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ヒポクラテス(Wikipediaより)

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週刊武春

若ハゲ予防なんて気にするな!歴史上の薄毛偉人たちの対策にハゲまされる

更新日:

人類永遠の悩みについて、今回は筆を進めていきましょう。
ズバリ言うとあれなんですが(苦笑)、えー、つまりハゲ。
ゲッハーでもいいでしょう。

古今東西とは良く言ったもので、薄毛・ハゲに悩む人は昔から洋の東西を問わずにいたのですね。
スカパーのヒストリー・チャンネルがHPで特集を組んでいます。

 

最近、禿げてきた。そう3500年前から

これを見ると、本当に昔からハゲ治療で色んな事が試されてきたのですね。人類の執念!って感じすらします。

まず、古代エジプト。紀元前1550年にパピルスに書かれた(まだ紙が発明されていない時代でした)医学書に、既にハゲ治療の項目があったのだそうです。それによるとカバやワニ、雄のネコ、蛇、アイベックスという野生の山羊の脂肪を混ぜ合わせた薬を使うと効果があるとされたのですって。名指しされた動物にしたら災難ですね。動物愛護団体の関係者が聞いたら目をむきそうな気が(笑)。

これらを煮沸したヤマアラシの体毛に塗りつけ、なおかつ患部に4日間塗布するんだとか。この他、雌のグレイハウンドの脚をオイルソテーにして、ロバの蹄などと一緒に食べたのだそうです。ある種の食事療法という感じなのでしょうか。ちゅーか、味はどうだったんだろうか。

ちなみに、既にこの時代からカツラはありました。王族などで禿げになってしまった人の間で使われた記録があるのですって。

 

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さすがヒポクラテス!2500年後に抜け毛の原因が証明される

ヒポクラテス(Wikipediaより)

ヒポクラテス(Wikipediaより)

お次はギリシャ。近代医学の開祖とも言うべきヒポクラテス。紀元前460年に生まれ、今なお医学界では尊敬の的ですが、この人ももちろんハゲ。

色んな治療を試みたそうです。アヘンとセイヨウワサビ、鳩の糞、アオゲイトウという植物、各種のスパイスなどを混ぜ合わせた薬を患部に塗ったのだとか。「結局、本人を含む当時の知識人の生え際の後退を留める事は出来なかった」とあります。それにしても、アヘンって古代ギリシャにもあったとは。

もっとも、全部空振りには終わらなかったようで、去勢された男性(宦官)がゲッハーになっていないのに気づいたヒポクラテスは、どうしても薄毛を予防したいのなら去勢する手があると書き残しているそうです。あ、余りにも過激な(汗)。

もっとも、うんと時代が下った1995年になって、アメリカのデューク大学の研究で、去勢が実際に効果があると確認されたのだそうです。流石はヒポクラテス、面目躍如と言えましょうか?? でも、抜け毛防止のために去勢までしたくないよね。

 

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シーザーもはげしく悩み、でもモテた

ローマの英雄シーザーさんも(Wikipediaイタリアより)

ローマの英雄シーザーさんも(Wikipediaイタリアより)

さて、誰もが知っている歴史上の超有名な人物がゲッハーだったと、ヒストリー・チャンネルでは指摘しています。あのクレオパトラと浮き名を流したジュリアス・シーザー(カエサル)。髪が抜け始めると、あらゆる手立てを使って阻止しようとし、それでも駄目だと悟ると薄毛部分を隠そうとしたのですって。

まず、後ろの毛を伸ばしてゲッハーになっている箇所まで届かせて撫でつける。えー、つまりバーコード・ヘアの一種ですね。ちなみに英語ではcomboverもしくはcomb-overと言います。

