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えっ?!ニューヨーク・タイムス「ヒトラーの反ユダヤは本気でなく暴力的でもない」

更新日:

そりゃあ、新聞記者やジャーナリストとて人の子ですし、間違いはあるものですが、これは痛いなぁ。

 

朝日新聞の提携先として知られ、世界のクォリティ・ペーパーを自任するニューヨーク・タイムズが、初めてヒトラーに関する報道をした際「提唱している反ユダヤ主義は、それほど暴力的ではないし、本気でやっているとは思えない」と分析していたのだそうです。

 

大外れ過ぎますね。ただ、偉いと言うか何と言うか、そうした痛すぎる大チョンボもキッチリとオンライン上で読めるようにしているのです。一種の自虐史観?

 

自社の黒歴史をしっかりと公開(ただしプレミア・サービスでね)

 

 

「紙の手触りマンセー」といったプロパガンダを繰り返し、モバイル時代に殆ど全く対応しようとしていない日本の新聞メディアと違って、ニューヨーク・タイムズさんは様々な仕掛けをしています。その1つがプレミア・サービス。大昔の同紙の記事を画像表示させ、かつ解説も加えるという企画特集ページです。過去の歴史を学ぶには良いサービスですし、英語と歴史が一度に学べるという意味で武将ジャパンの皆様にもお勧めしたい。

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まぁそれはそれとして、興味深いのは大チョンボの分析記事も隠さずに紹介している所でしょう。このヒトラーに関する分析記事も、こちらのリンク先から読めるようになっています。日付けは1922年の11月21日。前年にナチス党の第一議長に選ばれ、また翌年には有名なミュンヘン一揆に参加した逮捕されています。バイエルン州で注目されつつある頃だったと言えますし、同紙の記者(シリル・ブラウン)がミュンヘンに出向いてレポートしています。

 

これが当時の新聞。ニューヨーク・タイムズのサイトより引用させて頂きます。

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左斜め上の記事が、ヒトラーに関するニュースです。結構な長さである事が分かります。

 

主見出しは「ババリア(バイエルンの別名)で新たな大衆アイドルが人気に」。アイドルって…(笑)。脇見出しは「ヒトラーは途方もない力を持ち、自分の意志で群衆に大きな影響を与えている」とあります。更に「灰色のシャツの軍隊を編成」と、当時のナチス突撃隊の服装にも言及しています。初期の制服はカーキ色じゃあ無かったんですね。へーって感じが。

 

PDF化した記事は、ところどころ読みづらくなっているのですが、同紙のHPではご丁寧に、こう書いています。

 

「しかし、この記事には大変な間違いを犯している箇所が1つある。『複数の信頼出来る情報通』がニューヨーク・タイムズに、ヒトラーの反ユダヤ主義は、世間が聞き及んでいる通り、本気だし暴力が伴っていると教えてくれていたにもかかわらず、2段目の3つめのパラグラフで、そう書いていないのだ」

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これが、その該当箇所です。拙訳すれば、こうなりましょう。

 

「しかし、幾つかの信頼出来る事情通は、ヒトラーの反ユダヤ主義という考えは、世間が聞き及んでいるほど本気ではないし、暴力的でも無い事を確認している。支持者を拡大し、興奮と熱狂を保たせ、組織を完成させ政治力を行使出来る時が来るまでの手立てとして彼は反ユダヤ主義を使っているに過ぎないのだ」

 

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あまりのドヤ顔のナチス擁護の過去に盛り上がるアメリカのWeb業界

 

何と申しましょうか(大汗)って感じの外しぶりですね。余りの豪快さに、新興ウェブサイトも興奮を隠せない様子。まぁある種の歴史的文書であり、アクセス数も稼げるだろうし。

 

何しろ、次のような記事の箇所を、更に引用しているぐらい。

 

洗練された政治家は反ユダヤ主義を繰り返し強調するからこそ、ヒトラーは政治的に懸命で信頼出来るとしている。そして、こう解説する。「皆さんは、大衆が素晴らしい本当の目的を理解したり、評価すると期待してはならない。皆さんは、より目が粗く、一言で多数を惹きつける何かを大衆に用意せねばならない。反ユダヤ主義のような考えは、それに打って付けなのだ。本当に大衆をリードしたい場では、真実を告げるのは政治的に間違っているのだ」

 

そして、こうトドメを刺します。

 

「当時のブラウンの情報源は、ヒトラーの反ユダヤ主義が人を惹きつける為に話したのだろう。それはナチズムに対する初期のドイツ大衆の見解でもあった。しかし、世界がナチスという運動や、世界で最も重要な国の1つでヒトラーが気力を掌握する事に真摯な準備が出来ていなかった事でもある」。

 

「また、こうも言えよう。『反ユダヤ主義という暴力』はヒトラーにとって旨味のある問題だったと分かっているなら、1922年のババリア州の大衆に、何を語るべきだったのか」と」。

 

そりゃあ、ナチスとヒトラーの危険性でしょうに。でも、そうしなかった。ニューヨーク・タイムズのシリル・ブラウンを始め、多くの人が「あれは方便やネタとして言っている」と思い込んでしまったのですから、罪は深いですね。

 

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大誤報(はずれ予測)を書いた記者はどうなったのか?

 

救いというか、大元のニューヨーク・タイムズでは、お茶を濁した検証をしていません。記事は、こう続くからです。

 

「その2ヶ月後の1923年1月、ニューヨーク・タイムズでは異なる様々な経歴を持つドイツ人に対するヒトラーの扇動力をクローズアップしていた」としながら、以下の記事を紹介しています。

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また、ヒトラーが刑務所で大人しくなったとする記事も掲載していた事を紹介しています。

 

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ヒトラーが1924年12月21日に釈放された際に書かれたものなのですが、これを踏まえながら、次のように結んでいるからです。「あぁ、ヒトラーが『大人しくなった』なんて大嘘だというのが即座に分かったのだ」。

 

ホンマ、その後21年間も大暴れしたのですから、3連発での外れとなりましょうか。このブラウンはん、戦後はどうしていたんだろう?

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