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「イスラム国」がシリアやイラクの文化財を戦費調達に売りさばいている!

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イラクを制圧しつつあるイスラム過激派「イスラム国」が、発生元のシリアともども占領地域で古代からの文化財を戦費調達のために売りさばいているそうです。

幾ら本物だとしてもゆめゆめ、こうした地域の品々を飛びついて買わないようにせねばなりません。テロに手を貸しているようなものですから。ワシントン・ポストが報じています(2014年9月14日付け)。

オバマ大統領は、あらゆる手を講じて対峙すると表明しているそうですが、敵もさる者。戦費調達に役立つとして目を付けているのが、メソポタミア文明時代の遺品。それらを「血まみれのアンティーク」と呼び、各マスコミが警鐘を鳴らしています。

「イスラム国」と言えば、世界で最も資金が潤沢なテロ集団として、金融情報に詳しいビジネス・インサイダーでも取りあげるほどなので、意外と言えば意外。ところが、実際にやっている事と言えば、占領地のシリアやイラクで紀元前の時代の宝物を略奪しては売りさばいているのだとか。

逆に言えば、だからこそ金があるのかもしれませんね。

さて、こうした略奪はワシントン・ポストだけでなく、英国のガーディアン紙でも深刻視しています。同紙によると、シリアのアル・ナブクという遺跡で、今から8000年前の古代の遺跡から出土した品々を略奪し、3600万ドルを調達したと報じています。

 泥棒から税金を徴収「ヘブライの王様」にちなんで十分の一税って

オハイオ大学のショウニー州立大学で教鞭を執るアムル・アル・アザム教授は、この地域から帰還しましたが、いわゆる「イスラム国」が、こうした宝物を略奪するだけでなく、地元のギャング団に盗む事を推奨し、認定料として20%から50%を懐に入れているとの事。何故か、この行為を、古代ヘブライの王様が行っていた「十分の一税」と呼んでいるとの事です。「アンタら、イスラム原理主義やろ」と、思わずツッコミを入れたくなる話ですね。

ともあれ、そうした宝物が国際社会に出回っている可能性があるとなれば、穏やかでは無くなります。

「こうした高級アンティークの略奪や違法売買がISIS(イスラム国の別名)に必要なのは間違い無い。深く関わり、実行に移しているのだ」と、教授は憂えてます。「アンティークの違法売買を止めさせる事は、ISISのテロ行為の実行費用を断つだけでは無く、シリアの文化遺産を致命的な損傷から救うのだ」。

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 略奪は買う人間がいるから

今年6月にアメリカの下院の外交関係の会合で、共和党のクリストファー・スミス議員がイラクやシリアなどの紛争地帯から盗み出されたアンティークの販売に制限をかける法案の提出に興味を示すなど、議会で問題視されるまでに至っています。また、英国の下院でも、アンティークをオークションにかける際に、慎重に議論していくのが重要だとマーク・プリッチャード議員が指摘しています。

実際、過去にはカンボジアで略奪された文化財がニューヨークでオークションにかけられた例もあるのだそうです。オークション業界は、テロリストの資金源を断つ事を自覚して欲しいと、ワシントン・ポストでも指摘しています。

とは言え、コレクターの方が他の誰よりも略奪者と近しい場合があるのが、事の深刻なところ。上記のカンボジアの略奪品の研究を行ったサイモン・マッケンジー氏とテス・デヴィス氏の報告によると、「多くの問題提起がされながら、片付いていない問題に応えていくことから始めねばならない。犯罪組織が略奪に関与し、密輸しているかどうかという問いかけには、イエスだ。そして対象となる場から運び出され、世界的に敬意を持たれている場に出て、公に売られる事がどれだけ多いかと言えば、実は少ないのだ」。

つまり、「旦那、エエもんがおまっせ」と耳打ちされるケースが多いようで。そりゃあエエもんだわね。何しろ盗んできたんだから。

各国政府や国際組織は、こうした略奪品の売買に神経を尖らせているのは言うまでもありません。昨年には「危機に直面しているシリアの文化遺産緊急レッドリスト」(Emergency Red List of Syrian Cultural Objects at Risk)という報告が緊急発行されていますし、ユネスコでも最近になってイラクの文化遺産を守る為に緊急アクション計画のコンサルティングに動き出しています。

頭の痛いのは、イラクとシリアだけでは無い所でしょうか。と言うのも、アンティークを扱う業界連合が、エジプトからの略奪品を扱うのを止めようと動き出しているからです。考えて見れば、あちらはあちらで、イスラム原理主義が台頭しつつありますものね。

 

さて、こうした措置ですが、大事なのは血まみれになったアンティークを、まず市場に出さない事だと、ワシントン・ポストでは論じています。同時に、世界中の関係者が一丸となって対応するべきだとしています。スイスのダボスで、政府やオークション・ハウスや博物館、ディーラーなど関係各位による「バリュー・チェーン」を作るべきではないかと、結論づけています。勿論、この中には鑑定業者やコレクター自身も含まれるそうです。

幸いにと言うか、過去には南アフリカの黒人虐殺に使われていた「血まみれのダイヤモンド」を根絶した事例( Kimberley Process)があるそうで、そこから学んではどうかとしています。「共同戦線を張る事で、人命と人類共通の文化遺産の両方を救う事となるのだ」と記事は結ばれています。

その通りですね。幾ら魅力的でも、危ない品は買わない。それが回り回って、自分達に向けられる刃を買う金になっているのですから。

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