余談ながら、現在のアメリカではビジネス・エグゼクティブ向けのコンサルタントビジネスとして、この種の外観に関するアドバイスをする場合があります。あの天下のウォールストリート・ジャーナルが書いているのだから間違い無いでしょうから、脱線的に引用させてもらいますと、ニューヨークでイメージコンサルタントを営むジュリー・レス氏は、ゲッハーになりつつあるクライアントさんに対し、スキンヘッドにしなさいとアドバイスしているそうです。「その方が強そうで自信家のイメージを持たれるから」だとか。

ゼネラル・モータースのダニエル・エーカーソン氏やアマゾンのジェフ・ベゾフCEOらが、代表格となりましょうか。確かにアグレッシブに見えますな。

反面、レス氏によると、いわゆるバーコード頭は「どことなく間抜けに見える」としています。

この他にも良い面があるそうです。2010年にヒゲ剃りメーカーのジレットが行ったアンケート調査によると、13%の人がスキンヘッドにしていると答えています。その方がファッションの幅などが広がるからだそうです。一方、スキンヘッド用のカミソリを発売しているヘッドブレード社によると、ここ10年で売り上げは3割増しとの事です。

シーザーも「俺の時代に、そういうコンサルタントがいたらなぁ」と天国で嘆いているかもしれませんが、いえいえ、ちゃんといてはりました。そう、あのクレオパトラです。

クレオパトラは別嬪さんにありがちな性格ブスではなく、シーザーのゲッハーを受け入れ(もっとも、そうでもしないと自分の王朝が滅ぶという政治的な打算だったのかもしれませんが)、各種の自宅療法を薦めていたそうです。具体的にはネズミと馬の歯、クマの脂肪などだったそうですが、「ほとんど効果は無く、この古代ローマの独裁者は月桂冠で自分の頭頂部を隠したのである」。

あ、だから皇帝を目指したのか??

ちなみに、クマの脂肪は現代でもポマードとして使われています。恐らく、髪の毛をゲッハーな部分に接着させようと思ったのでしょうね。

 

ルイ14世のお父さんも…近代と共に復活したカツラ

ローマ帝国が滅んでから中世になったと言う流れは皆様も御存知でしょう。享楽的な消費社会から、禁欲的な宗教色の濃い生活になっていった関係か、カツラも一旦姿を消します。

ルイ13世の肖像画はふさふさですが…(Wikipediaより)

ルイ13世の肖像画はふさふさですが…(Wikipediaより)

再び歴史上に登場するのは17世紀になってから。ルネッサンスを経て、欧州の生産性が伸び始めてからの話です。フランスのルイ13世が付けるようになりました。有名な14世のお父君に当たられる方。カツラはカールがかかっているものもあったと言いますから、今の先取りをしていたんでしょうね。

また、この頃からフランスや英国の貴族の間でも贅沢がそろそろ流行り始めていったのだそうで、国王もアメリカの植民地(いわゆるルイジアナ)とかからの献納品をアクセサリーに付けるなどしていました。そうした中で生え際が注目されていった訳です。

やがて、そのルイ王朝も革命で倒れ、ナポレオンが登場し、欧州は動乱に陥ります。その一段落を待つかのように、今度は英国発の産業革命が世界を覆っていきます。で、一般ピープルにも贅沢が普及し出すと言う流れ。そうなると、次に待っているのは一寸怪しげなアイテムですねー。

 

アメリカ版厚生労働省誕生のきっかけに?

アメリカでは19世紀になると「スネーク・オイル」なるものが突如流行します。詐欺師がお医者さんを装って万「能薬がありますぜ」と各地で売ったのだそうです。売られた薬の中にはトニック状のもあり、これが育毛にも効き目ありという触れ込み。「セブン・スーターヘッド育毛剤」という、それらしき名称まで付けられます。サーカスなどで一家揃ってパフォーマンスをして売っていたとありますから、プロモーション・セールスの元祖とも言えましょうか。でも効き目の無いものを売ったらあきませんな(笑)。

