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織田家 鎌倉・室町時代 週刊武春 真田丸レビュー

真っ赤に焼けた鉄の棒を握る鉄火起請は史実!? 元ネタは織田信長さんかと思われます

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大河ドラマ『真田丸』で話題になった鉄火起請をご存知でしょうか?。

第12回で放送されたシーンで、『真っ赤に焼けた鉄の棒を手の平に握り、それを所定の位置まで運ぶ』という現代人には理解し難い行為であります。

あれは一体なんなんだ? 史実でそんなことあったのか?

答えは半分YESで半分NOという感じでしょうか。史実の真田信繁にこの類の逸話は聞かれませんが、一方で「鉄火起請」そのものは確認されており、さらには別の有名大名にドラマとよく似たようなエピソードがあるのです。

誰あろう、織田信長さんです。

 

負けたら殺されたり、勝っても農具が握れない

まずは「鉄火起請」の正しい説明から見てみましょう。

国史大辞典を参考にしますと、【中世の裁判において行われた神意による裁判方式の一種。室町幕府および寺社の裁判における事例がよく知られている】という「湯起請」の項目がヒットします。

熱湯の中に手を突っ込むのが湯起請で、焼いた鉄の棒を握るのが鉄火起請。※実は火起請(ひぎしょう)とも言います

いずれにせよ自殺行為としか思えない苦行を神様の前で行い、その神託を仰ぐ――という内容で、主に村と村が土地や水利権を巡って争ったときなどに各村から代表者が選ばれ、2名で実施されるものでした。

一言で言えば、重傷必至の生け贄我慢大会ですね。

裁判であるからして当然勝ち負けがあり、これを実行した村人は負けて殺されたり、仮に勝ってもその後農具が握れなくなり、他の村人たちの世話になって生きていくという運命を余儀なくされたようです。

中世(特に戦国)は、食料を奪い合う時代でもありましたので、村と村が争うよりは犠牲者も少なくてマシだったのかもしれませんね。過去放送の真田村でも隣村に襲われるシーンがありましたし、歴史好きの三谷幸喜さんだけに、こういう当時のリアルな風習も盛り込んできたのでしょう。

しかしこの逸話、そもそも真田信繁さんよりはるかにビッグで有名な大名のものだったりします。

前述の通り、あの織田信長さんです。

イラスト・富永商太

イラスト・富永商太

 

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ガチで火起請をやっていたのかよ!

それは『信長公記』(著・太田牛一)、首巻の中に記されております。

現代語訳 信長公記 (新人物文庫)をさらに要約してお伝えしましょう。

【尾張国の大屋という村に織田信房(信長の5男)の家来で、甚兵衛という者がいた。
甚兵衛は、隣村に左介という友人がいたのだが、ある年の12月中旬、甚兵衛が留守にしている間、左介が甚兵衛宅に夜盗に入る。
このとき甚兵衛の妻が左介の刀の鞘を奪いとり、後日、守護に被害を訴え出たところ「火起請」で決めようということになった。

ここで「天道は曲げられない恐ろしいこと」が起こる。
当日、左介は火起請に失敗。この判定を覆すべく、その仲間たちの池田恒興一派(左介は池田恒興の家臣)が騒いでいると、偶然、鷹狩の帰りだった織田信長が通りかかるのである。

信長は一通り話を聞いた後、思いもよらぬことを口走った。
「ワシが火起請の鉄を無事に受け取ることができたら、左介を成敗せねばならない。そのように心得よ」
そう言うと、信長は焼いた斧を受け取って棚に置き、そして左介を成敗させた】

なんと、信長さんはガチで火起請をやっていたのですね!

『信長公記』は信頼度の高い一線級の史料として知られます。ただし、太田牛一による執筆・編纂は伝聞も多いため、実際には誤りもあるとされています。特に、織田信長さんがリアルに火起請をトライした場面はなかなか考えにくいですが、それでも当時の世相をよく表しているシーンには間違いありませんでしょう。

村人と村人の争いに武将が絡む――という構図を端的に表すなら、こういった印象的なシーンの方が絵面も良いですし、ドラマでの話題性も高まります。

そんな理由から、信長さんのエピソードを持ってきたような気がします。たぶん。

なお、火起請のリアル描写なら、歴史ファンお馴染みの人気番組『タイムスクープハンター』でも放送されています。見逃した方は、再放送を待ちましょう。




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【参考】国史大辞典

 




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