイメージですが、トイプードル、ヨークシャテリア、チワワあたりに付けられそうな感じと申しましょうか。

お菓子のように可愛らしく、夢のある名前をつけたい――飼い主のそんな温かい気持ちを感じます。

これが昭和になりますと、「クロ」とか「シロ」、あるいは「ブチ」といった毛色由来の名前が多かったように感じるのですが、他には映像作品などにも影響されたりするようで。
漫画・ドラマ『動物のお医者さん』のチョビとか、映画『南極物語』のタロとジロとか、大ヒット作品に関連して名付けられる現象はよくみられました。

さらに時代を遡ってみます。

毛色や模様からの由来ですと、白虎隊士・酒井峰治の愛犬「クマ」がいます。
おそらく熊のように黒かったのでしょう。

『南総里見八犬伝』の犬は「八房」。模様が八カ所あるわけです。

『南総里見八犬伝』の八房/wikipediaより引用

毛色ではなくどういう理由で付けられたのかわからないのが、『枕草子』に出てくる「翁丸」。
北条高時は「雲竜」ですから、なんだかお相撲さんのようでもあり、立派な体格の犬をイメージしますなぁ。

西郷隆盛の愛犬は「ツン」。
残念なことに、犬を愛した人がいたことはわかっても、愛犬の個体名はあまり残っていないようです。

円山応挙の描いた子犬、可愛い!

 

ランキングに登場しないのに典型的

さて、ランキングに全く登場しないものの、「犬といえばコレ!」という典型的な名前があります。

それは、ポチ――。

メディアでも度々登場しております。
「THE 犬」と思える名前といえば? 1位「ポチ」マイナビウーマン
「ポチたま」
「タマ&フレンズ」

さて、この「ポチ」ですが、起源をご存知でしょうか?
というか「起源があったのをご存知でしょうか?」とお尋ねしたほうが良さそうですね。

結論から申しますと、明治時代。
この時代、多くの外国人がやってくることによって生まれたのです。

まず、背景に、こんなエピソードがありました。

幕末から明治にかけて、来日した外国人は愛犬にこう呼びかけておりました。

「カモン、ジョン!」
「カムヒア、ジャック!」

このときの「カモン」とか「カムヒア」の発音が、日本人には「カメ」と聞こえてしまった。
そして
『そうか、西洋じゃ、犬のことを「カメ」と呼ぶのか』
という誤解が生じ、今度は洋犬を「カメ」と呼ぶという、ちょっと奇妙な状態になったわけです。

同時に問題になったのが、そんな洋犬「カメ」たちにふさわしい個々の名前です。

それまで犬の名前と言えば、【トラ、クマ、ムク、クロ、シロ】といった名前がほとんど。
一目で特徴のわかる名前が好まれておりました。

仮に共同体で飼育する場合、都合がいいということもありましょう。
「クロはどこに行った?」
と聞かれたら、とりあえず黒い犬なんだな、とわかりますからね。

では洋犬「カメ」はどうするか?
というと西洋風の名前にしようということで、ジャック、ジャッキー、ジョンといった名前が増えてきます。

その中の一つに「ポチ」もあったのですね。
当時は、これが西洋っぽい、お洒落ネームだったのですね。外来語のフシギです。

一方で外国人にとっては狆が大変珍しいお土産として人気を集めました。エドワード7世妃アレクサンドラと愛犬パンチ/wikipediaより引用

 

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「ポチ」の語源は謎が多い

ここで疑問が湧くかと思います。

なぜに「ポチ」は西洋っぽい名前とされたのでしょうか?

明治時代ではありませんが、アメリカン・ケンネル・クラブ2015年の、人気名調査をみてみましょう(参照)。

オス
1. タッカー
2. ベア
3. デューク
4. トビー
5. ロッキー

メス
1. ベイリー
2. クロエ
3. ソフィー
4. マギー
5. セイディ

ポチに通じそうな「P」で始まる英語圏犬の人気名は「ピーナッツ」や「プリンス」だそうです。
「ポチ」にはかすりもしません。

ただし、英語圏では「ポチ」と同じく、典型的な犬の名前として「スポット」、「スポッティ」があります。
ぶち、まだら模様の犬という意味です。

「スポット」や「スポッティ」を実際にクチに出して発音してみてください。
このあたりまでいくと、少し近づいて来た気がしませんか? どちらかと言うとスポッティがより近いですかね。

こうした状況を踏まえた上で、諸説ある「ポチ」の語源を5つ確認してみたいと思います。

1. 日本語由来説(「ポチ袋」等の「ポチ」から小さくて可愛らしいという意味)
2. 英語圏の犬の名前「スポット」が由来
3. フランス語の「プチ(小さくて可愛らしい)」が由来
4. チェコ語、ロシア語が由来
5. 日本人がブチ犬を「ブチ!」と呼んでいるのを、横浜駐留の外国人が「Patch(ブチ)」と呼んでいるのだと思った。ブチ→Patch→ポチという変化

どれをとってもナルホド、と思わされます。

「これぞ!」という結論には至れず申し訳ありません。
ただ明治時代からというのは間違いなく、かくして「ポチ」は日本の犬の名前として普及してゆくのです。

そして明治以降の小学校では、愛唱歌や教科書に「犬はポチ、猫はタマ」と登場しており、いつの間にか典型的な名前として認知されました。

今ではすっかり古典的な名前となった「ポチ」。
そこには犬好きの人たちの確かな思いが詰まっていたんですね。

文:小檜山青




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【参考文献】




1位 薩長同盟
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2位 意外と優しい!? 織田信長さん


3位 甲斐源氏の重責とは?
武田信玄53年の生涯


4位 漫画『アンゴルモア』で
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5位 意外と知らない
源義経の生涯ストーリー


6位 史上最強の出世人だが
最期は切ない豊臣秀吉


7位 ゴツイケメンな幕臣
山岡鉄舟の信念


8位 藤原道長
出世の見込みなかった62年の生涯


9位 大政奉還から戊辰戦争
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10位 軍師の枠を超えていた!?
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