大伴旅人/wikipediaより引用

飛鳥・奈良・平安時代

万葉集「令和」の由来・大伴旅人は「酒壺になりたい!」お酒大好き歌人

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以下が酒LOVEな歌の一部です。

・しるしなき 物を思はずは 一坏(ひとつき)の 濁れる酒を 飲むべくあるらし
【意訳】gdgdと思い悩むよりは、にごり酒を一杯やるほうがいい。

・さかしみと 物言ふよりは 酒飲みて 酔ひ泣きするし まさりたるらし
【意訳】賢ぶってあれこれと問答するよりは、酒に酔って泣いている方がマシだよ。

・中々に 人とあらずは 酒壺に なりてしかも 酒に染みなむ
【意訳】人間でいるよりも、酒壺になりたいものだ。そうすれば酒に浸されていられるから。

・夜光る 玉といふとも 酒飲みて 心を遣(や)るに 豈(あに)しかめやも
【意訳】宵闇の中で光る宝玉よりも、酒を飲んで憂さ晴らしするほうが私は好きだ。

・よのなかの 遊びの道に 楽しきは 酔ひ泣きするに あるべかるらし
【意訳】世の中にはいろいろな遊びがあるが、酒に酔って泣くことに勝るものはない。

ここまでくるとよっぽどですよね。
酒壺の歌など、「彼以外の誰にこんな歌が詠めるのか?」と思ってしまうほどです。

 

もちろんお酒だけでもございません

しかし、ただのアル中でないことも確か。

酒以外を詠んだ旅人の歌は、彼の人生観が強く現れています。

・この世にし 楽しくあらば 来こむ世には 虫に鳥にも 我はなりなむ
【意訳】今生きているこの世で楽しく過ごせたならば、来世では鳥や虫に生まれてもかまわないさ。

・生まるれば 遂にも死ぬる ものにあれば この世なる間は 楽しくをあらな
【意訳】生まれたからにはいつか死ぬのだから、この世にいる間は楽しく過ごしたいものだ。

・我が命も 常にあらぬか 昔見し 象(きさ)の小川を 行きて見むため
【意訳】昔見た象の小川をもう一度見るまで、私の命が保ってくれるだろうか。

・うつくしき 人の纏まきてし 敷布しきたへの 我が手枕たまくらを 纏く人あらめや
【意訳】愛しい妻に貸した手枕を、この先他の誰に貸そうと思うだろうか。

・うつつには 逢ふよしも無し ぬば玉の 夜の夢(いめ)にを 継ぎて見えこそ
【意訳】現実で会うことができないなら、せめて夢では続けて会えたらいいのに。

 

厭世的な歌は、過酷な体験が反映されている?

この辺の歌からすると、旅人は相当に情の濃い人だったのでしょうね。

だからこそ武官だった頃に斃した敵軍や、犠牲になった自軍兵のことを、後々まで悩んでいたのではないでしょうか。もしかしたら、同じく酒好きで知られる上杉謙信あたりも……。

ともかく、アレコレと言葉で語るよりは、酒を飲んでじっと自分の中で消化していくほうが良いと思うのも納得できます。

「現世が楽しかったから、来世では鳥になっても虫になってもいい」

「この世にいる間くらいは楽しく過ごしたい」

というのも、何だか厭世的ですしね。

いずれにせよ、まさか自身が約1,400年後にもなって注目されるとは思いもしなかったでしょう。

新元号と大伴旅人にちなんだ「旅人酒」なんて飲んでみたいですね。

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長月 七紀・記

【参考】
国史大辞典
大伴旅人/wikipedia
やまとうた
日本経済新聞
西日本新聞

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