エルンスト・エンゲル/wikipediaより引用

明治・大正・昭和時代

日本のエンゲル係数がヤバかった 明治時代は超高水準で健全化は2005年頃?

1821年(日本では江戸時代・文政四年)3月26日は、「エンゲル係数」を生み出したエルンスト・エンゲルが誕生した日です。

「家庭の消費支出のうち、食費にかかる分がどのくらいか」という割合のことですね。

経済状態の指標としてよく引き合いに出されることで知られているでしょう。

基本的には「エンゲル係数が高い」=「支出における食費の割合が高い」=「生活水準が低い」ということになっています。

しかし、物価・税の上昇の影響や「趣味のためなら三色ふりかけご飯」みたいな人がまれにいることを考えると、絶対的な基準ともいいきれない気がしますね。

 

外食費やお酒も含まれる

エンゲル係数には家庭で料理をするための食材費だけではありません。

外食費やお酒も含まれるので、そのあたりの価値観によっても影響が出ます。

「野菜は有機栽培じゃないと!」とか「週に一度はパーッとお酒を飲みたい!」という人であれば、当然のことながらエンゲル係数が高くなるでしょう。

また、子育て世代ではいわゆる「エンジェル係数」(消費支出における教育などの費用の割合)が大きくなる分、エンゲル係数が低くなるでしょうし、健啖家もしくは少食な人であれば、それも影響しますよね。

まあ、だいたいの場合は大きな母数で傾向を見るものでしょうから、マイナーなケースを考えても意味がないでしょうけれども。

為政者が見る場合は、マイナーなケースを向上させることで底上げ対策を図ってもらいたいものです。

 

長い間、日本の家庭を圧迫していた食費

さて、それでは日本のエンゲル係数の変遷を見てみましょう。

エンゲル係数自体が1857年に発表されたものなので、あまり昔のことを考えるのには向きませんが……明治時代からおおまかに見ていきます。

ぶっちゃけた話、物価の変動まで考えるとこの記事が数字だらけになってしまって、書き手にも読み手にも優しくない感じになりそうなので(´・ω・`)、その辺は省略します。

明治時代のエンゲル係数は、なんと60~70%もあったといわれています。

その後もしばらくの間、食費は日本の各家庭を圧迫。戦後しばらく経った1979年ごろに、やっとエンゲル係数の平均が30%を下回っています。

「エンゲル係数20%が健全な状態」といわれることがありますけれども、その基準になったのはなんと2005年(22.9%)です。

ここ数年は20~25%で推移しているようですね。

 

バブルが崩壊しても意外に外食の割合は減ってない!?

それでは、ここからは「社会実情データ図録」様のグラフを参照に、食費の内訳を見てみましょう。

内訳では、「内食」がダントツ。家庭で調理して食べるもの、つまり自炊したもののことです。

その次に外食、お菓子・飲料・お酒などの嗜好品、お店で買ってきて家で食べるなどの「中食」が続きます。

何年か前に「中食の需要が増している」というニュースが流れたことがありますが、統計で見ても確かにかなりの割合になっています。

1985年と2011年を比べると、約1.7倍です。

そのぶん内食の割合は減っていて、1985年と比べて2011年は0.77倍です。

嗜好品や外食の割合はあまり変わっていないので、ほとんどの家庭で「自分で作る代わりに買ってきたものを家で食べることが増えた」ということになりますかね。

あまり大きな数字の変遷はないのですけれども、よく見てみると、バブル崩壊直後の1991~1993年あたりは、内食の割合が上がっていることがわかります。それでいて外食の数字が激減したということもないのが面白いところです。

このグラフに表されている1985~2011年の中で、1991~1993年がエンゲル係数が最も高い数字であることも興味深いですね。今は「節約」というと真っ先に食費を削る人が多いかと思いますが、不思議なものです。

1997~1999年あたりに一度全体的な食費支出は上がりながら、基本的にエンゲル係数はずっと減少傾向にあります。高齢化の影響で食べる量が減っているから、というのもあるでしょうか。

さて、次は日本だけでなく、外国の飲食費も見てみましょうか。
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