FDAのロゴ

FDAのロゴ

ちなみに、この種のインチキな薬が横行した事に対して新聞社が「これで良いのか」とキャンペーンを張り、それがやがてアメリカ食品医薬局(FDA)の設立へと繋がっていきます。向こうの厚生労働省みたいな官公庁ですね。
これ、ジャーナリズムの世界では、割と知られた話。育毛剤もその遠因の1つだったかもしれないと思うと、興味深いですね。

19世紀は、怪しげな民間療法も流行りました。今度はアメリカではなく、大西洋を挟んだ東側の英国の話。この頃からお茶を飲む習慣が英国にも定着しますが、スピンアウトというか、何故かこれが「ゲッハーにも良いのでは無いか」と曲解されます。「冷たいインド茶」を薄くなった箇所にかけ、更にレモンの薄切りをペタペタと貼ったのだそうですが…結果は当然の事ながら…(涙)。英国人紳士が、真面目くさった顔でそんな事をしていたかと想像すると笑えますね。インド人もびっくり?(古すぎて分からんか)な展開です。

 

ハイテクな薄毛対策の数々

そして20世紀。大量消費とハイテクの時代へ突入すると、このジャンルも洗礼を受けます。怪しげな薬だけでは今ひとつという時代になってきたので、今度はハイテクによるソリューションに訴える業者が出てきました。

その代表例がサーモキャップなるマシン。1920年代にアライド・メルク研究所が開発したものでして、トルコ人が被ってるような帽子を更に引き延ばした形状。「忙しい現代人」(この頃から使われている言葉なのですね)が1日15分だけ、薄くなった箇所を筒の内側から発せられる青い光線で暖め、刺激して生やしていくという触れ込みでした。今なお著名なアメリカのポピュラー・メカニクス誌が1923年に「遂にゲッハー治療発見か?」との見出し付きで大々的に取りあげられましたが、残念ながら…。

暖めて駄目なら吸い上げてみたらというソリューションを提示した企業もありました。クローズリー・コーポレーションという無線や自動車を作っていたメーカーでした。当時のベンチャー企業でして、1936年にザーヴァックという機器を開発します。掃除機の化け物みたいな形状で、頭にすっぽり覆い被せて吸い上げるという、それなりにシンプルかつ妙に説得力あるコンセプト。

引っ張れば伸びるかもというのは、確かに理屈だよな~と思わせます。リース製品だったそうで、家庭や理髪店などを顧客にしていました。HPには、当時の新聞広告が掲載されていますが、それによると代理店も募集していたらしい。「タバコを吸い、リラックスしながら」再びフサフサになる、筈でしたが…。

 

植毛を世界で初めて考案したのは日本人

そうした無数の失敗の中で、一つだけ成功した例がありました。そう、植毛です。しかもこれって、最初に考案したのは日本の皮膚科の医師だったのです!

1939年、頭皮や眉毛その他の毛が生えている部位から移植に成功させています。ただ、時代がもはや美容などの平和産業を許さなくなっていました。何しろこの年に第二次世界大戦が始まり、日本は中国情勢を片付けられずに泥沼化していくのですから。

その20年後、ニューヨークのノーマン・オレントライヒという医師が植毛をアメリカに広め、人気を得ていったそうです。もっとも、初期は技術の稚拙さも有り、人形に植えているような不自然さが残ってしまいましたが、時と共に向上し、やがてナチュラルに見せるようになりました。

そして今ではITを応用してロボットが植える時代になっていった訳です。それにしても、日本人がこうした分野で貢献していたとは驚き。ヒストリー・チャンネルのHPには名前がありませんでしたが、こちらのサイトによると、奥田庄二という方だったそうです。当時、頭に火傷を負った人に移植手術を施したところ髪の毛が生えてきたので、それを医学誌に発表したところ、上記のオレントライヒ医師の着目するところとなり、「奥田・オレントライヒ法」として定着したのだとか。

戦争さえなければ、もっと世間に早く知られていたかもしれないと思うと、少し残念ですね。

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