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週刊武春

信長御前を実食し、家康の歓喜重圧を楽しむ! 舌で味わう歴史エンタメが名古屋にあった!

更新日:

武田も滅ぼし、中国も攻略中 絶好調の信長が家康にお食事を

長い戦国時代でも天正10年(1582年)は特に激動の年であり、織田信長にとっては天下取りが見えて来たターンでした。

甲斐の名門・武田氏が滅亡。
上杉氏の命運もいまや風前の灯火。
毛利氏は羽柴秀吉(豊臣秀吉)が攻略中。
北条氏も遠からず降るだろう――。

よって……
「最近俺らいい感じだよね。っていうか、武田も滅ぼして絶好調じゃね? それもこれも長年頑張ってくれた家康くんのおかげだと思うんだよな、ウンウン」
彼がそう考えたとして、何の不思議がありましょうか。

織田信長は武田氏滅亡を祝うため、同盟相手の徳川家康を相手に精一杯のおもてなしを考えました。

堺見物、茶の湯、そして豪華な食膳。
このとき信長が家康に対してふるまった料理とは一体いかなるものか。
気になりません?

いや、これは歴史ファンならずとも絶対気になるハズ!
なんせ天下人のお食事ですからね。ぐるナイ『ゴチになります!』のお会計が20万円、30万円とか言ってるのが可愛いレベルでありましょう

本日は不肖・小檜山が、彦麻呂氏に代わり信長の満漢全席グルメリポートをお送りしたいと思います。

 

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「安土御献立十六日之夕膳」が現代に再現されました

信長が家康にふるまった食膳。
実は、そのメニューがあまりに素晴らしい料理だったため、献立の記録は残されました。

そして今それが、徳川美術館の隣にある「宝善亭」にて再現されたのです。

名前はズバリ「信長御膳」!(価格は3,800円)
「信長(が家康をもてなした)御膳」というわけですね(以下に参照記事)。

【86】安土御献立十六日之夕膳 信長が家康を接待したメニューが「信長御膳」として徳川美術館の隣で再現される!

まずは全メニューを掲載しておきましょう。

食前酒……赤ワイン。当時から飲まれていました。
うるか……鮎の内臓と卵の塩漬けです。くせがなくて食べやすく、それでいて濃厚な味わいを楽しめます。
蒲鉾……魚の擂り身を串につけて焼いたもの。現在の蒲鉾よりちくわに近い食感と見た目です。
茹で蛸……腐敗防止のためイボと皮がないため、一見すると蛸に見えません!
このわた……ナマコの内臓を塩漬けにしたもの。
……やっぱり鮑ですよね! コリコリの触感がたまりません。
……当時最上級の魚は鯉、鯉に勝る魚はないと考えられていました。泥臭さがなく、さっぱりとして上品な味です。
(すずき)……三鳥五魚の一種、美味な魚として有名なのだとか。
茄子つぼつぼ……料理長の工夫が感じられる入魂の一皿。大きめの茄子をくり抜いて中に鶏の挽き肉をつめ、茄子の身でふたをしたもの。当時は鴫(しぎ)の肉を用いていました。見た目も工夫も凝っています!
……当時は鴫(しぎ)を使用。代用しています。
鱒塩焼き……鱒は近江の特産物。今回は塩糀をつけています。
……生麩に味噌をつけてあぶったもの、シンプルながら奥が深い味わい。
焼き味噌……信長の好物。ただの味噌じゃありません、葱と生姜をあわせています。ご飯にあわせても。
宇治丸……鰻を丸のまま焼いて醤油と酒をあわせたたれをつけます。今回はお茶漬けにできます。
湯漬け……宇治丸を乗せて、湯漬けにをどうぞ。せっかちな信長は湯漬けを好みました。
瓜味噌漬け……香の物は味噌漬けをさします。
羊皮餅……製法や形状はわかりません。今回は大福と饅頭の中間のような味わいに加えて、豪華な金箔を添えています。

もう、これでもか!という凝った味わいの逸品だらけ。
実食して感じたのは「これは食べるエンターテイメントだぞ」、ということです。

 

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塩分補給の大事な武士だから焼き味噌がポイント

食とは味だけではなく、見た目や演出、目で味わう要素もあります。
この御膳を見ると、まず盛りつけの美しさや金箔の輝きに目を奪われます。箸をとる前から食事は始まっているのです。

つぼつぼ焼きのふたをあけると、桔梗形の麩が出てくるのも一興。三度も作り直した、まさしく近澤料理長入魂のメニューです。じっくりと味わってください。

そして次に、味わいです。
当時のものを再現したとはいえ、現代風にアレンジしているため、食べにくいものは一切ありません。
上品でさっぱりとしていて、当時最高級の食とはこのようなものか、と思えます。

