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週刊武春 作家

カミュがノーベル文学賞受賞後に恩師に出した手紙は不条理さゼロの号泣系でした

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本日(8日)にノーベル文学賞が発表されます。理系では今年も日本人受賞者ラッシュですが、はたして文学賞では。。。

さて、こういう受賞の際には記念演説などが付きもの。我が国では川端康成が初受賞した際の『美しい日本の私―その序説』は有名ですよね。そうした記念演説ではありませんが、記念の出版物で世の感動を誘ったのが、「異邦人」「ペスト」などで知られ、「不条理」が作風のアルベール・カミュがいます。


ウィキペディア日本語版より)

タレントのセイン・カミュの大叔父さんと言った方が通りやすいかな(笑)。不条理で閉塞的な内容の小説というイメージが持たれがちですが、その内容は読む人の涙を誘わずにはおられない、チョー感動系の内容でした。

良い機会なので、紹介してみましょう。ブランドピッキングスというサイトが報じています(2014年11月19日付け)。

「今日の栄誉、小学校時代の恩師のお陰です!」

その前に、カミュの前半生をサラリと紹介。

1913年、フランス領アルジェリアのモンドヴィ(現ドレアン(英語版))近郊に生まれる。父リュシアン・オーギュスト・カミュはフランスから渡ってきた農場労働者であり、この地でスペイン系の大家族の娘であるカトリーヌ・サンテスと結婚、リュシアンとカミュの二人の息子をもうけている。しかしカミュが生まれた翌年、この父はマルヌ会戦で戦死しており、このためカミュはフランスとのつながりを実感するための生きた手がかりを失うことになった[2]。以後母と2人の息子はアルジェ市内のベルクール地区にある母の実家に身を寄せた。この家には祖母のほかに叔父が一人同居していたが、聴覚障害のあった母親も含め、読み書きできるものは一人もいなかったという[3]。カミュはこの家で、貧しくはあったが地中海の自然に恵まれた幼少期を過ごした。(ウィキペディア日本語版より)

戦争が影を落としていた訳で、この当たりに後の不条理という概念に目覚める素地が作られていたのかもしれませんね。まぁ普通なら、こういう環境下では進学しようとか思わず、まして作家なぞ…という展開になって当たり前だったのでしょうが、この小学校時代に運命の出会いがありました。

担任の教諭のルイ=ジェルマンが、その豊かな天分を見抜いたのです。ジェルマンは、カミュを熱心に指導。更には渋る家族を説き伏せ、奨学金付きで進学させます。

(ルイ=ジェルマン。アルベール・カミュ協会のHPより)

30年後、天分は極限を迎えました。1957年のノーベル文学賞に輝いたのです。作品には「鋭い目と真摯さ」があり「人間の良心という問題を照らし出している」というのが理由でした。ちなみに、史上2番目の若さでの受賞でした。

栄誉に輝いた数日後の1957年11月19日に、カミュはジェルマンに手紙を出します。その内容は、次のようなものでした。

1957年11月19日

親愛なるムッシュ・ジェルマン

ここ数日、私を取り巻く喧騒も何とか収まり、先生への心からの感謝を申し上げる機会が出来ました。追い求めたわけでもないのに、過分なる栄誉を受けました。受賞の一報を聞き、まず思い浮かんだのが母であり、その次が先生でした。先生と、その愛情の籠った指導あればこそ、小さな貧しい子供だった私が成長できたのです。先生がご指導なさらず、方向を示してくれなければ、このような受賞は決して無かったでしょう。このような賞を頂くだけの作品は書いていないのですが、少なくとも先生が私にとってどんな方であったか、また、どんな方であり続けているかを皆様に知らせる機会を設けてもらったとは思っております。先生の指導と努力、その業績と寛大なる精神が、小さかった小学校児童の一人だった私の心のなかで今なお生き続けております。今後とも、先生の素晴らしい教え子であり続けます。心から抱きしめたく。
アルベール・カミュより

教師冥利に尽きる手紙ですね。もらった時に、きっと号泣したんだろうなぁ。人生って、本当に出会いですよね。そして、良き教え子に出会って、文学の歴史を変えてしまったジェルマン先生に乾杯!

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