江戸時代 週刊武春

江戸時代の人気No.1アイドル「笠森お仙」って、どんだけ美人だったの?

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いつの時代もアイドルたちの笑顔は可愛らしく、そしてまばゆい。

松田聖子に安室奈美恵、AKBの人たちなどなど。
トップアイドルが世にでるときは、テレビだけではなく映画にドラマ、CMへと、あらゆるメディアを巻き込みブームが作られていく。

しかし、そんな彼女らでも到底勝てないスーパーウーマンが江戸時代にいた。

明和の三大美女の一人と言われた、笠森お仙(1751-1827)である。

 

ヨダレを垂れ流し団子も食わねぇ

何がスゴイって?

お仙は谷中の茶屋で働く単なる町娘だったが、美人の評判が江戸中を駆け巡り、わざわざ彼女見たさに団子を食いにくる男たちが続出。

大田南畝という当時の作家(であり官僚)によると、
『お仙は化粧をせずとも超絶美人で、それを見に来た野郎たちは、ヨダレを垂れ流し、団子も食わねぇ』
とまぁ、とにかく逸話に事欠かないのである。

あまりに美人なため、鈴木春信という著名な画家が彼女を描き、それが江戸中に出回ったほど。

そしてまた野郎どもが見にくるという動きに乗じて、他にも彼女を絵柄にした手ぬぐいを売りだしたり、人形のモデルにしたり、はては狂言や歌舞伎など、一大メディアミックス現象をすでに江戸時代から巻き起こしていた。

まさに一人AKB48状態だ。

 

彼女の魂に会いたければ上野養寿院の笠森稲荷へ

んじゃ、実際にお仙ってどんな姿をしてたの?

気になる。
激しく気になる。
事と次第によっちゃ、オレもお仙に会いに行きたい!

彼女の働いていた茶屋は、現在、上野桜木町養寿院の笠森稲荷になっているので、首都圏在住の方は、一度足を運んでも良さそうね。

では、お仙さん、ご登場お願いします!

笠森お仙/wikipediaより引用

いやはや、何と言っていいやら。
当時の日本画だけになんとも判断つかんですわなぁ。

では、コチラでどうぞ。ズドン!

笠森お仙・勝川春章作/国立国会図書館蔵

今度はモノクロで見づらいっすかね……。

見のこなし方は現代モデルって感じだろうか。
立ち振舞がスッとしていて菜々緒さんとか冨永愛さんみたいな? 違うか。

 

庶民の夢も希望も奪う エリート若手官僚との結婚

では、もう一丁いってみよう。
ズドン!

笠森お仙・芳年国周作/国立国会図書館蔵

うーん。こちらは胸元が少し露わになっていて、今で言えば水着グラビアに近いイメージですかね。
悪女風にも描かれていて、モテない男たちのジェラシーも感じられる。

実はこのお仙さん、突如姿をくらましたことから、
『嫉妬に狂った茶屋のオッサンから逃亡し、後年、そのオッサンに見つかり、喉を噛みちぎられて死ぬ』
という凄まじい俗説が残っているのだ。

現実は、もちろん違う。
将軍直属ともいうべきエリート武士(若手官僚みたいなもんか)と結婚し、武家に入ったため、結果的に姿をくらましたカタチとなり、悪い印象の噂が江戸中に流されたようだ。

いつの時代も、情けないですね、噂を流す女々しい男って。
そして、いつの時代もエリートやお金持ちはモテますね。もちろん人によるけどさぁ。

嗚呼、なんだか妙にせつない、この後味悪い気分、どうしてくれんのさ?
上野の団子屋にでも行って、ヨダレを垂れ流してくるしかないかなぁ。

 

笠森お仙はAKB48そのものだった

と、まぁ、上記の原稿を公開したところ、友人からすぐさま
「AKB48と笠森お仙なら、磯田道史さんという歴史学者が面白い原稿を書いてるよん」
とのツッコミが。

以下は、友人による記事の要約だ。

磯田道史 古文書ジャーナル
江戸の「会いに行けるアイドル」

「会いに行けるアイドル」というキャッチフレーズは、歴史家にとってあまりにも江戸的に思える。すでに、田沼意次の明和年間に存在したからだ。

たしかに平安・鎌倉時代にも静御前のように偶像化された踊り子はいたが、「素人っぽさ」はなく、お仙がはじめて。彼女から2、3杯のお茶を入れてもらい、ちょっと言葉をかわして四十文(2千円)前後。なかには百文(5千円)のチップを渡す男もいた。

当時の美人像も鼻筋が通りウエストが細い女だが、小顔はダメ。
そして化粧をせず「地物の上品」であることがポイントであった。

絵や手ぬぐい、フィギュア。そしてAKBの総選挙と同じく「美人くらべ」も勃発。その動きは(SKE48やHKT48、NMB48などでそうしてきたように)、江戸時代にも全国へ普及し、特に名古屋で盛り上がった。

そして最後は、笠森稲荷を運営してきた幕府御庭番の倉地家に、お仙は嫁いでいく。
まるで秋元康氏の奥様が「おニャン子クラブ」の元アイドルだったかのように。

ふむふむ。
秋元康さんの元ネタ、実は江戸時代だったってことね。結婚までトレースしていたとは!

文・五十嵐利休

【参考】

 



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