現代風にアレンジされているとはいえ、焼き味噌といった料理は現在の食膳では敢えて食べないようなものもあるのがポイントです。
運動し汗をかく武士ですから、塩分補給は大事です。
簡単に食べられる焼き味噌が好物というのは理にかなっています。

動物性タンパク質である魚や鶏肉も豊富です。
現代人のように牛や豚を口にしないため、こうした食材で補っていたわけですね。
この御膳はボリュームたっぷりとはいえ、食べきることができる量ですが、元になった料理は圧倒されるほどの量です。動き回り汗を掻く、武士の体育会系の食卓です。

 

家康は素直に喜べたのか? むしろプレッシャーでは?

そして何より、この御膳はストーリーをいただくメニューでもあります。
信長と家康の“勢力圏”から選りすぐった食材、心尽くしの工夫。
ふるまう信長、ふるまわれる家康。
彼らは何を思い食したのか?
想像力こそこのメニューにおける最高のスパイスになるはずです。

これは私の勝手な妄想ですが、家康は素直に「なんて素晴らしい食事なんだ。信長さん、ありがとう!」と思えたのだろうか?と、いささか不安に感じました。
なんせ相手は信長さん。その全力のおもてなしですから、口に入れる方のプレッシャーも尋常ではございません(という妄想ですが)。

「これだけもてなしたからにはもっと働けという意味かもしれない」
そんな疑心暗鬼もあったかもしれません(庶民の下衆の勘繰りですみませんm(_ _)m)。

それより何より、食材が各地から届き、遅滞なく調理されているということ。
これが既に権威です。

冷蔵庫もない、運送トラックも高速道路もない、そんな時代では新鮮な食材を運ばせ入手することこそ権力のあかしです。
これだけの食材を手に入れることができる範囲を支配下におさめている。こういう料理を他の地方大名やその使者相手にも振る舞うのですから、そうなると戦意喪失効果すら発揮しそうです。

スイーツである「羊皮餅」、これも素晴らしいと思います。
メニューに取り入れたのは女性受けという要素もあるわけですが、当時の最高級の料理を再現して、甘いものを抜かすというのは絶対にあってはいけないことだと思います。
この膳では金箔と金色の器で豪華さを演出していますが、当時の人々にとって「甘い」時点でこれはもう大変高価、食べる贅沢品であったわけです。
なんせ大半の人が、甘味といえば果物、蜂蜜を食べられる程度であった時代に、砂糖をふんだんに使った菓子がどっさりと置かれるのですからね。かなり衝撃的な状況であったハズ。
クレオパトラのように真珠をワインに溶かして飲む必要はありません。
ただ、甘いものを並べればそれだけでもう「主催者は金がうなるほどある」とアピールできるのです。

家康は舌鼓を打ちつつも、こんな凄い食膳を用意する信長の権力を目の当たりにしたわけです。

 

神君伊賀越えをしながら食事を思い出す……どころじゃないか!?

この食事が、それこそ衝撃的なのは、直後に本能寺の変が起こったことでしょう。

徳川家康は、当時最高の食、贅を味わいながら、ほどなくして「神君伊賀越え」をする羽目に陥るのです。

明智光秀の軍勢、地元の野盗に怯えながら、命からがら伊賀を越えるとき、家康はこの日の食膳を思い出したのでしょうか。
ドラマ真田丸の内野聖陽さんが演じたように、情けないほどに逃げるのに必死で、信長の歓待など思い出すどころではなかったのでしょうか。

膨らみます。
味も妄想も膨らみます。食材の一つ一つを口元に運ぶたび、私の口内と脳内で歴史のエキスがジュワっと広がるのです。
こんなところで戦国談義に花を咲かせながらお酒を飲めたら、もう最高!

四世紀を経た現在、信長の家康接待は、食べるエンターテイメント、歴史学習として生まれ変わりました。

現在、徳川美術館で実施されている「天下人の城」展示室は、天下人が見せたかった権威が光り輝きあふれています。
それを目にするだけでなく、舌でも権威を味わえるなんて、まさしく画期的な、まったく新しい経験。この御前を味わうことなく、徳川美術館を去るというのは、あまりにも惜しいことです。

目で彩りを、舌で食感と味わいを、鼻で香りを、そして心と頭脳で歴史を楽しんでください。
箸を置いたとき、あなたと歴史の距離は食を通じて一歩近づいているはずです。
※予約が必要ですので忘れずに!

文:小檜山青

【参考】

宝善亭

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